【&グループ・渡部剛氏】「新卒1年目で年商4億」の社長も誕生 引退を撤回した45歳会長が明かす“挫折を資産に変える”勝利の方程式<REAL VALUE×モデルプレス連動>
2025.12.01 19:00
堀江貴文・溝口勇児・三崎優太による経営エンターテイメント番組「REAL VALUE」と「モデルプレス」の共同インタビュー企画。今回は&グループ会長・渡部剛氏(45)に、生い立ちやこれまでの経緯、成功を掴むまでのエピソード、ビジネスで大切なことを聞いた。
「REAL VALUE」は堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人と各業界のスペシャリストが、本物の起業家を見極め、悩めるすべてのビジネスパーソンに“本当の価値と、本質的な学び”を説いていく番組(※堀江・三崎公式YouTubeで配信中)。
&グループは、「労働力不足領域のハック」「CXO特化AI」「WEB販売」「社会貢献」の4つのカテゴリーを軸に展開。利益率と再現性に徹底的にこだわり、多角的な事業シナジーを生み出し続ける事業創出集団だ。
渡部会長:1980年にブラジルのサルバドールで生まれました。いわゆる教育熱心な家庭で育ち、母が慶應出身だったこともあって、小学2年生の頃から中学受験の勉強を始めました。かなり勉強したつもりだったんですが、残念ながら第一志望にはご縁がなく、青山学院に進学することになりました。
ただ、この挫折が転機になりました。「学校は社会に出るまでの準備期間だと割り切って、ビジネスを始めよう」と切り替えたんです。そこから、中高生にして仕入れや転売、購入代行などを始めました。幸い、大学院までエスカレーター式に進めたので、受験勉強がない分、ビジネスに没頭する時間がたっぷりありました。
大学院時代には、経産省とリクルートが主催する「ドリームゲート」という企画に参加し、起業家の鞄持ちやビジネスコンテストにも挑戦しました。そこで「これなら自分でも起業できる、稼げる!」という確信を得たんです。当時はまだ視座も低かったですが、それが原点ですね。
その後、「一度は組織を見るべきだ」と考え、就職活動を行いました。様々な企業から内定をいただきましたが、「ベンチャー企業の最終形・完成形」というイメージを持っていたSONYに新卒で入社を決めました。
入社後は、これまでの人脈を活かすため東京配属になりたく「一番厳しい環境で成長したい」と志願しましたが、想像もしていなかった北海道への配属になりました。これは起業の準備をするしかないと思い、赴任して2週間ほどで、ビジネスの立ち上げ準備をしていましたね。その経験が今に繋がり、全力を出した後の挫折からどう動くは、何度も味わううちに上手くなったと思います。
モデルプレス: 誰もが憧れる大企業での「安定」が入社初日に崩れ去り、そこですぐに自らの力で立ち上がるマインドセットの強さが今の渡部会長を形作っているのですね。北海道という予期せぬ環境さえも即座にビジネスの土壌に変えてしまう、その圧倒的な行動力と転換力には感服します。
渡部会長: 現状、&グループでは大きく4つのカテゴリーに集約しています。
1労働力不足の利益率、利益額が高い領域に人を送りハックする
2社長向けのCXOや部分特化のAIサービス
3WEBで様々なモノを「売り続ける」
4社会貢献×金儲け
以前作ったグループのおかげで、様々な事業や組織の解像度が高く、利益率を上げるのが得意です。事業を作る時は、時流、拡張性、継続性、競合差別化を前提に考え、強い事業を作るようにしています。
モデルプレス: 単に手広くやるのではなく、「利益率」と「再現性」に徹底的にこだわっている点が印象的です。特に「労働力不足のハック」や「社会貢献×金儲け」といった、社会課題とビジネスの核心を突いたポートフォリオは、時代のニーズを的確に捉えた強力な布陣ですね。
渡部会長: 事業の成功率は10%程度だという認識で、毎月数個の新しい事業にトライをしています。重要なのは、仮説を多く立てて「撤退ポイント」を明確にすること。そうすることで、失敗した時も傷を浅く済みますし、何より途中まで進めたプロジェクトを別の事業に転用することで「資産」にできるんです。
また、それを実行するために新卒採用には特に力を入れており、「起業前提」かつ「尖ってる・素直・いいやつ」の3条件で採用します。彼らには、僕のSONY時代の同期でGAFAMに転職したようなトップランナーを家庭教師としてつけ、徹底的にスキルを鍛えます。実際に、新卒1年目から年商4億規模の社長になった新人もいます。彼らに責任者を任せ、失敗や絶望をバネにドライブさせることこそが、会社の成長要因ですね。
モデルプレス: 新卒に「起業前提」で入社してもらい、さらにGAFAMクラスの家庭教師までつけるとは、通常の企業では考えられない贅沢な環境ですね。若手に裁量を持たせる企業は多いですが、ここまで徹底して「個」の成功と自立をバックアップする体制は、成長意欲の高い若者にとってこれ以上ない舞台だと感じます。
渡部会長: 今の信念は「人類を一歩進める」ことです。僕も45歳になり、色々と周りに恵まれてきたので、40代からは還元したいなと思うようになりました。後輩たちの育成はもちろん、起業家がやりたがらないような社会課題への挑戦を通じて、その信念を何とか形にしようと足掻いています。
モデルプレス: 「人類を一歩進める」という壮大なビジョンを掲げながら、それを「足掻き」と表現する謙虚さに、渡部会長の本気度が伝わってきます。自身の成功だけで満足せず、次世代や社会全体へ還元しようとするその姿勢こそが、真のリーダーのあるべき姿だと強く感じました。
渡部会長: カッコつけて言うと、「昨日の自分」と「明日の自分」がライバルです。昨日の自分が今日の自分に敬意を持て、明日の自分が今日の自分に感謝できるように生きると決めています。他人の内情は分かりませんが、自分のことは自分が一番分かりますから。モチベーションは「上げる」ものではなく「深める」ものと捉え、テンションでビジネスに関わらないようにしています。仕事のストレスは仕事で解消し、定期的に瞑想や一人旅でゼロ状態を作り、「脳のデフラグ」をかけることが欠かせません。
モデルプレス: ライバルは他人ではなく、過去と未来の自分。そのストイックかつ哲学的なマインドセットに脱帽です。モチベーションを「深める」という表現や、脳を「デフラグ」するという管理術は、結果を出し続ける経営者ならではの究極の自己コントロール術ですね。
渡部会長: 理由は一択で、溝口(勇児)さんの圧倒的なビジョンです。「日本を変える」「経団連を超える」。似たようなことを口にする人はいても、その実現可能性を肌で感じさせてくれる人に初めて出会い、痺れました。僕はその景色を「特等席」で見たい。だからこそ、誰よりもクラブに貢献し、先の先を読んで動きたいと考えています。
正直に言うと、実はある程度事業を整理したら引退しようと考えていたんです。「もう十分にやったから、あとは筋を通して引退し、社会貢献でもして生きていこうか」と。でも、溝口さんがそんな僕を引き上げ、視座を高めてくれました。本当に感謝しています。
モデルプレス: 自身の引退を撤回させるほどの熱量が、そこにはあったのですね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
渡部会長: 僕が大切にしている2つの考え方、「悩み」と「人間関係」についてお話しさせてください。まずは「悩み」について。読者の皆さんも、日々多くの悩みを抱えていらっしゃると思います。ある時、お世話になっている会長との会食中に、将来への不安や悩みを吐露したことがあったんです。すると会長は、なぜか羨ましがられ、驚きました。
会長はこう続けられました。「君は、地球の平和について悩んだことはあるか? 私はない。人は『自分の心で解決できることしか悩めない。それほどたくさん悩めるということは、君にはまだそれだけ挑戦できる余地があるということだ。心底羨ましいよ」と。その言葉を聞いた瞬間、「悩みは楽しみ」と思えるようになり、考え方ががらりと変わりました。
次に「人間関係」についてですが、「性善説」か「性悪説」か議論になりますが、僕は「性弱説」を唱えたいと思っています。人は、本質的に「弱い生き物」です。心や生活にゆとりがあれば、誰だって優しくなれるし、強くなれます。でも、余裕がなくなれば、誰かから奪ってでも自分を守ろうとしてしまう。けれど、そんな弱さを抱えながらも、より良くあろうと足掻くからこそ、人間は美しいのだと思います。
そう考えられるようになってから、人を「許す」ことができるようになりました。かつては怒りで眠れない夜や、悲しみで食事の味がしない日もありました。でも「あの人は悪かったのではなく、弱かったんだ」と捉え直すことで、少しだけ世界が柔らかく見えるようになった気がします。この考え方をするだけで、少しでも世界が柔らかく見えるようになった気がします。
モデルプレス: 性善説でも性悪説でもなく「性弱説」。人間の弱さを肯定し、そこにある美しさを見出すという視点に、渡部会長の深い人間愛と器の大きさを感じます。ビジネスの修羅場をくぐり抜けてきたからこそ辿り着いたその境地は、現代のストレス社会を生きる多くの読者にとって、心の重荷を下ろす救いの言葉になるはずです。
渡部会長:まず一歩目は、「夢を目標に変える」こと。これが絶対条件です。単なる「夢」のままでは曖昧すぎて、近づいているのか遠ざかっているのかさえ分かりません。そこに「具体的な高さ(数値)」と「期限」を設けて、測定可能な「目標」に変換するんです。
次が、「圧倒的主人公感」を持つことです。あなたの人生の主役は、間違いなくあなた自身です。人生を輝かせるのも、楽しむのも、幸せを感じるのも自分次第。誰かのおかげでも、会社のせいでも、国のせいでもない。「圧倒的に自分」なんです。
このマインドを徹底的に落とし込んでください。僕にだって、心が折れそうな時や、全てを投げ出して逃げたい時はあります。そんな時は、好きなドラマや映画の主人公を思い出してみてください。物語の主人公は、大体序盤から中盤にかけて調子が良くても、絶頂に見えるところでどん底に突き落とされますよね?辛い時こそ、そのシーンを思い出すんです。「今、自分の周りにはカメラがあって、照明が当たっている」とイメージしてください。「普通の人ならここで諦めるんだろうな。でも、俺は圧倒的主人公だ。ここからが一番の見せ場だし、あとは上がるだけだろ?」と。
これを繰り返せば、「悩み」の質が変わります。悩みとは「囲い」のようなもので、越えられないとずっとその中で同じことを悩み続けてしまう。でも、主人公感を持ってその壁を越えていくと、悩みの対象が「自分のこと」から「周りのこと」、そして「社会のこと」へと広がっていきます。悩みのスケールがそこまで広がった時、あなたはもう、立ちたい場所にかなり近づいているはずです。
モデルプレス: 「カメラが自分に向いている」とイメージすることで、逆境さえも名シーンに変えてしまう。そのマインドセットがあれば、どんな困難も乗り越えられる気がしてきました。自分の人生を他人任せにせず、自らが脚本を書き演じ切る覚悟こそが、夢を現実にする最強の力なのですね。
渡部会長: まず結論から言うと、「将来起業したいと考えている新卒」で、かつ「尖っていて、素直で、いいやつ」を求めています。長年採用活動をしてきて、ある時セミナーでふと違和感を覚えたんです。「社長業ってこんなに面白いのに、それを若者に勧めずに『うちに入って僕の手下になれ!』って勧誘してるの、正直ヤバいな」と(笑)。だったら、起業家を育成・排出しながらも成り立つビジネスモデルを作ろうと思い、今のグループ経営の形が出来上がりました。
弊社のビジョンは「人生に最高のエンドロールを!」。会社の崇高な理念とかよりも、一人ひとりが人生を最高に楽しみ尽くして、死ぬ時に「あー、いい人生だった」と思えればそれでいいんです。僕や組織のためじゃなく、まずは「自分のため」でいい。その熱量が結果として給料や役職、そして将来の独立に繋がっていく。そのための仕組みや設計図は、僕が責任を持って描きます。
尖っている部分があれば、僕たちが全力で伸ばします。ただ、伸びるためにはアドバイスを受け入れる「素直さ」が不可欠です。うちはある意味で個の強さを重視する個人主義だからこそ、根っこの部分で「いいやつ」しか採らないと決めています。
モデルプレス: 「会社のためでなく、自分のために働け」と言い切る渡部会長の言葉に、心が震えました。社員を共に人生の物語を紡ぐ「主役」として迎え入れる&グループ。ここでは、単なるビジネススキルだけでなく、人生そのものを輝かせるための本質的な強さを手に入れられるはずです。
3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
&グループは、「労働力不足領域のハック」「CXO特化AI」「WEB販売」「社会貢献」の4つのカテゴリーを軸に展開。利益率と再現性に徹底的にこだわり、多角的な事業シナジーを生み出し続ける事業創出集団だ。
SONY入社初日の絶望が起業家人生の幕開けだった
モデルプレス: これまでの生い立ちから起業に至るまでのきっかけを教えてください。渡部会長:1980年にブラジルのサルバドールで生まれました。いわゆる教育熱心な家庭で育ち、母が慶應出身だったこともあって、小学2年生の頃から中学受験の勉強を始めました。かなり勉強したつもりだったんですが、残念ながら第一志望にはご縁がなく、青山学院に進学することになりました。
ただ、この挫折が転機になりました。「学校は社会に出るまでの準備期間だと割り切って、ビジネスを始めよう」と切り替えたんです。そこから、中高生にして仕入れや転売、購入代行などを始めました。幸い、大学院までエスカレーター式に進めたので、受験勉強がない分、ビジネスに没頭する時間がたっぷりありました。
大学院時代には、経産省とリクルートが主催する「ドリームゲート」という企画に参加し、起業家の鞄持ちやビジネスコンテストにも挑戦しました。そこで「これなら自分でも起業できる、稼げる!」という確信を得たんです。当時はまだ視座も低かったですが、それが原点ですね。
その後、「一度は組織を見るべきだ」と考え、就職活動を行いました。様々な企業から内定をいただきましたが、「ベンチャー企業の最終形・完成形」というイメージを持っていたSONYに新卒で入社を決めました。
入社後は、これまでの人脈を活かすため東京配属になりたく「一番厳しい環境で成長したい」と志願しましたが、想像もしていなかった北海道への配属になりました。これは起業の準備をするしかないと思い、赴任して2週間ほどで、ビジネスの立ち上げ準備をしていましたね。その経験が今に繋がり、全力を出した後の挫折からどう動くは、何度も味わううちに上手くなったと思います。
モデルプレス: 誰もが憧れる大企業での「安定」が入社初日に崩れ去り、そこですぐに自らの力で立ち上がるマインドセットの強さが今の渡部会長を形作っているのですね。北海道という予期せぬ環境さえも即座にビジネスの土壌に変えてしまう、その圧倒的な行動力と転換力には感服します。
利益率と再現性をハックする。&グループが展開する「4つの事業領域」
モデルプレス: 現在、&グループでは多角的に事業を展開されていますが、具体的にはどのような事業を行っているのでしょうか?渡部会長: 現状、&グループでは大きく4つのカテゴリーに集約しています。
1労働力不足の利益率、利益額が高い領域に人を送りハックする
2社長向けのCXOや部分特化のAIサービス
3WEBで様々なモノを「売り続ける」
4社会貢献×金儲け
以前作ったグループのおかげで、様々な事業や組織の解像度が高く、利益率を上げるのが得意です。事業を作る時は、時流、拡張性、継続性、競合差別化を前提に考え、強い事業を作るようにしています。
モデルプレス: 単に手広くやるのではなく、「利益率」と「再現性」に徹底的にこだわっている点が印象的です。特に「労働力不足のハック」や「社会貢献×金儲け」といった、社会課題とビジネスの核心を突いたポートフォリオは、時代のニーズを的確に捉えた強力な布陣ですね。
成功率10%の壁を越える 「挫折」を「資産」に変える勝利の方程式
モデルプレス: 次々と新しい事業を生み出し続けられる、会社の成長の要因はどこにあるのでしょうか?渡部会長: 事業の成功率は10%程度だという認識で、毎月数個の新しい事業にトライをしています。重要なのは、仮説を多く立てて「撤退ポイント」を明確にすること。そうすることで、失敗した時も傷を浅く済みますし、何より途中まで進めたプロジェクトを別の事業に転用することで「資産」にできるんです。
また、それを実行するために新卒採用には特に力を入れており、「起業前提」かつ「尖ってる・素直・いいやつ」の3条件で採用します。彼らには、僕のSONY時代の同期でGAFAMに転職したようなトップランナーを家庭教師としてつけ、徹底的にスキルを鍛えます。実際に、新卒1年目から年商4億規模の社長になった新人もいます。彼らに責任者を任せ、失敗や絶望をバネにドライブさせることこそが、会社の成長要因ですね。
モデルプレス: 新卒に「起業前提」で入社してもらい、さらにGAFAMクラスの家庭教師までつけるとは、通常の企業では考えられない贅沢な環境ですね。若手に裁量を持たせる企業は多いですが、ここまで徹底して「個」の成功と自立をバックアップする体制は、成長意欲の高い若者にとってこれ以上ない舞台だと感じます。
45歳からの挑戦。「人類を一歩進める」ための還元と足掻き
モデルプレス: 仕事をする際に心がけていることを教えてください。渡部会長: 今の信念は「人類を一歩進める」ことです。僕も45歳になり、色々と周りに恵まれてきたので、40代からは還元したいなと思うようになりました。後輩たちの育成はもちろん、起業家がやりたがらないような社会課題への挑戦を通じて、その信念を何とか形にしようと足掻いています。
モデルプレス: 「人類を一歩進める」という壮大なビジョンを掲げながら、それを「足掻き」と表現する謙虚さに、渡部会長の本気度が伝わってきます。自身の成功だけで満足せず、次世代や社会全体へ還元しようとするその姿勢こそが、真のリーダーのあるべき姿だと強く感じました。
ライバルは昨日の自分と明日の自分。「脳のデフラグ」で深める思考
モデルプレス: 常に最前線で走り続ける、「がんばるための原動力」は何ですか?渡部会長: カッコつけて言うと、「昨日の自分」と「明日の自分」がライバルです。昨日の自分が今日の自分に敬意を持て、明日の自分が今日の自分に感謝できるように生きると決めています。他人の内情は分かりませんが、自分のことは自分が一番分かりますから。モチベーションは「上げる」ものではなく「深める」ものと捉え、テンションでビジネスに関わらないようにしています。仕事のストレスは仕事で解消し、定期的に瞑想や一人旅でゼロ状態を作り、「脳のデフラグ」をかけることが欠かせません。
モデルプレス: ライバルは他人ではなく、過去と未来の自分。そのストイックかつ哲学的なマインドセットに脱帽です。モチベーションを「深める」という表現や、脳を「デフラグ」するという管理術は、結果を出し続ける経営者ならではの究極の自己コントロール術ですね。
溝口勇児氏のビジョンに共鳴して
モデルプレス: 「REAL VALUE CLUB」(※)に参加を決めた理由は何ですか?渡部会長: 理由は一択で、溝口(勇児)さんの圧倒的なビジョンです。「日本を変える」「経団連を超える」。似たようなことを口にする人はいても、その実現可能性を肌で感じさせてくれる人に初めて出会い、痺れました。僕はその景色を「特等席」で見たい。だからこそ、誰よりもクラブに貢献し、先の先を読んで動きたいと考えています。
正直に言うと、実はある程度事業を整理したら引退しようと考えていたんです。「もう十分にやったから、あとは筋を通して引退し、社会貢献でもして生きていこうか」と。でも、溝口さんがそんな僕を引き上げ、視座を高めてくれました。本当に感謝しています。
モデルプレス: 自身の引退を撤回させるほどの熱量が、そこにはあったのですね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
「性弱説」で世界は柔らかくなる
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な困難に直面している方もいると思います。今までの人生で怒りや悲しみを乗り越えたエピソードを教えてください。渡部会長: 僕が大切にしている2つの考え方、「悩み」と「人間関係」についてお話しさせてください。まずは「悩み」について。読者の皆さんも、日々多くの悩みを抱えていらっしゃると思います。ある時、お世話になっている会長との会食中に、将来への不安や悩みを吐露したことがあったんです。すると会長は、なぜか羨ましがられ、驚きました。
会長はこう続けられました。「君は、地球の平和について悩んだことはあるか? 私はない。人は『自分の心で解決できることしか悩めない。それほどたくさん悩めるということは、君にはまだそれだけ挑戦できる余地があるということだ。心底羨ましいよ」と。その言葉を聞いた瞬間、「悩みは楽しみ」と思えるようになり、考え方ががらりと変わりました。
次に「人間関係」についてですが、「性善説」か「性悪説」か議論になりますが、僕は「性弱説」を唱えたいと思っています。人は、本質的に「弱い生き物」です。心や生活にゆとりがあれば、誰だって優しくなれるし、強くなれます。でも、余裕がなくなれば、誰かから奪ってでも自分を守ろうとしてしまう。けれど、そんな弱さを抱えながらも、より良くあろうと足掻くからこそ、人間は美しいのだと思います。
そう考えられるようになってから、人を「許す」ことができるようになりました。かつては怒りで眠れない夜や、悲しみで食事の味がしない日もありました。でも「あの人は悪かったのではなく、弱かったんだ」と捉え直すことで、少しだけ世界が柔らかく見えるようになった気がします。この考え方をするだけで、少しでも世界が柔らかく見えるようになった気がします。
モデルプレス: 性善説でも性悪説でもなく「性弱説」。人間の弱さを肯定し、そこにある美しさを見出すという視点に、渡部会長の深い人間愛と器の大きさを感じます。ビジネスの修羅場をくぐり抜けてきたからこそ辿り着いたその境地は、現代のストレス社会を生きる多くの読者にとって、心の重荷を下ろす救いの言葉になるはずです。
人生の主役は自分。「圧倒的主人公感」で夢を現実に
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な夢を追いかけている方もいると思います。夢を叶える秘訣を教えてください。渡部会長:まず一歩目は、「夢を目標に変える」こと。これが絶対条件です。単なる「夢」のままでは曖昧すぎて、近づいているのか遠ざかっているのかさえ分かりません。そこに「具体的な高さ(数値)」と「期限」を設けて、測定可能な「目標」に変換するんです。
次が、「圧倒的主人公感」を持つことです。あなたの人生の主役は、間違いなくあなた自身です。人生を輝かせるのも、楽しむのも、幸せを感じるのも自分次第。誰かのおかげでも、会社のせいでも、国のせいでもない。「圧倒的に自分」なんです。
このマインドを徹底的に落とし込んでください。僕にだって、心が折れそうな時や、全てを投げ出して逃げたい時はあります。そんな時は、好きなドラマや映画の主人公を思い出してみてください。物語の主人公は、大体序盤から中盤にかけて調子が良くても、絶頂に見えるところでどん底に突き落とされますよね?辛い時こそ、そのシーンを思い出すんです。「今、自分の周りにはカメラがあって、照明が当たっている」とイメージしてください。「普通の人ならここで諦めるんだろうな。でも、俺は圧倒的主人公だ。ここからが一番の見せ場だし、あとは上がるだけだろ?」と。
これを繰り返せば、「悩み」の質が変わります。悩みとは「囲い」のようなもので、越えられないとずっとその中で同じことを悩み続けてしまう。でも、主人公感を持ってその壁を越えていくと、悩みの対象が「自分のこと」から「周りのこと」、そして「社会のこと」へと広がっていきます。悩みのスケールがそこまで広がった時、あなたはもう、立ちたい場所にかなり近づいているはずです。
モデルプレス: 「カメラが自分に向いている」とイメージすることで、逆境さえも名シーンに変えてしまう。そのマインドセットがあれば、どんな困難も乗り越えられる気がしてきました。自分の人生を他人任せにせず、自らが脚本を書き演じ切る覚悟こそが、夢を現実にする最強の力なのですね。
人生の最高のエンドロールを共に描こう
モデルプレス: 最後に、求める人物像やメッセージをお願いします。渡部会長: まず結論から言うと、「将来起業したいと考えている新卒」で、かつ「尖っていて、素直で、いいやつ」を求めています。長年採用活動をしてきて、ある時セミナーでふと違和感を覚えたんです。「社長業ってこんなに面白いのに、それを若者に勧めずに『うちに入って僕の手下になれ!』って勧誘してるの、正直ヤバいな」と(笑)。だったら、起業家を育成・排出しながらも成り立つビジネスモデルを作ろうと思い、今のグループ経営の形が出来上がりました。
弊社のビジョンは「人生に最高のエンドロールを!」。会社の崇高な理念とかよりも、一人ひとりが人生を最高に楽しみ尽くして、死ぬ時に「あー、いい人生だった」と思えればそれでいいんです。僕や組織のためじゃなく、まずは「自分のため」でいい。その熱量が結果として給料や役職、そして将来の独立に繋がっていく。そのための仕組みや設計図は、僕が責任を持って描きます。
尖っている部分があれば、僕たちが全力で伸ばします。ただ、伸びるためにはアドバイスを受け入れる「素直さ」が不可欠です。うちはある意味で個の強さを重視する個人主義だからこそ、根っこの部分で「いいやつ」しか採らないと決めています。
モデルプレス: 「会社のためでなく、自分のために働け」と言い切る渡部会長の言葉に、心が震えました。社員を共に人生の物語を紡ぐ「主役」として迎え入れる&グループ。ここでは、単なるビジネススキルだけでなく、人生そのものを輝かせるための本質的な強さを手に入れられるはずです。
&グループについて
A or Bではなく、A & B。コレだけでなく、アレもコレも。面白いヒト、モノ、コトを巻き込みながらシナジーさせ、常に新しい挑戦を続ける。ビジネスモデルを組み合わせて強くし、「最速、最高、優先順位」を実行する。そうすれば事業内容を超え世界が作れると信じている。まとめ
ブラジルから始まり、SONYでの挫折を経て、今や数々の若き社長を輩出する&グループを率いる渡部剛会長。「性弱説」という優しくも鋭い人間洞察と、徹底した合理性に基づいたビジネスモデルの融合は、まさに「A & B」の体現でした。「圧倒的主人公感」を持って生きる彼の周りでは、これからも多くのドラマチックなサクセスストーリーが生まれていくことでしょう。引退を先送りにした彼の「線香花火の最期的輝き」は、まだまだ消えそうにありません。「REAL VALUE」とは
「REAL VALUE」はビジネスの第一線で活躍し続ける堀江貴文・溝口勇児・三崎優太が認める各領域のトップ経営者だけを厳選して始動した経営エンターテイメント番組。堀江・三崎の公式YouTubeにて配信中。3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
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