「silent」第3話で話題を呼んだ“7つの対比”「切なさ倍増」「絶妙なところ突いてくる」
2022.10.27 17:41
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女優の川口春奈とSnow Manの目黒蓮が共演するフジテレビ系木曜劇場「silent」(毎週木曜よる10時~)の第4話が、27日に放送される。ここではその放送前に、第3話で話題となった“7つの対比”を振り返る。<※ネタバレあり>
目次
「silent」で描かれる対比
オリジナル作品となる本作は、主人公の青羽紬(川口)がかつて本気で愛した恋人である佐倉想(目黒)と、音のない世界で“出会い直す”という、切なくも温かいラブストーリー。1話では、「うるさい」の対比が大きな話題に。紬と想が交際していた高校時代と8年後の再会が描かれたが、高校生の時には雪を見た紬が「雪が降ると静かだよね」と声のボリュームを上げ、想が「青羽、うるさい」と冗談を飛ばしていたのに対し、再会時には想が紬に手話で冷たい言葉を投げ、想の手話が分からずともなんとか引き留めようとする紬を想は「お前、うるさいんだよ」と突き放した。
このシーンを始めとし、ここまで数えきれないほどの対比が組み込まれている同作。3話でも多数の対比があった。
対比1:湊斗、過去と現在の「想」「無視すんなよ」
想の親友という立場であると同時に、高校時代から密かに紬に恋心を寄せ続けていた戸川湊斗(鈴鹿央士)。紬と想が一緒にいるところにたまたま遭遇し想と再会した湊斗は、想が聞こえないことを知っていながらも、後ろから「想」と3度にわたり呼びかける。しかし聞こえない想が振り返ることはなかった。
後日、紬の家で買い物に行った彼女を待つ湊斗は、紬に会いに来た想をベランダから発見。2人は家の中で紬の帰りを待つことに。湊斗は想の後ろ姿を眺めながら高校時代の思い出を語り、気付いていない想に「無視すんなよ」と呟きながら涙を流した。
高校時代、湊斗が想の後ろ姿を見つけ名前を呼ぶと、想は聞こえていながらもわざと無視。湊斗は「無視すんなよ」と笑い、想の元へ駆け寄っていた。
後ろから3度「想」と呼び、「無視すんなよ」と言い放つ…過去と現在で全く同じ言葉を発しているにもかかわらず、大きく意味が変わったこの対比に多くの視聴者が涙した。
対比2:紬&湊斗の“想を思うがゆえの行動”
想の耳が聞こえないことを目の前で実感し、ショックのあまり紬の家を飛び出した湊斗。追いかけてきた紬に対し、自分は想の“今”を受け入れられないと話し「手話まで覚えて顔見て話せるなんてすごいよ」と手話教室に通い想と会話しようとしている紬と自身を比較。
そして「紬を取られるんじゃないかって思ってる方が楽だったから。友達の病気を受け入れるよりずっと楽だったから」と紬と想の関係性への嫉妬ではなく、想との友情に対する思いの強さを吐露。最後は「名前を呼んで振り返ってほしかっただけなのに」と湊斗がその場でうずくまるシーンで幕を閉じた。
再会後に想のためにすぐに手話の勉強を始めた紬と、聞こえないことを認められず声で話しかけ続けた湊斗。正反対の行動に出ても、それはどちらも想を強く思うがゆえだったという2人の対比が描かれた。
対比3:紬、想&湊斗の“呼び方の違い”
湊斗という交際相手がいながらも、想と2人で会い続ける紬に「もう2人で会うのはやめよう」と提案した想。紬は、声を文字に変換するアプリを使いながら「私、湊斗のこと大好きなんだよね。2人で会うの湊斗に悪いって思うのは分かるけど、でも私たち別にそんなことで喧嘩になったりしない」と真っ直ぐに伝える。「今はもう佐倉くんのこと高校の同級生としか思ってない。今好きなのは湊斗。佐倉くんは違う。好きじゃない」と続ける紬の声が次々と文字になった画面を切なげに見つめた想から真っ先に出てきたのは「湊斗って呼んでるんだね」という言葉だった。
交際中、想のことを「佐倉くん」と呼んでいた紬。彼女が「想くん」と下の名前で呼んだのは、想の耳が聞こえなくなる直前の一度だけ。今「湊斗」と呼ぶのが当たり前になっていた紬は、この想の言葉にハッとさせられるのだった。
対比4:紬、想&湊斗との“窓越しの会話”
放送序盤では、湊斗の視点で紬との交際のきっかけとなった高校の同窓会の回想シーンが描かれた。仕事に追われていた紬は2次会に寄らず、ファミレスで作業。紬のことが気になった湊斗は紬を追いかけ、外から窓ガラス越しに会話をしようとする。しかし、窓という隔たりによって声が通らず、2人が意思疎通を図ることはできなかった。物語中盤では現在の想が紬の仕事が終わるのをカフェで待つシーンがあったが、窓際の席に座っている想を見つけた紬は手話を使い、想と窓ガラス越しに会話する。
この2シーンの対比には「演出が巧みすぎて言葉にできない」「切なさが倍増」「手話だからこそ通じる、というシーンを作ったのすごい」などの声が上がっていた。
対比5:奈々の“わざと”と紬の“天然”
生まれつきろう者で、聴力を失ってから人との交流を拒むようになってしまった想の心に寄り添う桃野奈々(夏帆)。街中で想の後ろ姿を見つけると、嬉しそうな笑顔でわざと自分のリュックのチャックを開け、想の元へ駆け寄る。想はチャックが開いているのに気付きそれを閉めてあげるのだった。一方紬は、部屋の窓を閉め忘れるのを忘れて弟の光(板垣李光人)に注意される。また働いているタワーレコードの前で想と遭遇した時には、両手に大きなゴミ袋を持っておりエプロンの肩紐が自然と落ちてしまう。想はその紐をそっと直した。
奈々が自ら“抜けている性格”を演出する行動には「奈々ちゃんあざとすぎる」「策士だ…」などという声が寄せられたが、紬は無意識にその天然ぶりを随所で見せており、「リアル」「うわぁ、この対比…絶妙なところ突いてくるなぁ」など2人を対比するコメントも多かった。
対比6:紬&萌が持つ“ゴミ袋とペットボトル”
紬は想とタワレコ前で遭遇した際、大きなゴミ袋を両手に持ったまま手話で会話し、その姿を見て笑った想から「それ置けば?」と提案される。しかし紬は「大丈夫」と持ったまま手話を続けた。想は家族の前でのみ声でも話すため、妹・萌(桜田ひより)が自身の自宅を訪れた際、冷蔵庫を開けている萌に後ろから声で話しかける。その言葉を受け、無意識に声で返答してしまった萌は「あっ…」と想が理解していないことに気付き、両手に持っていたペットボトルを置いてから改めて手話で会話を始めるのだった。
萌はその前、母・律子(篠原涼子)に、紬について「なんかちょっとイラっとするよね。今まで何があったかも知らないで久しぶりに再会して『あなたのために一生懸命手話覚えますー』って。自分はその間湊斗くんと仲良く楽しくのんきにヘラヘラ生きてきて」と本音を吐露を漏らしていた。
想が紬にゴミ袋を置くよう提案したのは、大きなゴミ袋を持ったままの紬への気遣いであっただろうが、しっかり手を見られる方が手話が分かりやすいという意味もあったのかもしれない。視聴者の間では、この紬と萌の行動に着目する声も。
いつも優しかった兄のことを思い、なかなか病気を受け入れられない想や家族よりも先にひっそりと手話を覚え始めたため、佐倉家の中では1番手話ができる萌。想と再会して間もない紬とのさりげない行動の対比が描かれた。
対比7:紬&想のキービジュアルと紬&湊斗の1シーン
紬&湊斗の交際までの過程が湊斗の回想として放送された3話。自宅で2人で洋画を観ているシーンでは、紬が映画の途中で湊斗の肩に頭を乗せそのまま眠ってしまう。視聴者の間では、この構図が紬&想のキービジュアルと似ていると注目が集まったが、確かにどちらもソファーの前で紬が相手の肩に頭を乗せて寄り添っている。
キービジュアルは、紬が想から「永遠」「ずっと続く」という意味を表す手話を教わっている姿。同ビジュアルの解禁時には「これから先、2人を待ち受けている厳しい現実と向き合い、寄り添いながらも乗り越えようとしている2人の思いを表している」と込められた意味も明かされていた。
想から一生懸命手話を学ぶ紬のキービジュアルと、湊斗の横で安心しきって眠ってしまう紬の1シーン、彼女の2人に対する思いが表現されているような対比にも、気付いた視聴者から多くの反響が寄せられていた。
上記で紹介した以外にも細部までこだわり抜かれた演出がたっぷり詰め込まれている同作。4話以降の展開はもちろんのこと、どの回を何度観返しても新たな発見があるのではないだろうか。(modelpress編集部)
情報:フジテレビ
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