

残った実は「ゆず酢」に!活用レシピと保存方法をマダムゆずが伝授
2022.01.07 18:00
フードアドバイザー・調味料ソムリエプロの神谷よしえさんに季節の手仕事を教わる連載。 ゆず釜や柚子こしょうなど皮を使う機会は多いですが、実の使い道に困っていませんか?7回目のテーマは「ゆず酢」。搾るだけで作れるゆず酢は、鍋のお供にピッタリです。残った種や皮の活用法もご紹介します。
1月の手仕事:「ゆず酢」作り【神谷よしえさんの12カ月の手仕事 #7】
冬至のゆず湯に始まり、おせちのゆず釜、お雑煮のゆず皮飾りと、ゆずの出番が増える季節です。それだけに、使いきれなかったゆずや、皮だけ使って裸になった実が、冷蔵庫にずっと残ったままという方も多いのではないでしょうか。毎月、生活の知恵ともいえる手仕事と季節のレシピを教えてくださっているフードアドバイザーの神谷よしえさんは、「ゆずは種まで活用できる万能な果実。ぜひ最後まで丸ごと使い切ってほしい」と話します。そこで、連載の7回目は、ゆず酢の作り方とゆず酢を使うレシピはじめ、皮や種の活用法をご紹介します。
フードアドバイザー・調味料ソムリエプロ/神谷よしえさん大分県宇佐市出身。伝承料理研究家の母が設立した台所だけの建物「生活工房とうがらし」を継承。「ごはんはエール」をテーマに人と人を繋ぎ、産地と料理人を繋ぐ活動や国内外でおにぎりや調味料の講演やセミナーなどをおこなっている。趣味はおにぎりを握ること
ごはん大好きプロジェクト|Facebook
@kamiya_yoshie| Instagram
「私の出身地である大分県宇佐市院内町はゆずの産地で、11月になると大きくて色鮮やかな黄色いゆずがたわわに実ります。しっかりと熟したゆずの実は、香り高く、果汁がたっぷり含まれているのが特徴です。ゆずは皮以外の使い道があまり知られていないのか、実の部分だけ余ってしまうという声をよく耳にします。そんなときはぜひ、ゆず酢を作ってみてください。いろいろな料理に合わせやすく、高級感を与えてくれる万能調味料として重宝します。ポン酢やすし酢にして使うと、ゆずの爽やかな風味が引き立ち、既製品とはまた異なった深い味わいが感じられますよ」 調理時間:5分(1個あたりの目安)
保存期間:1週間~1カ月
「ゆず酢の作り方は、ゆずの果汁を搾るだけととっても簡単。皮に香りがあるので、必ず皮ごと搾ってくださいね。ゆず釜やゆず皮の飾り切りをする予定がある場合は、必要なゆず皮を先に取ったあとで、ゆず酢を作ってしまったほうがよいでしょう。
フタつきの瓶に入れれば冷蔵保存できますが、発酵が進み爆発するおそれがあります。酢や塩、しょうゆ、砂糖を入れると発酵が止まり、傷みにくくもなるので、必ず味をつけてください。 もしくは、アイスキューブや製氷皿に入れて冷凍保存するのもおすすめです。使うぶんだけ解凍できて便利です」
続いて、ゆず酢を使うレシピをご紹介します。
用途に合わせて作る。ゆずポン酢
調理時間:10分保存期間:1週間
「ゆずポン酢は、ゆず酢と酢としょうゆを合わせるだけで簡単に作れます。だしやみりんを加えてもおいしいです。しょうゆは普段使っているもので構いません。ポン酢にするなら濃口しょうゆ、酢の物や和え物などに使う場合は薄口しょうゆや白だしに変えて、味の変化を楽しんでみてください。
かつお節や昆布を加えると、まろやかで上品な味に仕上がります。仕込んだ日から使えますが、時間が経つとだしから旨味が出て味が馴染みます。煮沸消毒かアルコール除菌した清潔な保存瓶に保管して、1週間を目処に使い切るようにしましょう」
材料(作りやすい分量)
・ ゆず……2個(約50cc程度の果汁)・ 酢……50cc
・ 濃口しょうゆ……100cc
・ かつお節……5g
・ 昆布(切れ目を入れておく)……適宜
作り方
1. ゆずは半割にし、種を除きながら搾る2. 保存瓶に入れ、酢と濃口しょうゆを加える
3. だしパックに入れたかつお節と昆布を加え、冷蔵庫で寝かせる
爽やかな香り!黄ゆずいなり
調理時間:20分(炊飯時間を除く)保存期間:2日
「ゆず酢のきいた酢飯は、爽やかな香りとほどよい酸味でさっぱりと食べられます。お好みで、酢飯に炒りごまや刻んだ甘酢しょうがを混ぜ込んでもおいしいですよ。甘酢しょうがを加えれば、シャキシャキとした食感が楽しめます。ジューシーなおあげとの相性も抜群です。
また、飾りの刻みゆずは大量に作って冷凍保存しておくと便利ですよ。皮をむいて細かく刻んだら、少し乾燥させてチャック付きの袋に入れると、冷凍庫で2カ月くらいは保存できます。おすましの吸い口や酢の物などに便利です。冷凍庫から出してそのまま使えます」
材料(2人分)
・ ごはん(固めに炊いておく)……1合・ すし酢……大さじ1杯
・ ゆず酢……大さじ1杯
・ いなり皮……8枚(市販品)
・ 刻みゆず……適宜
作り方
1. すし酢とゆず酢を合わせておく2. 固めに炊いたごはんに1を混ぜ合わせる
3. いなりの皮に2を詰める。酢飯は40g程度で握り、いなりの皮が破れないようにていねいに詰める
4. 刻みゆずを飾る
皮はゆず練りに。種は保湿ケアに。
最後に、ゆずの皮と種の活用法も伺いました。「刻んだ皮に砂糖をまぶしてしばらく放置するとしっとりしたゆず練りになります。ヨーグルトやアイスのトッピングなどにも使えますよ。こちらは早めに使い切りましょう。火を入れれば、マーマレードのようになるので長期保存が可能です。
また、ゆずの種はペクチンという天然保湿成分が含まれているので、保湿ケアとして活用することができます。ホワイトリカー、または日本酒にゆずの種を数日〜1週間ほど漬けるとトロトロのゲル状になり、ハンドクリームや化粧水代わりに使えるんです。グリセリンを加えてもOKですよ。
種はよく洗って乾かしから使い、ザルやコーヒーフィルターでこして種を取り除きましょう。保存料が入っていないため、冷蔵庫に入れて1週間を目安に使い切ってくださいね。ゆずを余すことなく使い切れるので、SDGsに貢献できるすてきな活用法だと思います」
余すところがない!「ゆず酢」を作ったあとも楽しんで
ゆずが残ってしまったときは、迷わずゆず酢を作っておくと便利ですね。まだまだ寒い日が続くので、自家製ポン酢でお鍋を味わいつくしたいです。また、皮もゆず練りにすれば、また違った楽しみ方ができそうですね。無意識に捨てがちな種では、保湿ケア用品が手作りできるというのも驚きでした。
冬は体調を崩しやすく、手肌も荒れがち。ゆずを丸ごと活用して、体の内からも外からも健康に過ごしましょう。
取材・文/鎌上織愛
これまでの連載記事はこちら▼
魔法瓶でほったらかし!黒豆の超簡単な炊き方【神谷よしえさんの「12カ月の手仕事」#6】
半日で完成!余ったごはんや古米で作る発酵調味料「味糀(あじこうじ)」の作り方【神谷よしえさんの12カ月の手仕事 #5】
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