剛力彩芽という人生 “過去と未来”から原動力の源を探る モデルプレスインタビュー
2014.05.30 10:00
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10歳で芸能界入りし、モデル・女優として着実にキャリアを積んできた剛力彩芽。常に前を向き、新境地への挑戦も恐れない彼女は、これまでの21年間の人生の中でどんな決断をし、この先どんな未来を描くのか?モデルプレスのインタビューで、胸の内を明かしてくれた。
女優・剛力彩芽の新たな挑戦のひとつである映画「X-MEN:フューチャー&パスト」が、5月30日に公開される。ブライアン・シンガー監督が「X-MEN」シリーズ“最高傑作”として送り出す本作で剛力は、アカデミー賞受賞女優ジェニファー・ローレンス扮する美女・ミスティークの日本語吹き替え版声優を担当。変化自在の青い肌と、あらゆる人間に姿を変える能力を持つ難役だ。
剛力:もう本当にびっくりしました(笑)。アフレコはまだそんなに経験があるお仕事ではないので、まさか「X-MEN」シリーズでやらせていただけるとは…。最初聞いたときは「嘘でしょ?!」って疑ってしまったくらいです。
― 剛力さん演じるミスティークは、あらゆる人間に姿を変える能力を持つ複雑な役どころですね。
剛力:そうなんです。色んな人に変身できるという点で、声を演じる上でもより難しさを感じましたね。変身している意味も含めて、しっかり感情をとらえないといけないですし、シリーズものなので、今まで生きてきたミスティークもちゃんと理解しながらやらないといけないなと思いました。
― 特に印象的だったシーンを教えてください。
剛力:エリック(※後のマグニートー/マイケル・ファスベンダー)と話しているシーンですね。試写を見た段階から「ここは絶対に大事な部分だろうな」と感じたんですが、実際すごく難しかったです。ワーッと感情を出したい反面、人がたくさんいる駅というシチュエーションで、すごく近い距離でもある。レイブン(※後のミスティーク)の感じていることが全部出る部分でもあるので、ちゃんと見応えのあるシーンになっていたらいいなと思います。
― これまでにもアフレコ経験がある剛力さんですが、声の演技ならではの楽しさはどんな部分でしょうか?
剛力:声だけで表現するというのは毎回難しいなと感じるんですけど、ジェニファー・ローレンスさんが演じているミスティークと、自分の声がうまくピタっとハマった瞬間は、やっぱりすごく気持ちいいです。自分が感情を捉えられた瞬間は、やっていて手応えもありますね。
― では、難しさを感じる部分は?
剛力:今回のミスティークはそんなに感情を表に出さないので、本当にちょっとした表情や息遣いが大事になってくるんです。ひとつひとつのセリフに込められた大事な言葉を、いかに冷静さを失わずに表現するのかという点は悩みました。感情の動き方を声だけで表現するのはやっぱり難しいですね。
― ご自身の声に対してはどのようなイメージを持たれていますか?
剛力:私、自分の声がすごく嫌いだったんです。もっと可愛い声だったらよかったのにって。「彩芽ちゃんの声が好き」と言っていただいても、やっぱり自分の声に自信がなかった。でも、このお仕事をさせていただいてから、お芝居や歌で色んな声の出し方を知るようになって。今回のアフレコでもボイトレに行かせていただきましたし、そうやって声で表現する楽しさを見つけられるようになったと思います。
― 今回のような映画や曲で、ご自身の声を客観的に聞くことも多くなりましたよね。
剛力:自分で「よし、こういう声を出そう」とイメージしても、実際なかなか出てこないんですよね。「今、楽しい声出せた!」と思って、いざ聞いてみたら全然…「あれ?」みたいなことがすごく多かった。特にアーティストとして最初にレコーディングした時は、それをすごく感じて。自分の中では楽しく歌っていたのに、いざ聞いたらなんにも感情が伝わってこないということもあったので、自分が思っているよりもさらに大きく表現しなきゃいけないなと感じました。
― それは、今回のミスティークに関してもそうですか?
剛力:はい。大人っぽいイメージを監督と最初に話して決めたんですが、「大人っぽい声が出せたかも?」「いや、違うなぁ…」という繰り返しでした。
― 普段、喉のケアで意識していらっしゃることはありますか?
剛力:手洗いうがいのような当たり前のこと以外は、あまり気にしたことがないですね。ボイストレーニングの先生には、声帯が強いと言われているんです。「出せば出すほど出る声だよね」と。1時間半ほどボイトレを続けると疲れる方も多いみたいなんですが、私は全然大丈夫。声量も相当あるらしくて、それもボイストレーニングをやるまでは全然知らなかったことなんです。
― それも剛力さんの大きな強みですね!
剛力:そうなんですよ。小さい頃は親に「声が小さい」と言われていましたし、声に対して自分の中であまり意識したことがなかったんですが、改めて声のお仕事をさせていただくようになってからは、色々と知る事が多いので面白いなぁと思います。
剛力:う~ん、いつかな?自分の小学生の頃とか、見てみたい気はしますね。その時代の私って、どんなだったんだろう?って。戻りたくはないんですけど(笑)、客観的に見たい。今だったらもうちょっと、人見知りを直してるかなぁ?とか…。人と話すのが苦手だと思っていたので。
― 今の剛力さんからは想像できないです。
剛力:それを繰り返したくはないけど、そんな過去があったからこそ、今の自分がいるのかな?とも思うし…。小さい頃は、ずっと母の後ろに隠れているような子どもでした。私が質問されても、全部母に話してもらうみたいな(笑)。母から離れられなくて。今もあんまり離れてないんですけどね(笑)。でも今ではいろんな人と話せるようになりました。
― 人見知りを克服したきっかけは何だったんでしょうか?
剛力:やっぱりお仕事を始めたことが大きいですね。中学生の途中までは仕事場に母もついてきていましたが、1人で行くようになってからは、1人で電車を乗り継がないといけないし、迷った時も人に聞かなきゃいけない。それをやらないといけない環境に無理やり飛び込んだっていう感じですよね。でも、お仕事で接する大人の方たちが皆さん優しかったっていうのもすごく大きいと思います。そこから自分自身の心を開けるようになって、「私、人と話すの好きなんだ」と感じるようになりました。我ながら変わったなぁと思いますね。
― 今は芸能界でご活躍されていますが、もし別の人生を歩んでたいたら…と考えることも?
剛力:私は7歳の頃からこの仕事をやりたいと思っていたので、あまり別の道を考えたことはないんですけど…ダンスをやっていたので、何かしらダンス関連のお仕事をしていたのかな。結局、人前に出るお仕事なんですよね。ダンスの先生というよりかは、ダンサーになりたかった。人見知りだった頃も、ダンスをすることで自分を素直に表現できる部分があったんです。
― では、その当時に思い描いていた未来と今を比べると、まさにイメージ通りといった感じでしょうか。
剛力:いや、逆にこんなに色々なことをやらせてもらえるとは思っていませんでした!今はどっちかっていうと、ビックリな世界ですね。
剛力:やっぱり髪の毛を切ったことは大きかったかな。3年前くらい。高校卒業のタイミングで、社会人としてこのお仕事一本でやるか、大学に行きながらお仕事を続けるか…悩んでいた時期だったりもしたので、いい意味でスタートラインに立てたなと思います。特に何かあったって訳じゃないんですけど、髪を切って何かがスッキリした気がして。
― 女性は特に、髪を切って心を入れ替えたい時期がありますよね。
剛力:ありますね!失恋して髪を切るっていう気持ちがちょっとわかったような気がしました(笑)。
― 進路に迷った時は、どなたかに相談を?
剛力:両親や事務所のマネージャーさんとも相談しましたが、最終的には自分で決断をしました。大学は頑張って勉強すればいくつになっても行けるけど、このお仕事は今の年齢でしかできないことがある。そう思って、一本でやるって決めました。大学では心理学を学んでみたくて、いくつかオープンキャンパスにも行ったんですけど、心理学とお仕事の両立は結構厳しいというアドバイスもあって、じゃあどちらも中途半端にはやりたくないなと思ったんです。
― 心理学というのは、何か理由があったんですか?
剛力:アロマアドバイザーの資格を持っているんですが、その中で少しだけ心理学に触れることがあって、それがすごく面白くて。元々人間観察がすごく好きなので、それをもっと奥深くまで勉強したらどんな感じなのかな?って思ったんです。最終的には、お芝居にも絶対に活かされることだと思いましたし。
― しっかりとした計画があったんですね。これまで、挫折しそうになった瞬間はどのように乗り越えてきましたか?
剛力:挫折かぁ…あんまりそういうのを感じないんですよね。鈍感なのか…感じないようにしている部分もあるとは思うんですけど…挫折ってなんだろう?(笑)
― 全ては考え方ひとつですもんね。
剛力:そう。小さい頃はオーディションによく落ちたりもしましたけど、それが次への原動力になっているんですよ。昔、人と話すのが苦手で、悔しい思いをした自分がいるからこそ、今色んな方と話したいっていうのもありますし。挫折もひとつの経験としてとらえるということだと思います。
剛力:20代前半はとにかく色んな事を吸収したいと思っています。今って、まだ自分は子どもだなと思っていて。たぶんいくつになっても思い続けていると思うんですけど(笑)。子どもでいたい自分と、大人になりたい自分と…いろんな感情があるので、その中で吸収できることを吸収して、次に繋げるというか。
― 新しいことを始めたりも?
剛力:そうですね、それも含めて。あとは、時間を有効に使える人になりたいなと。最近すごく思うんですよね。ちょっと時間ができても、家でダラっとしちゃったり…もっとこの時間で何かできるだろ!って後悔するんです。それもひとつのリラックス方法ではあるんですけど、もっと外に出てやりたいこともいっぱいあって。単純に散歩とかでもいいんですけど、外の環境に触れるだけで全然違うだろうなと思いますね。
― では、10年後の未来はいかがでしょうか。
剛力:30歳越えてる…どうしよう?!(笑)もちろん女優はずっと続けたいですし、その時にはお母さん役も演じてみたい。本当は、30歳になったらできれば結婚していたいという理想もあるんです(笑)。
― その夢の中に“ハリウッド進出”もありますか?
剛力:いつも夢は大きく持っているので、そこは常に1つの目標として考えています。特に今回のようなSFアクションものに関して、海外はすごいなと感じたので。英語で演じられたらいいですよね。ちゃんと自分で英語を話せるようになって…。カッコイイ!(笑)やりたいです!
― そんな剛力さんが考える、“夢を叶える秘訣”とは。
剛力:まず、焦らないことですかね。私、焦ったことがないんです。10歳で事務所に入って、最初は仕事がないのが当たり前で。高校は芸能科だったので、周りに同じオーディションを受けている子もたくさんいて、友達の中には「あれも落ちた、これも落ちた。何回連続で落ちてる…」と焦っている子もいたんですけど、私は「なんで焦るんだろう?」って。その学校内だけでも同じ夢を目指している子たちがたくさんいるのに、外を見ればもっとたくさんいるじゃん!って思うんです。焦っても自分をうまく表現できないじゃないですか。
― つい焦ってしまいそうですが、すごく肝が座っていらっしゃるんですね。
剛力:昔からそうみたいですね。これは受験の時の話なんですけど、マネージャーさんに「たまには焦って」って言われたくらい(笑)。あとは、とにかく夢を言葉にすること。言霊って本当にあるんです。声に出すことで、無意識にそれに向けて努力しているのかなと感じます。
― 最後に、夢や目標に向けて頑張っている読者を後押しするようなアドバイスをお願いします。
剛力:とりあえずなんでもやってみましょう!私もいつもお仕事する時に思うんですが、とりあえずやってみて、自分に合わないなと思ったら次のものを探せばいいし、そこからまた別のものに興味がわいてくることもあると思うし。苦手だと思っていたことが、実はすごく自分に合っていたりとか…やってみないとわからないことがたくさんあると思うんです。失敗の中に経験や成長を見出すことができれば、失敗も全然怖くない。私は失敗した時は「失敗しちゃった!」って言って落ち込まないようにしています(笑)。ですから、本当に恥ずかしがる必要はないと思います!
― ありがとうございました。
ひとつひとつの質問を少女のようにワクワクした表情で聞き、丁寧に答えてくれるその姿に、こちらも思わず笑顔になってしまう。「私は本当に人や環境に恵まれています。たまたま10歳で事務所に入れて、今こうしてお仕事をいただけるという環境は、本当に周りのおかげだと思っています」―。常に周囲への感謝を忘れない謙虚な姿勢こそが、人を惹きつける所以であり、夢の実現へと結びついていくのだろう。(モデルプレス)
監督/製作:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリー、アンナ・パキン、エレン・ペイジ、ピーター・ディンクレイジ、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワート
<ストーリー>
2023年、バイオメカニカル・ロボット「センチネル」によって地球は壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵のマグニートーと手を組み、1973年にウルヴァリンの「魂」を送り込み危機の根源を絶とうする。50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。2023年と1973年。2つの時代が同時進行する激しいバトルは、想像を絶する結末へと向かう――。
コンプレックスだった声が強みに
― 「X-MEN」オールスターが集結する壮大な作品の日本語吹き替え版声優ということで、大きな話題となっていますが、オファーを受けた際の率直な心境をお聞かせください。剛力:もう本当にびっくりしました(笑)。アフレコはまだそんなに経験があるお仕事ではないので、まさか「X-MEN」シリーズでやらせていただけるとは…。最初聞いたときは「嘘でしょ?!」って疑ってしまったくらいです。
― 剛力さん演じるミスティークは、あらゆる人間に姿を変える能力を持つ複雑な役どころですね。
剛力:そうなんです。色んな人に変身できるという点で、声を演じる上でもより難しさを感じましたね。変身している意味も含めて、しっかり感情をとらえないといけないですし、シリーズものなので、今まで生きてきたミスティークもちゃんと理解しながらやらないといけないなと思いました。
― 特に印象的だったシーンを教えてください。
剛力:エリック(※後のマグニートー/マイケル・ファスベンダー)と話しているシーンですね。試写を見た段階から「ここは絶対に大事な部分だろうな」と感じたんですが、実際すごく難しかったです。ワーッと感情を出したい反面、人がたくさんいる駅というシチュエーションで、すごく近い距離でもある。レイブン(※後のミスティーク)の感じていることが全部出る部分でもあるので、ちゃんと見応えのあるシーンになっていたらいいなと思います。
― これまでにもアフレコ経験がある剛力さんですが、声の演技ならではの楽しさはどんな部分でしょうか?
剛力:声だけで表現するというのは毎回難しいなと感じるんですけど、ジェニファー・ローレンスさんが演じているミスティークと、自分の声がうまくピタっとハマった瞬間は、やっぱりすごく気持ちいいです。自分が感情を捉えられた瞬間は、やっていて手応えもありますね。
― では、難しさを感じる部分は?
剛力:今回のミスティークはそんなに感情を表に出さないので、本当にちょっとした表情や息遣いが大事になってくるんです。ひとつひとつのセリフに込められた大事な言葉を、いかに冷静さを失わずに表現するのかという点は悩みました。感情の動き方を声だけで表現するのはやっぱり難しいですね。
― ご自身の声に対してはどのようなイメージを持たれていますか?
剛力:私、自分の声がすごく嫌いだったんです。もっと可愛い声だったらよかったのにって。「彩芽ちゃんの声が好き」と言っていただいても、やっぱり自分の声に自信がなかった。でも、このお仕事をさせていただいてから、お芝居や歌で色んな声の出し方を知るようになって。今回のアフレコでもボイトレに行かせていただきましたし、そうやって声で表現する楽しさを見つけられるようになったと思います。
― 今回のような映画や曲で、ご自身の声を客観的に聞くことも多くなりましたよね。
剛力:自分で「よし、こういう声を出そう」とイメージしても、実際なかなか出てこないんですよね。「今、楽しい声出せた!」と思って、いざ聞いてみたら全然…「あれ?」みたいなことがすごく多かった。特にアーティストとして最初にレコーディングした時は、それをすごく感じて。自分の中では楽しく歌っていたのに、いざ聞いたらなんにも感情が伝わってこないということもあったので、自分が思っているよりもさらに大きく表現しなきゃいけないなと感じました。
― それは、今回のミスティークに関してもそうですか?
剛力:はい。大人っぽいイメージを監督と最初に話して決めたんですが、「大人っぽい声が出せたかも?」「いや、違うなぁ…」という繰り返しでした。
― 普段、喉のケアで意識していらっしゃることはありますか?
剛力:手洗いうがいのような当たり前のこと以外は、あまり気にしたことがないですね。ボイストレーニングの先生には、声帯が強いと言われているんです。「出せば出すほど出る声だよね」と。1時間半ほどボイトレを続けると疲れる方も多いみたいなんですが、私は全然大丈夫。声量も相当あるらしくて、それもボイストレーニングをやるまでは全然知らなかったことなんです。
― それも剛力さんの大きな強みですね!
剛力:そうなんですよ。小さい頃は親に「声が小さい」と言われていましたし、声に対して自分の中であまり意識したことがなかったんですが、改めて声のお仕事をさせていただくようになってからは、色々と知る事が多いので面白いなぁと思います。
人見知りの過去「繰り返したくはない」
― ここからは、剛力さんのフューチャー&パスト=“過去と未来”に迫っていきたいと思います。もし1度だけ過去に戻れるとしたら、どの時期に戻ってみたいですか?剛力:う~ん、いつかな?自分の小学生の頃とか、見てみたい気はしますね。その時代の私って、どんなだったんだろう?って。戻りたくはないんですけど(笑)、客観的に見たい。今だったらもうちょっと、人見知りを直してるかなぁ?とか…。人と話すのが苦手だと思っていたので。
― 今の剛力さんからは想像できないです。
剛力:それを繰り返したくはないけど、そんな過去があったからこそ、今の自分がいるのかな?とも思うし…。小さい頃は、ずっと母の後ろに隠れているような子どもでした。私が質問されても、全部母に話してもらうみたいな(笑)。母から離れられなくて。今もあんまり離れてないんですけどね(笑)。でも今ではいろんな人と話せるようになりました。
― 人見知りを克服したきっかけは何だったんでしょうか?
剛力:やっぱりお仕事を始めたことが大きいですね。中学生の途中までは仕事場に母もついてきていましたが、1人で行くようになってからは、1人で電車を乗り継がないといけないし、迷った時も人に聞かなきゃいけない。それをやらないといけない環境に無理やり飛び込んだっていう感じですよね。でも、お仕事で接する大人の方たちが皆さん優しかったっていうのもすごく大きいと思います。そこから自分自身の心を開けるようになって、「私、人と話すの好きなんだ」と感じるようになりました。我ながら変わったなぁと思いますね。
― 今は芸能界でご活躍されていますが、もし別の人生を歩んでたいたら…と考えることも?
剛力:私は7歳の頃からこの仕事をやりたいと思っていたので、あまり別の道を考えたことはないんですけど…ダンスをやっていたので、何かしらダンス関連のお仕事をしていたのかな。結局、人前に出るお仕事なんですよね。ダンスの先生というよりかは、ダンサーになりたかった。人見知りだった頃も、ダンスをすることで自分を素直に表現できる部分があったんです。
― では、その当時に思い描いていた未来と今を比べると、まさにイメージ通りといった感じでしょうか。
剛力:いや、逆にこんなに色々なことをやらせてもらえるとは思っていませんでした!今はどっちかっていうと、ビックリな世界ですね。
挫折の経験を次の原動力に
― これまでの人生の中で“最大の決断”はどんな瞬間でしたか?剛力:やっぱり髪の毛を切ったことは大きかったかな。3年前くらい。高校卒業のタイミングで、社会人としてこのお仕事一本でやるか、大学に行きながらお仕事を続けるか…悩んでいた時期だったりもしたので、いい意味でスタートラインに立てたなと思います。特に何かあったって訳じゃないんですけど、髪を切って何かがスッキリした気がして。
― 女性は特に、髪を切って心を入れ替えたい時期がありますよね。
剛力:ありますね!失恋して髪を切るっていう気持ちがちょっとわかったような気がしました(笑)。
― 進路に迷った時は、どなたかに相談を?
剛力:両親や事務所のマネージャーさんとも相談しましたが、最終的には自分で決断をしました。大学は頑張って勉強すればいくつになっても行けるけど、このお仕事は今の年齢でしかできないことがある。そう思って、一本でやるって決めました。大学では心理学を学んでみたくて、いくつかオープンキャンパスにも行ったんですけど、心理学とお仕事の両立は結構厳しいというアドバイスもあって、じゃあどちらも中途半端にはやりたくないなと思ったんです。
― 心理学というのは、何か理由があったんですか?
剛力:アロマアドバイザーの資格を持っているんですが、その中で少しだけ心理学に触れることがあって、それがすごく面白くて。元々人間観察がすごく好きなので、それをもっと奥深くまで勉強したらどんな感じなのかな?って思ったんです。最終的には、お芝居にも絶対に活かされることだと思いましたし。
― しっかりとした計画があったんですね。これまで、挫折しそうになった瞬間はどのように乗り越えてきましたか?
剛力:挫折かぁ…あんまりそういうのを感じないんですよね。鈍感なのか…感じないようにしている部分もあるとは思うんですけど…挫折ってなんだろう?(笑)
― 全ては考え方ひとつですもんね。
剛力:そう。小さい頃はオーディションによく落ちたりもしましたけど、それが次への原動力になっているんですよ。昔、人と話すのが苦手で、悔しい思いをした自分がいるからこそ、今色んな方と話したいっていうのもありますし。挫折もひとつの経験としてとらえるということだと思います。
夢を叶える秘訣「焦らず、自分を表現する」
― 1~2年後の近い未来へ向けて、思い描いているプランはありますか?剛力:20代前半はとにかく色んな事を吸収したいと思っています。今って、まだ自分は子どもだなと思っていて。たぶんいくつになっても思い続けていると思うんですけど(笑)。子どもでいたい自分と、大人になりたい自分と…いろんな感情があるので、その中で吸収できることを吸収して、次に繋げるというか。
― 新しいことを始めたりも?
剛力:そうですね、それも含めて。あとは、時間を有効に使える人になりたいなと。最近すごく思うんですよね。ちょっと時間ができても、家でダラっとしちゃったり…もっとこの時間で何かできるだろ!って後悔するんです。それもひとつのリラックス方法ではあるんですけど、もっと外に出てやりたいこともいっぱいあって。単純に散歩とかでもいいんですけど、外の環境に触れるだけで全然違うだろうなと思いますね。
― では、10年後の未来はいかがでしょうか。
剛力:30歳越えてる…どうしよう?!(笑)もちろん女優はずっと続けたいですし、その時にはお母さん役も演じてみたい。本当は、30歳になったらできれば結婚していたいという理想もあるんです(笑)。
― その夢の中に“ハリウッド進出”もありますか?
剛力:いつも夢は大きく持っているので、そこは常に1つの目標として考えています。特に今回のようなSFアクションものに関して、海外はすごいなと感じたので。英語で演じられたらいいですよね。ちゃんと自分で英語を話せるようになって…。カッコイイ!(笑)やりたいです!
― そんな剛力さんが考える、“夢を叶える秘訣”とは。
剛力:まず、焦らないことですかね。私、焦ったことがないんです。10歳で事務所に入って、最初は仕事がないのが当たり前で。高校は芸能科だったので、周りに同じオーディションを受けている子もたくさんいて、友達の中には「あれも落ちた、これも落ちた。何回連続で落ちてる…」と焦っている子もいたんですけど、私は「なんで焦るんだろう?」って。その学校内だけでも同じ夢を目指している子たちがたくさんいるのに、外を見ればもっとたくさんいるじゃん!って思うんです。焦っても自分をうまく表現できないじゃないですか。
― つい焦ってしまいそうですが、すごく肝が座っていらっしゃるんですね。
剛力:昔からそうみたいですね。これは受験の時の話なんですけど、マネージャーさんに「たまには焦って」って言われたくらい(笑)。あとは、とにかく夢を言葉にすること。言霊って本当にあるんです。声に出すことで、無意識にそれに向けて努力しているのかなと感じます。
― 最後に、夢や目標に向けて頑張っている読者を後押しするようなアドバイスをお願いします。
剛力:とりあえずなんでもやってみましょう!私もいつもお仕事する時に思うんですが、とりあえずやってみて、自分に合わないなと思ったら次のものを探せばいいし、そこからまた別のものに興味がわいてくることもあると思うし。苦手だと思っていたことが、実はすごく自分に合っていたりとか…やってみないとわからないことがたくさんあると思うんです。失敗の中に経験や成長を見出すことができれば、失敗も全然怖くない。私は失敗した時は「失敗しちゃった!」って言って落ち込まないようにしています(笑)。ですから、本当に恥ずかしがる必要はないと思います!
― ありがとうございました。
ひとつひとつの質問を少女のようにワクワクした表情で聞き、丁寧に答えてくれるその姿に、こちらも思わず笑顔になってしまう。「私は本当に人や環境に恵まれています。たまたま10歳で事務所に入れて、今こうしてお仕事をいただけるという環境は、本当に周りのおかげだと思っています」―。常に周囲への感謝を忘れない謙虚な姿勢こそが、人を惹きつける所以であり、夢の実現へと結びついていくのだろう。(モデルプレス)
「X-MEN:フューチャー&パスト」
5月30日(金)TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー監督/製作:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリー、アンナ・パキン、エレン・ペイジ、ピーター・ディンクレイジ、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワート
<ストーリー>
2023年、バイオメカニカル・ロボット「センチネル」によって地球は壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵のマグニートーと手を組み、1973年にウルヴァリンの「魂」を送り込み危機の根源を絶とうする。50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。2023年と1973年。2つの時代が同時進行する激しいバトルは、想像を絶する結末へと向かう――。
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