“女優”秋元才加が目指すもの「最強の何でも屋になりたい」 AKB48卒業後の歩みと今後の野望を語る
AKB48としてデビューした当初から凛とした美しさで異彩を放ち、グループ卒業後はテレビや映画で着々と女優としてのキャリアを重ねてきた秋元才加。27歳を迎える今年、彼女は清廉な色香と存在感をまとう女性へと成長している。
秋元才加の「これまで」と「今」、そこから見えてくる「野望」とは
― 秋元さんにとってのエンタテインメントとの最初の出会いを覚えていますか?秋元才加:母が外国人だということもあり、家で流れている曲は、マイケル・ジャクソンやマライヤ・キャリー、クイーンといった外国の曲ばかりで、初めて観たコンサートは小学校4、5年生の頃に観たマイケル・ジャクソンでした。親が好きで、それについて行ったのですが、歌詞の内容はわからないけれど感動して泣くという経験をし、その時に漠然と「観たい」ではなく、「自分もあそこに立ちたい」と思いました。今考えると、エンタテインメントの頂点を最初に観ることができた事は、自分のショウへの価値観、人格形成に影響があったのではと思います。親にも感謝しています。
― お芝居に興味が芽生えたのはいつ頃だったのでしょうか。
秋元:幼少期から目立つことが好きだったみたいです。その延長だと思いますが、小学校の音読の時間に「登場人物になりきって読んでいるね」と周りに言われることがありました。自分では意識していませんでしたけど、楽しかったことは覚えています。思い返せば、何かになりきるとか、演じるということがその頃から好きだったんだろうなと思います。
― では、ミュージカルとの出会いはいつ頃だったんですか?
秋元:ミュージカルを観たのは21歳の頃、「レ・ミゼラブル」が初めてでした。その後に、音楽劇や「ロックオペラ モーツァルト」(2013)のお仕事を頂いたのですが、最初は未知の世界で怖かったんです。
― 怖かった?
グループに在籍し10年近く、劇場で歌って踊って曲ごとに演じるということはやっていましたが、ミュージカルとなると物語や気持ちを歌声でしっかり伝えなければなりません。それはミュージカルならではの技術だと思いますし、だから恐怖心がありました。実際にやってみて、まだ「楽しい」という域までは辿りつけていませんが、舞台で演じている時に「生きているな」という実感があります。歌い、肉体で届けるということは、体全体が楽器であり、エネルギーが必要なので体力的にはきつい部分もありますが、すごく幸せな事だと感じています。
― 映画「マンゴーと赤い車椅子」や、TBS系スペシャルドラマ「ORANGE~1.17 命懸けで闘った消防士の魂の物語~」(ともに2015)など映像での好演も記憶に新しいですが、映像と舞台、演じる上での違いはありますか?
秋元:全く違うと思います。昔は、ステージでずっと人に観られながらアウトプットしていく方に慣れていました。映像は周りにはスタッフさんだけがいて、その一瞬、一瞬に集中し撮影していきますが、そういった時に、私は自分の内に、内に入ってしまう傾向があります。限られた短い時間の中に集中してエネルギーを出す、まだその感覚をつかんでいる途中です。
2年ぶりのミュージカル出演「怖さや苦しさもある」
― では、4月に迫った2年ぶりのミュージカル作品『シャーロック ホームズ2~ブラッディ・ゲーム~』についてお聞かせ下さい。本格ミュージカルに挑む現在の心境はいかがですか?秋元:この作品は音楽がすごくドラマティックで、物語をより面白くする相乗効果があるなと思ったと同時に、難しそうだなとも思いました。自分が歌うと思うと、怖さや苦しさもありますが、今はちょっと度胸がついて来たのか、そういった挑戦ができる環境に置かせて頂けていることもありがたいなと思います。
― この作品は、韓国で大ヒットした創作ミュージカルですが、韓国ミュージカルについての印象は何かお持ちですか?
秋元:すごく力強い印象があります。実際に韓国の俳優の方の歌を聴いた際も、パワフルでしたし、同じアジア人として負けていられないなと思わせてくれますね。ミュージカルだけでなくても歌手の方を見ていてもパフォーマンススキルが凄いなと思います。ですから今回は日本人キャストとして、胸を張れるよう頑張ろうと思います。
― ベテランのミュージカル俳優陣との共演も楽しみですね。
秋元:ホームズ役の橋本さとしさんは、今年は賞を受賞されたり(第22回読売演劇大賞優秀男優賞)大先輩ですが、優しさが滲み出ていて、シリアスな作品の中にあって、新しく入った私もすっと引き込んでくださる雰囲気があります。人見知りな私ですが、今回は「先輩お願いします!」と胸を借りて、分からない事は分からないと、どんどん聞いて行きたいと思います。
― ワトソン役の一路真輝さんについてはいかがですか?
一路さんは、女優さんとしての実力だけではなく、一人の女性としてすごく憧れます。舞台上での立ち振る舞いが格好良いのはもちろんですが、先日の記者会見でも、役を離れた一路さんはすごく可憐というか無邪気さがあって。もっとクールなイメージの方かと思っていましたが、笑顔がステキでかわいい方でした。歳を重ねてどんどん魅力的になっていく女性って一路さんのような女性なのかなと思います。女優としても、女性としても稽古場で学べることが多くあると思っています。
難役に不安も「新たな自分を見つけられる」
― 「ローマの休日」アン王女役、「ロックオペラ モーツアルト」コンスタンツェ役、「国民の映画」のエルザ役など、舞台の秋元さんは毎回違うタイプの女性を演じられているように思います。今回のマリアも今までには演じた事がない女性像だと思いますが、様々な女性を演じて思うことはありますか?秋元:前回「国民の映画」で演じたエルザは、私自身グループ卒業後初の舞台作品でしたし、新進女優のエルザが駆け上がってゆこうとする気持ちと重なるところがありましたので、比較的作りやすかったんです。
逆に「ローマの休日」のアン王女は、最初「なぜ自分にこの役が来たのかな?絶対出来ない」と思っていました。私は“強い女性”というパブリックイメージもありましたし。でもマキノノゾミさんに演出して頂いてアンを演じ「こういう少女らしさを表現できる一面があったんだ」という自信にも繋がりました。
今回は、その時と同じ位「大丈夫かな?」という気持ちがあります。マリア役は正直、自分には「無い」と思っていた部分を要求されているというか…。基本的に私は「大丈夫、守ってあげる」というタイプなので(笑)、壊れてしまいそうで守ってあげなきゃと思われる女性ってどんな女性なのかな、という初歩的な所から葛藤しそうです。でも秋元才加の我の強さや気の強さを消して、この役をきちんと成立させる事が出来たら、新たな自分を見つけられるのではと思っています。大きな役を頂いたと思いますが、秋元才加としても大きなチャンスを頂いたな、と思います。
― 盲目で、神の声を聞く聖女と言われるマリアについて、どんな女性だと捉えていますか?
秋元:台本を読む度に解釈がどんどん難しくなっているのですが、色んな事を知らないままに育ってしまった極みの女性ような気がしています。本当に真っ白で、でもその真っ白さが、時に凄く残酷な存在にもなるんだとも感じました。きっとマリアは、信じたものに一つの迷いも無く一心で、その純粋さがこの作品の狂気に繋がるのだと思います。
― では、この作品の一番の魅力はどんな所だと思いますか?
秋元:ミステリー作品は、色んな犯罪が起きて色んな人間ドラマが渦巻いていますが、この作品は事件の根底に愛が透けて見えるのが魅力だと思っています。映像で韓国版を見た時に、その時は自分がマリア役をやると分かっていたのですが、凄く惹き込まれてしまって、ラストでは涙が溢れてしまいました。
うまく言葉には表せないのですが、事件はあってはならないと思いつつ、その犯人の想いは理解できてしまう自分もいたりして…。犯罪に手をかけてしまった人と、思いとどまった人では人生が大きく変わってしまいますが、ただ気持ちがおかしくなって手をかけたのではなく、そこには色んな愛が渦巻き、一人一人がそれを背負っていて、凄く胸に響くものがあって…。そんな感情を抱いていることに自分でもびっくりしました。
― 秋元さんは、作品に入る前に入念に準備をされる方という印象がありますが、今回すでに何か始められていることや、演出の板垣恭一さんとお話ししている事などはありますか?
秋元:まだ細かくはお話しできていませんが、記者会見の時に板垣さんから「マリアは難しい役ですよ」と言われたんです。その雰囲気の中で「はい」って普通に答えちゃったんですが、家に帰って台本を読み返してみたら「これ、すごく難しい役だな」って、改めて思いました(笑)。だからこそ、やりがいはあると思います。
あとは盲目の役なので、資料や映画を見て、他の方々がどう演じていらっしゃるのか、自分なりに掴んでいきたいと思います。また、たまたま友人に目の見えない方がいてお話を聞くこともあるので、そういったことも参考にしながら、なるべくリアルに真摯に向き合っていきたいと思います。
プライベートに迫る
― ここからは少しプライベートについてお伺いしていきます。秋元さんは健康的で凛としているイメージがあるのですが、女性として日々心がけている事、実践している事などがあれば教えて下さい。秋元:今年で27歳になります。年齢を重ねること自体そこまで気にはしていないのですが、成人の女性として、色んな知識だったり教養だったり、失礼のない振る舞いなど身につけなければならないな、ということを意識しています。
― Twitterで拝見しましたが、日本舞踊を習い始められたそうですね。
秋元:習い始めて1、2ヶ月目位ですね。元々体を動かす事が好きなのですが、日本舞踊の「静」と「動」は中々大変で、ちょっと踊っただけでも汗をびっしょりかいたりします。私は日本とフィリピンのハーフなのですが、日本人として日本の事をもっと学びたいと思い日本舞踊や着物の着付を始めました。そうするとお姉様方に、お作法や、何が失礼になるかなど、色々と精神面でも教えて頂けるので、今、すごく楽しくて。次はフラメンコも習いたいと思っています(笑)。全く違う事をやって自分がどうなるのか、色々自分にオプションを与えて、飛び込んでいっている自分が楽しいですね。
女優・秋元才加の見据える先
― では、すばり、女優としての野望があれば教えて下さい。最強の“何でも屋”(笑)。カメレオン女優になりたいです。男性がやっている役でもやりたいです(笑)。坊主でも裸でも、性別も色んな枠も超えて、役になじんで、後から「本人とこんなに雰囲気が違うの?」と思われるような、そんな女優になりたいです。
― 最後に、ご覧になっているファンの方にメッセージをお願いします。
秋元:ミュージカル「シャーロック ホームズ2」は、事件に至る過程に色々な愛が描かれている物語です。ミステリーものが初の方も、楽しんで頂ける作品だと思いますので、是非ご覧頂けたらと思います。
「最強の何でも屋になりたい」というユーモア溢れる表現で未来を語った秋元。自身の魅力をしっかりと理解した上で、彼女は今、あえて自分にない個性を持った役柄に挑戦することで新たな武器を手に入れようとしている。(modelpress編集部)
■秋元才加(あきもと・さやか)プロフィール
生年月日:1988年7月26日
出身地:千葉県
身長:166cm
血液型:B型
2006年、AKB48第2期オーディションに合格。2013年、同グループ卒業後は、女優として活動。フィリピンと日本のハーフで、2014年6月からはフィリピン観光親善大使を務めている。
■ミュージカル「シャーロック ホームズ2~ブラッディ・ゲーム~」
2011年に韓国で誕生し、数々の賞を受賞した人気ミュージカル「シャーロック ホームズ」シリーズの最新作。ホームズと女性版ワトソンによる絶妙なコンビネーションで難事件に挑む。日本では2014年にシーズン1の日本版が初演され、話題に。今回のシーズン2「ブラッディ・ゲーム」では、実在した世紀の殺人鬼“切り裂きジャック”とホームズの死闘が描かれる。ドラマティックな物語と美しい楽曲で、現在勢いのある韓国ミュージカル界において多くのファンを持つ作品。
東京公演 2015年4月26日(日)~5月10日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
福岡公演 2015年5月16日(土)、17日(日) キャナルシティ劇場
兵庫公演 2015年5月21日(木)~24日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
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