モデルプレスのインタビューに応じたD-LITE (C)モデルプレス

BIGBANG・D-LITEインタビュー「T.O.Pさんの空いている席を、皆さんも一緒に埋めてくれたら」

2017.04.18 17:00

昨年、デビュー10周年を迎え、メンバー5人が揃った“完全体”として精力的な活動を行ってきたBIGBANG。日本でも全4都市16公演で78万1,500人を動員したドームツアーを行うなど、メンバー・T.O.Pの入隊を控え、最後の5人での姿をファンの目に焼き付けた。そして、4人となった今、メンバーそれぞれがソロ活動を再開。日本ではその一番手として、D-LITEが4月12日にミニアルバム『D-Day』をリリースした。

  
さらに今作を携えたソロ初のドーム公演を4月15日、16日にメットライフドームで行い、4月22日、23日には京セラドーム大阪でも開催するなど、ソロアーティストとしても破格の実力を持つことを証明したD-LITE。そんな中、今作『D-Day』の記念すべき発売日に、モデルプレスのインタビューに応じ、通訳を一切介さず、彼自身の言葉で今作に掛ける思いなどをたっぷりと語ってくれた。

「J-POPのアルバムを作りたい」2年半ぶりソロ作

企画ミニアルバム『でぃらいと』以来、約2年半ぶりのソロ作となる『D-Day』。“D-Day”には韓国では“大切な日”“大事な日”という意味があり、よく使われる単語なのだが、日本では馴染みがないということで、逆にこの言葉を日本でも広めたいという思いもあり、タイトルにしたという。そんな今作は、D-LITE自身がトータルプロデュースを務め、楽曲提供に秦 基博(M2「D-Day」)、水野良樹(いきものがかり)(M3「VENUS」)、絢香(M4「The sign」)という日本を代表するアーティストを、そしてサウンドプロデュースに亀田誠治を迎えて、「J-POPのアルバムを作りたい」という思いから制作された。

D-LITE『D-Day』(2017年4月12日発売)
― 「J-POPのアルバムを作りたい」というのは、どういう思いからだったんですか?

D-LITE:僕がもともとJ-POPが好き、というのもありましたし、『D'scover』(13年)という(カバー)アルバムを出したときから亀田さんと作業をしてきたという流れもあって、これまでの日本での活動をまとめるという意味でも、一度、オリジナルのJ-POPのアルバムを作っておきたい、という思いがありました。今回はこれまでカバーさせてもらっていた、秦さん、水野さん、絢香さんともご一緒できましたし、すごくいい機会になりましたね。

― 秦さん、水野さん、絢香さんとの作業はどうでしたか?

D-LITE:カバーもさせてもらっていたように、もともと皆さんの音楽が好きで、それぞれの方のカラーを僕なりに理解した上で、それと僕の持っているカラーを混ぜてみたいな、と思って作ったんですね。なので、イメージがわりと最初からできていたので、作業はそんなに難しくなかったですね。水野さんとの打ち合わせは、仕事で会ったのに仕事じゃないみたいに楽しくって(笑)。僕がキーワードを言うと、それをすぐにキャッチしてくれるんです。そういうやり取りがあって出来上がった曲を聴いたときは、もう「これはスゴイ」と。聴いた瞬間にステージでのイメージもできました。秦さんに書いて頂いた「D-Day」はアルバムのタイトル曲にもなってるんですけど、最初から秦さんに「D-Day」という曲を書いてもらおうと思ったんじゃなくて、秦さんから頂いた曲を聴いて、この曲を「D-Day」にしたい、って思ったんです。もともとアルバムのタイトルを『D-Day』にしようと決めていて、曲を聴いた瞬間に「ああ、この曲に合うな」って思って。それで“D-Day”への思いを伝えて、歌詞も書いてもらいました。それから、絢香さんの「The sign」は、絢香さんっぽいカラーがたっぷり入ってるとは思うんですけど、僕が打ち合わせのときに伝えた気持ちや、イメージもちゃんと入っていて。「ああ、僕のことを考えながら作ってくれたんだ」と、感じる曲でしたね。

― 「ハルカゼメロディ」「近未来」はD-LITEさんも制作に関わってますね。

D-LITE:今回のアルバムは、気持ちが良くなる、爽やかな雰囲気にしたい、っていうのが最初からあって。前に出した『D'slove』というアルバムが、大人の雰囲気というかちょっと重めなイメージだったから(笑)、今回はちょっと軽くしようと。この2曲は最初からそこに向けながら、亀田さんと一緒に作業をして行ったので、明るくて軽やかな感じの曲になってますね。

― 「ハルカゼメロディ」は歌詞もD-LITEさんが書かれてますが、これはどんなふうに作業して行ったんですか?

D-LITE:僕の作詞のスタイルは、まず曲を聴いて。そこでイメージができるまで聴き続けるんです。それで、できなかったらやらない。作曲もそうですけど、しなきゃ!みたいになったらやらないです。そのときは早く放棄します(笑)。だから、この曲も聴いていてイメージができたので、歌詞を書きました。内容はファンの皆さんに言いたかったことを表現してみました。僕の場合、歌詞を書くときは自分の経験が基になっています。最初はそこから始まって、そのあと想像を膨らませて行くことはありますけど、基本的に僕が思ったことを書いてますね。ファンの方に今僕が伝えたい思いです。

D-LITE、イカの気持ちになる!?

― 初回盤にはこれまでのソロのMVと、昨年夏に行われたBIGBANG の10周年記念ライブの映像も収録されます。

D-LITE:「D-Day」のMVでは大人になってからの初恋というか、20代初めくらいの純粋な恋を表現してみたくて。なので彼女役の方もそのくらいの年齢の若い方にやって頂きました。すごく楽しい雰囲気で撮影もできて、そんな雰囲気も出てるんじゃないかと思います。10周年記念ライブの方は……もう誰にも何も言えないですね。だって思い出せない(笑)。記憶がもうないです。夏ですよね? 暑かったという記憶しか(笑)。ああ!一つ思い出しました。特攻の火花がヤバかったです。暑かったのがもっと熱くなって。イカの気分でした(笑)。


― イカですか?(笑)

D-LITE:焼きイカの気持ちです(笑)。しかも、火花が上がったあと、油が結構降ってくるんですよ。だから、オイルを塗られたみたいになって、その匂いのなかで歌を歌ったそのときが、イカの気分でした(笑)。それで、そのあとからイカが嫌いになりました。って言ったら面白いんでしょうけど、イカはいつでも好きです。美味しいです~。

― あははは(笑)。では、今回、『D-Day』というタイトルになりましたが、D-LITEさんにとっての“D-Day”とは?

D-LITE:“D-Day”って過去に起こったことを言うんではなくて、これから起こることについて使うんですね。なのでやっぱり、僕のこれまでのいろんな経験、BIGBANGとしても10年が経ったし、そういうもののすべてがあってこの『D-Day』というアルバムができたと思うんで、今日(発売日)が“D-Day”です!

― そして、このあとには初のソロでのドーム公演もありますね!

D-LITE:嬉しいですね~。僕が初めてソロアルバムを出してから、これまでずっと応援してくださったファンの方々の力が源になってできるライブだと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。僕のライブはみんなで楽しめるものにしたいっていうのが一番にあるんですが、会場がこれまでのホールやアリーナと違ってかなり大きいので、近い距離でコミュニケーションを取りながらっていうのは難しくはなりますよね。でもその分、みんなで一緒に一体感を感じながらできると思うんです。先週、バンドやダンサーの皆さんとリハーサルをやってみたんですが、すごく楽しくていい感じだったんですね。ドームは広いので、僕の声はもちろん、みんなの声で一緒にライブを作りたいです。ファンの皆さんと一緒に思い出を作りたいなと思います。

― それから、5月、6月には、T.O.Pさんが活動休止されてからは初のBIGBANGとしてのイベントとなる、ドーム会場でのファンミーティングも開催されます。

D-LITE:これまでもT.O.Pさんは別の仕事があったりして日本のファンミーティングは4人でやるってことも多かったんですけど、そのときと今とはでやっぱりちょっと感覚が違います。そのときはここに居なくてもいつでも会えるっていう気持ちがあったから、そんなに寂しくないというか、全然平気だったんです。今も面会とかに行けば会えるには会えるんですけど、そんな簡単に会うことはできないから……やっぱり違うんですよ。今は僕も日本での活動のために動いていることが多くて、メンバーそれぞれが忙しくてあまり話をする時間がなくて詳しい打ち合わせまではできていないんですけど、T.O.Pさんの空いている席を、僕たちもそうですが、皆さんも一緒に埋めてくれたらいいな、って。皆さんと一緒に、いろんな思いを共感しながらやれたらいいな、って思います。

日々の体調管理&リラックス法

― ここからは少しプライベートのことも伺いたいのですが、D-LITEさんと言えば“鍛え上げられた肉体”というイメージもあるのですが、健康管理でやっていることはありますか?

D-LITE:僕は食べることがめちゃめちゃ好きなので、食べるために運動する派なんですよ。食べたいものを我慢するっていうのが嫌なんです。食べたいものがあったら、それを食べても心から許せるくらいの運動をする。健康なのはそのおかげだと思います。基本的には毎日運動をしています。有酸素運動をするためにランニングマシーンで走ったり、歩いたりしていたんですけど、なんだか最近、膝が痛くて(笑)。それで今はステッパーという、その場で足踏みをするような器具を使っています。なんでもその方が膝に負担がかからないし、運動効果もランニングよりいいらしいんですよ。やる時間は何を食べるかによっても違って来ますね。僕、チキンがすごく好きなんですけど、韓国はチキンの種類がたくさんあって、どれも美味しいからついつい食べ過ぎて太っちゃうんですよね。だから、大体平均で1時間半~2時間くらいはやるようにしています。映画を観たり、YouTubeでいろんな映像を観たりしながらやってますよ。こうやって日本や他の国に滞在してるときでも、ホテルのジムなんかに行って、できる限り運動は欠かさないようにしています。

― 最近、観たり聴いたりして刺激やインスピレーションを受けた作品はありますか?

D-LITE:すごく面白かった映画があります。実は、昨日、日本に来るときの飛行機の中で観たんですけど、『メッセージ』という、まだ日本では公開されていない作品です(5月19日公開)。ジャンルとしてはSFかな?宇宙人が出て来るんですけど、よくあるそういう作品って、宇宙人が地球に来ました、そしたら地球を守るか、守れないかの戦争が起きるじゃないですか。僕、そういうのはあんまり好きじゃなくて。だからこの映画もそんなんかな?って思って観てみたら、違ったんですよ。微妙なんです。すごい微妙で、ずっと微妙で(笑)。まず大きなUFOに乗って宇宙人が世界各地に来るんですね。あっ、北海道にも来ます(笑)。それが世界で10箇所以上あって、ただそのUFOは特になにもせずにそこにいるんですよ。それで、そこに何のメッセージがあるのか、みんなで調べるみたいな話です。UFOの中に人間が入って行くんですけど、言葉が通じないんですね。それをコミュニケーションが取れるように、宇宙人の言葉を研究して行くんです。その宇宙人の言葉がすごく不思議な感じで表現されてて、なんか丸い形なんですよ。もちろん映画としてのメッセージはあるんですけど、なんか微妙で面白いんです。ただ、正直に言うと、結末はまだ僕も観れてないんです。たぶん120分くらいの作品なんですけど、ソウルから東京がそんなに時間がなくて。今、それがすごく知りたいんですよ。そのために早く帰りたいです(笑)。帰りに観ないとダメだから。

― (笑)。そんなD-LITEさんが、今。癒される瞬間は?

D-LITE:僕、基本、インドア派なんですよ。だから、ストレスが発散できる時間は、一人でいる時間ですね。特に何をするっていうでもなく、例えば映画を流しながらそのまま寝ちゃうとか。一人でいるだけで誰のことも気にしなくていいし、すごく心が楽になって、リラックスできますね。

夢を叶える秘訣は…

― では最後に、世界的に活躍するアーティストという夢を叶えたD-LITEさんからモデルプレス読者へ向けて“夢を叶える秘訣”を教えてもらえますか?

D-LITE:僕は、夢の実現に向けて苦労したり、努力するのはすごく幸福なことだと思います。だから、あの痛みを楽しめ、と言いたいです。もちろん楽しめないくらい辛かったり、苦労をすることもあるんですけど、それよりも一番辛いのは、したいことがない人だと思うんです。何かしたいことがあるだけで、十分幸福で、ラッキーなんです。そう思って苦労を楽しみながらして行けば、時間が経ってあとで振り返ってみると、自分がすごく成長していることに気づけると思いますよ。

インタビュー中は終始笑顔を絶やさず、聞いているこちらが楽しくなるような会話をしてくれたD-LITE。そんな彼のやわらかく温かな人柄も感じられる今作は、日本という彼にとっての外国にできる限り向き合い、そこで歌う責任感を持って作れた作品でもある。作品を出すごとに日本への思いが深まっていることが感じられるD-LITEだけに、今後の活動にも期待が高まる。(modelpress編集部)


『D-LITE JAPAN DOME TOUR 2017 ~D-Day~』

2017年4月22日(土)京セラドーム大阪
開場15:00 開演17:00
2017年4月23日(日)京セラドーム大阪
開場13:00 開演15:00

D-LITE(ディライト)プロフィール

STYLIST:GEE EUN/HAIR & MAKE-UP:KIM YUNKYOUNG (C)モデルプレス
本名:カン・デソン
生年月日:1989年4月26日
血液型:O型
特技:歌

BIGBANGのボーカルを担当。人柄同様に、力強くて温かい心に響くファルセットが特徴。音域の広さを活かしたソウルフルなボーカルワークは、聴く者の心を動かす力をもつ。D-LITEという名は楽しませるなどの意味の英語delightから。いつも明るいという意味も込められている。2008年からバラエティ番組のレギュラーや、ミュージカル「Cats」に出演。2008年「ナルバキスン」にてソロシンガーとして活動をスタート、韓国の歌謡曲(トロット)を抜群の歌唱力で歌いこなし、2010年リリース「ソムサタン」では愛嬌のあるパフォーマンスで多くの女性を魅了した。レコーディングには人一倍時間をかけるなど、音楽に対しては非常にストイックな彼だが、常に笑顔を絶やさないムードメーカでもある。

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