“ファッションと宗教の融合”に衝撃　全身GUCCIのキリストや“法王風”、天使も登場＜MET GALA2018＞

今年のテーマは「ファッションとカトリックのイマジネーション」

毎年1つのテーマが設けられ、それに合わせた華やかな衣装を身にまとったセレブが集うMET GALAのエキシビジョン。

カトリック信仰や宗教的な図像は長きにわたってファッションに大いなるインスピレーションを与えてきたことから、今年のテーマは「Heavenly Bodies／ファッションとカトリックの想像力（Fashion and the Catholic Imagination）」で、キリスト教のモチーフを用いた神々しい衣装の数々が目を引いた。

なんと今回の斬新なテーマに合わせ、展示作品にはカトリックの中心・バチカンから聖職者用の衣装が数十点貸し出されたという。

ジャレッド・レト、全身GUCCIのキリストに

そのヴィジュアルをイエス・キリストと比べられることも多いという米俳優ジャレッド・レトは、長い髪の毛にひげを蓄え、まさにキリスト風の出で立ちで登場。スカイブルーのスーツに、聖職者が首からかける「ストア」風の派手なストールを合わせ、まさにファッションと宗教の融合を見せた。

全身をGUCCI（グッチ）のアイテムで固めており、同ブランドデザイナーのアレッサンドロ・ミケーレと、米歌手のラナ・デル・レイとのGUCCIトリオも話題を集めた。

リアーナは法王風　ケイティ・ペリーは天使に

ホストを務めた歌手のリアーナは、まさに“法王”のような雰囲気。カトリックの司教が礼拝で被る「ミトラ」をモチーフとした帽子被り、緻密な模様が施されたミニドレスに大判のガウンを合わせた。

同じく米歌手のケイティ・ペリーはまさに絵画に登場しそうな巨大な羽をつけ、ゴールドのミニドレスとオーバーニーブーツを合わせたコーデでセンスを光らせた。

マドンナ、十字架際立つゴシック風コーデを披露

マドンナは黒を基調とし、“十字架”を多用したインパクト大の姿で登場。胸元は十字架型のシースルーでSEXYに。そのほか十字架がいくつも連なった王冠風ヘアアクセとチョーカーを身に着け、顔は黒い網状のベールで覆ったゴシック風のスタイルでまとめた。

“光輪“風ヘアアクセが注目の的に

さらに注目を集めたのは、キリスト教の宗教画で用いられ、聖人たちの崇高さを表す“光輪”がそのまま形になったような大きなヘアアクセサリーだ。

米女優のアン・ハサウェイやブレイク・ライブリー、英女優のリリー・コリンズなどが身につけ、まるで絵画を見ているかのような神秘的な雰囲気で魅了した。

アリアナ・グランデは『最後の審判』ドレス

そのほかアリアナ・グランデは、ドレス全体にミケランジェロの『最後の審判』が描かれたドレスで登場。まるで人形のような可愛らしさを披露した。

“ファッションと宗教の融合”日本でも話題に

ファッションの祭典において、特定の宗教にテーマをしぼり、それを強調させた革新的な今回のMET GALA。さまざまな意見を生み出しているが、そのインパクトで世界中の注目を集めたことは間違いない。日本でも、一風風変わりでミステリアスな衣装の数々はネット上で大きな話題に。「可愛い」「美しい」「びっくりした」「見ていて楽しい」など単純な理由だけでも共感を集めている。

今回のテーマ選出の1つの意義として、メトロポリタン美術館キュレーターのアンドリュー・ボルトン氏は「信仰者と非信仰者との架け橋になり得る」と語ったという。ファッションという文化で包んだことによって、宗教的な概念が信仰の有無を超え、新たな創造性を生み出したのではないだろうか。

“ファッション界のアカデミー賞”「MET GALA」

「MET GALA」はファッション業界のアカデミー賞として知られ、2017年は日本人デザイナー川久保玲氏によるブランド「コム・デ・ギャルソン」がテーマとなっていた。

有名モデルやアーティストが華やかな衣装をまとい、レッドカーペットを歩く様子は、毎年多くのメディアの注目を集めている。（modelpress編集部）