有村藍里、妹・架純との比較に葛藤「叩かれることしかなかった」 改名&セミヌード決意の裏側を語る<モデルプレスインタビュー>
2018.02.10 18:00
views
有村藍里(ありむら・あいり/27)。16歳の頃からグラビアアイドルとして活動するも、メディア露出はほぼゼロ。無名のタレントだった彼女は2015年、1つの報道を機に「国民的女優・有村架純の姉」として世間の注目を集める存在となる。意図する形ではなく、いわば“引きずりだされてしまった”形で話題をさらった彼女を襲ったのは、誹謗中傷の嵐。芸能活動を休止し、一時は引退も考えたというが、今、彼女はそれを「それらをすべて受けとめて」消化し、たくましい姿を見せる。そこには、これまでの苦悩、そして人としての大きさがあった――。<モデルプレスインタビュー前編>
「怖さもあった」改名が機に
― 昨年は改名に始まり、セミヌード写真集の発売、バラエティ番組に多数出演、と環境の変化が大きい1年でしたね。
有村:そうですね。もともと“新井ゆうこ”という芸名で、グラビアアイドルとして16歳の時から色々活動したり、オーディションを受けたりしていたのですが、その頃は本当に無名で。昨年、本名に変えて写真集をきっかけに、バラエティ番組に呼んでもらえるようになりました。テレビに出ることによって「有村架純の姉」ということが前面に出てしまいながらも、すごく多くの人が見て下さって、それをきっかけに知ってもらうことが増えました。もちろん好意的な声だけではありませんでしたが、ブログのアクセス数や観覧者数はすごい勢いで伸びていきましたし、Twitterのフォロワー数は4万人くらい増加しました。確実に知名度は上がった1年だったと思います。
― 10年ほど芸名で活動してきた中での改名。葛藤や迷いはありませんでしたか?
有村:ありました。私は、プライベートで友達と会ったり、遊んだりすることがあまりないんです。そんな状況で、16歳の時から芸名で活動してたので、ずっと芸名で生きてきた感覚で…。なので、いざ本名で活動すると決める前には、怖さもありましたね。
― 怖さとは具体的にどういったものでしょうか?
有村:本名で活動すると、この先、一生ずっとどこ行くにも何をするにも、ついてくるじゃないですか。例えば、病院で名前を呼ばれる時にも、もしかしたら「あっ!あの子」「あの子、有村架純のお姉さん」みたいな感じに言われるんじゃないかな、と。そういった怖さは色々ありました。
― その怖さは乗り越えた?
有村:自分の中で覚悟を決めたんです。心機一転じゃないですけど、本名で恥じない人生を歩んでいけたら良いなって思ったので。「ここから、やろう」「覚悟を決めよう」という気持ちを持っての本名での活動でした。
― どなたかに相談はされましたか?
有村:これまで10年間、大阪のプロダクションに所属しており、そこから独立して活動しようとした時、名前をどうしようかな、と悩んだんです。それで、お母さんに相談したら「本名でやれば?」って。「せっかく可愛い名前つけたんやから、そっちでやれば?」と言ってくれて、本名で活動することになりました。
― その時、妹さんに相談は?
有村:妹とは仕事の話はほとんどしないんです。一緒にお出かけしたり、遊んだりはするんですけど、お互いに仕事の相談は今まで一切したことなくて。なので全く言わずに、本名に変えて同時に写真集発売も発表、という形でした。でも妹は、ネットニュースを見て「ニュース見たよ、おめでとう」と連絡をくれて。「言わんくて、ごめんね」と謝ったら「全然!」と言ってくれたので、良かったです(笑)。
― お仕事の話はあえて話さない感じなのですか?言いづらい、とか?
有村:あえて、というわけではありませんが、なんとなく…。妹だけでなく家族に自分の仕事を言うのは、ちょっと照れくさくて。写真集の時は「おめでとう」と言ってくれたので、嬉しかったです。
セミヌード写真集への覚悟
― 温かい反応だったんですね。その写真集では、セクシーなショットにも多数挑戦されてましたね。
有村:セミヌードだったのですが、恥ずかしい、とかはなくて。作品として本になるということ自体が難しいことだと思いますし、今までイメージDVDなどは発売したことがありましたが、写真集は初めてだったので、嬉しかったです。それに写真を撮って頂いたカメラマンさんの作品がもともと、写真集を持っているほど好きで。なので、その方に撮って頂けるなら、と全部委ねられましたし、全部出しても恥ずかしくなかったです。「良い作品が残るんだったら何でもやります」という感じでしたね。
― 緊張もなく?
有村:しなかったです。この10年くらいは、撮影会などのお仕事を通して、色々な方に写真を撮ってもらうことが多かったので、そんなに緊張はなかったです。
― 今回、特別に体を作ったり、ダイエットをしたりはしましたか?
有村:ダイエットはしなかったです。今回、グラビア写真集ということなので、女性らしいふっくらした体型が良い、という話を聞き、逆に5キロ太って挑みました。ストレッチや筋トレといった軽い運動をしつつ食べる、といった感じで…。普段、全く運動しないので、筋力とか全然なくて貧相な体だったんですけど、この時は良い感じにふっくらした状態で撮ってもらえました(笑)。もともと太りやすく、痩せやすい変動が激しいタイプなので、良い感じをキープすることがなかなか難しくて、大変でしたね。
有村藍里、妹・架純への意識は?
― 少しお話が戻ってしまいますが、もともと藍里さんは、架純さんよりも先に芸能活動を開始されていました。先程、お仕事の話はしない、とおっしゃっていましたが、意識もしていませんか?
有村:今までの私が生きている芸能界の世界はグラビアアイドルという職業で、妹が生きている芸能界は女優さんという職業。確かに同じ芸能界ではありますが、全くフィールドが違うと感じでいたので、妹は妹の世界、私は私の世界という風に完全に別物でした。もちろん全く関係ない、というわけではありませんが妹は妹で頑張っていたし「すごいなあ」と見ていましたが、妹を意識して「妹の方が売れてるなぁ」「それに比べて私は売れてないな」とか、そういうところは考えたことがなかったです。姉妹だし、家族だし、仲も良くて一緒に遊ぶけど、仕事に関しては本当にお互いノータッチです。
― そうなんですね。架純さんの話もありますが、最初は結構、厳しい声もあったのでは?
有村:ありました。めちゃくちゃ叩かれました。スポーツ誌さんに有村架純の姉、というのを無断で勝手に暴露されちゃって、最初は「売名」とかすごく叩かれたんです。そうした声を受けて、妹に迷惑かけちゃうんじゃないかな、私が出たことで妹に迷惑がかかったら申し訳ないと思ってました。もちろん「有村架純の姉」としか見られない自分も嫌でした。なので、3ヶ月間、芸能活動を休止して引退も考えました。
誹謗中傷も“強み”へ
― 自分では意図しない形で表に出てしまって…。有村:そうなんです。その時は、それを全くチャンスだとは思えなくて、ただ悲しくて。でも「売れないグラビアアイドルで、よく分からない人」と、「朝ドラ・紅白に出るような人気女優」。世間からすれば、その差のようなものが叩く要因になったのかな、と思うんです。それに私、ビジュアル的に妹より劣っているとはそれまで思わなかったのですが、世間の人に叩かれちゃって、「あ、そうなんや…。私ブスなんだ!」って思っちゃて…。
― いやいや、そんなことない!
有村:ありがとうございます(笑)。でも世間ではそうなんです(笑)。当時はもう、すごい…叩かれることしかなかったんです。世間からすれば、私は何者かも分からないし、ブログやTwitter、インターネットの写真などしか情報がないので、どういう人間かも知られないまま、叩かれちゃうことが多かった。そんな状況では悲しいな、と思いましたし、悔しさもありました。私を知ってもらって、その上で叩かれるのは良いにしても、何も知られていないし、本性が分からないまま叩かれるのは嫌だなって気持ちになったんです。ありがたいことに、テレビに出させてもらうチャンスが多くあったので、どうせならたくさんテレビに出て私を知ってもらおう、と。
― 強いですね。「職業は有村架純の姉」と言うなどテレビでは自虐トークやぶっちゃけトークで盛り上げる事も多く、その飾らない姿が、女性からの支持や共感に繋がったんじゃないかなって思うんです。そこには何か、吹っ切れたような感覚はあったのですか?
有村:最初から世間的なイメージはマイナスじゃないですか。なので逆に、もう別に失うものもないなぁと振り切れました。テレビに出て、すべっても、転んでも「別に最初からマイナスだし」って(笑)。そんな気持ちで毎回挑んだら、逆にそれが「有村藍里、吹っ切れてておもしろい」みたいな感じで評価して頂けて、そういう風に見てもらえるんだなと分かり、徐々にそれが強みになっていきました。どんどん言いたいことは言っていこう、どんどんチャレンジしていこうと思って、今に至りますね。
― なるほど。「有村架純の姉」として出て、それが転じて強みも持った今は何か変化などは感じていますか?
有村:とにかく「やるからには全部やりきろう!」という気持ちで挑んでいます。なのでバラエティ番組では「私を呼んで良かったな」と思って頂くことが1番だと思っています。最初は架純の姉ということで、妹の話が多かったのですが、その中で、私自身はどう表現していこう、と考えるようになりました。どうせならおもしろくしたいな、笑ってもらいたいな、と思うんです。もともとバラエティ番組が好きで、よく見ているということもありますが、見ている人が楽しんでくれたら良いなと考えています。
有村藍里、心無い声も前向きに エゴサーチは毎日
― 今でもエゴサーチはされるんですか?
有村:エゴサーチは毎日してます(笑)。最初は厳しい声しかありませんでしたが、テレビに出るたびに「妹を使って売れてやる、みたいな嫌な奴だと思っていたけど、テレビで見たら意外と良い人」みたいな声も多くて、それがすごく嬉しくて!そういう声を見て「あぁ、あの番組出て良かった」「あれチャレンジして良かった」「テレビに出て頑張って良かった」とモチベーションにしています。あとは今も「アニメのゴキブリのキャラに似てる」とか「『進撃の巨人』の巨人に似てる」とか言われるんですけど、「まぁ確かに似てるな~」って笑えるし、逆にまたテレビでネタにできるし、そうして1人でも笑って頂けたら嬉しいなって思いますね。他にも「口元があんまり良くないから、変えた方がきっと綺麗なのにな」という意見を見て「なるほど!」と(笑)。その後、歯を6本抜き、歯並びを矯正しました。
― すごい!アドバイスのように受け止めたんですね。
有村:はい。普段面と向かって会う人達だと、そういうことは直接言いにくいと思いますが、ネットの人は顔も分からないから、はっきり思ったことを言ってくれている気がするんです。だから「じゃあ改善していこう」と前向きにアドバイスとして受けられる。最近は叩きや批判コメントが無かったら、ちょっと寂しいなって思っちゃう…(笑)。それくらいにはなりました!(笑)。
有村藍里、引きこもりだった中学時代 自分を変えるため芸能界へ
― すごくポジティブな発想ですよね。今もですが、テレビで見る藍里さんとTwitterやブログに思いを発信されている藍里さんでは、結構印象が違うのですが、ご自身としては、ポジティブ?ネガティブ?
有村:めっちゃネガティブです(苦笑い)。私、中学生の頃に1回引きこもりになって、学校に行けなくなっちゃったんです。子供の頃から人見知りで、引っ込み思案だし内気な性格だったので、人との距離感や人との関わり方とか人づきあいの方法が昔から分からなくて…。親にも人見知りしちゃうみたいな子だったんです。それで、その原因は分からないのですが「学校つまんないな」「友達もあまりできないな」「行きたくないな」という感じで引きこもっていきました。
― 辛かったでしょうね。
有村:そうですね。何でか分からないですが、そういう時期がありました。“自分”の出し方が分からなくなっちゃって。でもそういう自分が嫌で変わりたくて。
― それで選んだのが芸能界だった、と。
有村:はい。芸能界は「元気いっぱい!きゃぴきゃぴ!キラキラ!」みたいなイメージだったので、そういう知らない世界に飛び込んだら、自分も何か変わることができるんじゃないかなって。それで16歳でこの世界に飛び込み、グラビアアイドルとして活動を始めました。活動を重ねる中で、私の事を好きだと言ってくれるファンの人も増えて、そういう方と接していく中で、本当に少しずつではありますが、私自身変わっていきましたね。ただ、それでも、まだどこかなんとなく、自信ないというか「全然殻が破れてないな」と感じる部分はずっとあって。ただそれは、改名してから、吹っ切れたとは思っています。
― 改名は藍里さんにとって、本当に大きなことだったんですね。
有村:はい。本名に変える、という1つの覚悟を決めてからは、だいぶ吹っ切れたと思います。ただ、まだバラエティの収録で現場に行っても、全然共演者の人たちと喋れなくて…。フレンドリーな方もいますが、逆にテレビでは明るく元気だけど、本当は人見知りな方もいて「私も人見知りなんです」と話しかけて頂くと、すごく勇気をもらえます。
― 芸能界でのお友達も増えましたか?
有村:友達は…芸能界ではあまりできていない(笑)。でも連絡先を交換して「遊びに行きましょう!」という感じで誘ってくれるようにはなりました。一歩踏み出せたかな、と思います。
有村藍里、イモトアヤコを目指す!?
― そうした一歩を重ねた先にいる藍里さんは、どんな風になっているのでしょうか?
有村:自分の目標というか…夢はイモトアヤコさんのようになりたくて…。身体を張ったことにも、どんどん挑戦していきたいんです。
― また意外な(笑)。でもこの間もバンジージャンプをやりたい、とおっしゃっていましたね。
有村:そうなんです。バンジーを飛んだり、サバイバルで大変な生活をしたり。「大人しそう」「静かそう」と言われると「あまりはっちゃけちゃダメなのかな」「大人しくしておいた方が良いのかな」と思ってしまうので、「大人しそうだね」と言われなくなりたいんです(笑)。でも「大人しそうなのに、こんなこともしちゃうんだー!」と言われるような、見た目とはギャップあることにも挑戦して、もっとみんなを笑わせたいなって思います。
― 直近で何かそういうお仕事や、出たい番組などはありますか?
有村:まだなくて…オファー待ちです(笑)。ただ『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)は本当に出たくて!森三中の大島(美幸)さんやいとうあさこさんは、モザイクありながらも、胸とかバーンと出して、恥じらわず平然と歩いていらっしゃって、潔さというか、なんかカッコイイなって。…ああいうのやらせてもらいたいです。
―本当ですか!?(笑)
有村:そうなりますよね(笑)。いやいやいや…と言われるんですけど、でも、そういうことをしても、あっけらかんとしている姿に憧れているんです。
― 芸人さんになりたいわけではない?
有村:私が芸人さんになりたい、なんておこがましくて…。とにかくみんなに笑ってもらいたいと思うんです。もともと関西人というのもあると思いますが、バラエティ番組がすごく好き。でも、まだ自分を表現することが分からなくなっていて『金曜☆ロンドンハーツ』(テレビ朝日)の水泳大会では結構やりすぎちゃいました(笑)。妹の名前を連呼したり、「うぇ~い」みたいなテンションだったり…(苦笑い)。
― 結構ニュースになっていましたね(笑)。
有村:ちょっとはっちゃけ過ぎちゃったんです。いきなりだったから、弾け度合いが分からなくて。だから視聴者の方からすると「他の番組では大人しい感じなのに、急にロンハーでどうした?」という感じだったでしょうし、実際「情緒不安定なのでは?」「クスリやってる?」なんてことも言われました。今はしっくりくる温度感を探っているところです。急に元気にやったら、それはみんな戸惑いますよね(笑)。なので、徐々に調整しています。
― ロンハー出演は、ブレイクのきっかけとして大きかったですよね。「ここでチャンスを掴もう」といった気持ちで臨んでいたのですか?
有村:ここで何とかしてチャンスを掴もう、というよりは、せっかく呼んでくれた人たちをがっかりさせたくないなって気持ちが1番でした。
― 素敵です!
有村:でも全然、素敵じゃないです(笑)。そういう性格なので…多分。
※後編に続く。
(modelpress編集部)
有村藍里(ありむら・あいり)プロフィール
生年月日:1990年8月18日
血液型:O型
身長:162センチ
特技・趣味:YouTube鑑賞・世界の気温を調べること
【Not Sponsored 記事】