芳根京子、Sexy Zone中島健人に「救われた」「自然に涙が…」映画「ここさけ」に捧げた思い、朝ドラヒロイン経た変化<モデルプレスインタビュー>
2017.07.20 18:00
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2015年9月に劇場で公開され、心を揺さぶる感動作としてヒットを記録した劇場版オリジナルアニメ『心が叫びたがってるんだ。』(通称:ここさけ)の実写映画版(7月22日公開)でヒロイン・成瀬順を演じる女優の芳根京子(よしねきょうこ/20)。NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(2016年後期)で一躍注目を集めた彼女が、髪を30cmカットして挑んだ本作では、ビジュアルだけでない“新しい芳根京子”を見せている。モデルプレスは芳根にインタビューを行い、作品に込めた思いを聞いた。
目次
映画『近キョリ恋愛』(2014)、『君に届け』(2010)などを手掛けた熊澤尚人氏が監督を担当する。
芳根の涙で生まれたシーン、監督からの熱血指導
― 芳根さん演じる順は、言葉を発することができず筆談でしかコミュニケーションを取ることができない役どころということで、演じるにあたって難しい部分もあったかと思います。順という人物をどのように捉えて演じていましたか?芳根:役を掴むまでの最初の2、3日はすごく迷いがありました。撮影で私なりの順を投げかけてみたんですが、監督からは「もう1回やってみよう」、「もう1回」と言われることが本当に多くて、どうしようかなとすごく悩んでいました。それは拓実(中島)とのシーンだったんですけど、何度もお付き合いしていただいて…。「自分が順の一番の理解者じゃなくてどうするんだ」「順を応援したいと思ってもらえないと、この作品で誰かの心を動かすことはできないんじゃないか」というプレッシャーもありました。だから私が誰より順を応援しようという気持ちで向き合って、何度も繰り返していくうちに徐々に順を理解できたような気がします。
― 監督の熱血指導があったんですね。順に寄り添えたなと感じたのはどんな部分でしたか?
芳根:今回は時間をかけて順に向き合うことができたと思っています。お母さんからの言葉で家を飛び出すシーンは、テストで自然に涙が出てしまって、台本では泣くシーンではなかったんですが、監督に「すごく自然だったから今の感じでやってみよう」と言われて出来上がったシーンです。順としてあの場にいることができたんじゃないかなと思える場面になりました。
― 順の涙にはグッとくるものがありました。一方で、学園生活では微笑ましい順の姿も描かれていますね。
芳根:そうですね。秩父で泊まりがけの撮影だったので、みんなと一緒にいる時間が長かった分、すぐに距離も縮まって撮影はすごく楽しかったです。朝ドラなど大人の方に囲まれた現場が多かったので、学園もので同世代の方とガッツリお芝居をするというのは久しぶりで、たくさん刺激を受けました。
Sexy Zone中島健人がいたから「順」になることができた
― 現場はどんな雰囲気でしたか?芳根:とにかく明るかったです。私と(石井)杏奈ちゃん、寛一郎くんは人見知りだったんですけど(笑)、中島さんがまとめてくれるタイプだったので、そのおかげですごく仲良くなれました。
― 中島さんが座長として現場を引っ張っていたんですね。
芳根:本当に!寛一郎くんと、「中島くんがいなかったら大変だったね」ってずっと話していたくらい(笑)。テレビで拝見させていただいていて、キラキラした印象だったので、あまりお話できないかなと勝手に印象を持っていたんですが、全然そんなことはなく、拓実がその場にいるような、優しくてやわらかい方でした。中島さんが拓実だったから私も順になれたんだと思います。
それからミュージカルシーンでは、中島さんと杏奈ちゃんのダンスの覚えの早さに感動しました!さすがプロだな~と。ダンス素人の私と寛一郎くんは2人で「どうしよう、どうしよう」って居残り練習もしたくらい必死だったんですけど(笑)、2人がたくさん教えてくれて本当に救われました。
「もっと上手くなりたい」気持ちが強く “大きな夢だった”朝ドラヒロインを経て…
― 自分の胸の中にある言葉を歌にのせて伝える順ですが、芳根さんは思いを言葉にできるタイプですか?芳根:私も昔は極度の人見知りで、本当に言いたいことを言えなかった…というより、別に言いたいこともなかったんです。言わなくてもいいかなと思っていたし、私の気持ちを言ったところで何も変わらないだろうなと。だけど部活に入ったり、お仕事をはじめたり、周りの人と深く関わるようになると、私の意見を尊重してくれる人たちがいて、少しずつ自信につながっていったような気がします。「ああ、もっと自分の考えを言っていいんだ」って気づいたというか。
― ではお仕事に対しても積極的に自分の考えを発信していくように?
芳根:そうですね。デビューしたばかりの頃は、正直、全然お仕事にもやる気がなかったし、心の中に秘めていることも何もなかったんです…(苦笑)。それでマネージャーさんと喧嘩した時期もありました。だけど、いろいろと現場を経験させてもらうようになると、嬉しいことも悔しいこともたくさん感じるようになって、お仕事の楽しさはもちろんですけど、「もっと上手くなりたい」って欲がどんどん出てきているんです。だから今はこの仕事を続けられる限り私は続けたい。そういう思いも言葉にするほうが私には合っているのかなと思っています。
― 今回は20歳になって最初に撮影した作品にということで、一つの節目の作品になったのではないかなと思います。今後の女優業についてどのように考えていますか?
芳根:まず『べっぴんさん』で、朝ドラのヒロインという大きな夢がこんなにすぐに叶えられるとは思っていなかったので、夢はいつも大きく持っていようという気持ちと同時に、これからどうしようかなという気持ちもあって…。
ですが今回もこうして素敵な作品、スタッフさん、キャストの皆さんに出会えたことが私にとって成長につながりましたし、もっとこうした輪を広げていきたいと思っています。今は目の前にある、いただけるお仕事に全力でぶつかることが一番大切な時期なのかなと思っています。
夢を叶える秘訣
― そんな芳根さんの夢を叶える秘訣について教えてください。芳根:言葉にすることは大切だなと思います。自分はどういう人になりたい、どういうお仕事をしたいということを言っていると、例えば自分がブレてきた時に、周りがもとに戻るきっかけをくれることがあるんです。私はそういう機会にすごく恵まれてきたと思っています。
そして私が経験上胸を張って言えるのは、本当に「夢は大きく持っていい」ということ。大切な人にほど、その思いをぶつけてみるといいのかなと思います。ぜひ心の中にある夢を叫んで欲しいです!
― ありがとうございました。
作品について、女優について、一言一言熱を持って話す芳根の姿からは“やる気がなかった”と笑って話すデビュー当時が嘘のよう。今作を通してまた一つ芝居の難しさと楽しさを知ったという彼女が、もがきながら、楽しみながら演じた順の姿をスクリーンで見届けてほしい。(modelpress編集部)
映画『心が叫びたがってるんだ。』(2017年7月22日公開)
原作︓超平和バスターズ監督︓熊澤尚人
脚本︓まなべゆきこ
出演︓中島健人、芳根京子、石井杏奈、寛一郎/荒川良々、大塚寧々
配給:アニプレックス
<ストーリー>
コミュニケーションが苦手で本音を言えない少年・坂上拓実は高校3年生のある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に突然任命され戸惑う。⼀緒に任命されたのは、全く接点のないクラスメイトの成瀬順。幼い頃に何気なく発した言葉によって家族がバラバラになってしまったことが原因で、しゃべろうとすると腹痛が起きてしまい、コミュニケーションは筆談のみ。クラスメイトからは変わった子だと思われている。担任から出し物としてミュージカルを提案され、ヒロインを演じることになった順は、拓実からのある言葉をきっかけに<今まで心に閉じ込めてきた想い>を歌にして伝えると決心するのだが…
芳根京子(よしね・きょうこ)プロフィール
1997年2月28日生まれ、東京都出身。血液型はA型。スカウトで芸能界入りし、2013年にドラマ「ラスト シンデレラ」で女優デビュー。2014年、NHK連続テレビ小説「花子とアン」(NHK)で仲間由紀恵演じる蓮子の娘役を好演した。2015年、1000人のオーディションを勝ち抜き、「表参道高校合唱部!」(TBS系)でドラマ初主演を飾る。平成28年度後期NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロインに抜擢され、一躍注目を集める。2017年はドラマ「小さな巨人」に出演。待機作に、映画『わさび』(8月26日公開)、『散り椿』(2018年公開)などがある。
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