「東京の女」リメイク

小津安二郎生誕120年記念『連続ドラマW OZU〜小津安二郎が描いた物語〜』。これまで、第1話『出来ごころ』田中圭主演、第2話『生れてはみたけれど』柄本佑主演、第3話『非常線の女』前田敦子主演、第4話『淑女と髯』成田凌主演と発表してきたが、この度、第5話のタイトル、スタッフ、キャストが決定した。

「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で没後60年となる今もなお国内外問わず高い評価を受け続ける映画監督・小津安二郎。生誕から120年を迎えたことを記念し、若かりし頃に監督した初期サイレント映画群をオムニバスドラマ形式で現代リメイクする。

第5話でリメイクするのは、90年前の1933年に公開された岡田嘉子主演の映画『東京の女』。社会で強く生きる姉とそれを慕う弟をシリアスに描き、当時の行き詰った空気も感じさせる作品だ。監督を務めるのは若き俊英・工藤梨穂。卒業制作の『オーファンズ・ブルース』がPFFアワード2018でグランプリを獲得し、『裸足で鳴らしてみせろ』では国内外の映画祭での受賞を果たした。脚本は『風の電話』で第70回ベルリン映画祭審査員特別賞に輝いた狗飼恭子が担当する。

石橋静河、WOWOWドラマ初主演　南沙良らキャスト発表

出版社で編集者として働き、学費のかかる弟の面倒をみる良き姉でありながら、知られざる一面を持つ主人公・ちか子役を演じるのは、WOWOWドラマ初主演の石橋。同世代の工藤梨穂監督とどのような“東京の女”を形作るのか注目が集まる。ちか子の弟でボランティア活動に励む純粋な大学生・良一役には金子大地。両親を亡くし、二人暮らしの姉・ちか子を心のより所にしている。その良一の恋人で大学生の春江役を演じるのは南。良一とちか子の関係に違和感を覚え、ある行動に出る。

その春江の兄・木下役には中島歩。出版社に出入りする木下はちか子の噂を耳にする。そして、ちか子が編集を担当する大御所作家・尾形を斉藤陽一郎が演じる。この他にも、山本奈衣瑠、片山萌美、金子鈴幸、池田良、嶺豪一、森岡龍が脇を固める。両親の死後、二人暮らしをしているちか子（石橋）と弟の良一（金子大地）。大学生の良一は恋人の春江（南）とボランティア活動に勤しみ、ちか子は出版社で働きながら家計を支えていた。

そんなある日、何も知らずに姉を慕っている良一を案じた春江は、ちか子の秘密を良一に明かすのだが…。小津映画『東京の女』は、いかにして現代リメイクされるのか。（modelpress編集部）

主演・石橋静河コメント

小津作品という大きな山に、同世代の工藤監督と挑戦できることが、とても嬉しいです。誰もが携帯にカメラを持ち歩き、情報が溢れすぎている時代。今を生きる人の、言葉にならない思いが画面に滲み出るような作品になったらいいな、と思います。お楽しみに！

監督・工藤梨穂コメント

小津監督の『東京の女』には、熱を帯びた人の眼差しが何より克明に刻まれていると思います。今なお褪せないその生々しさへ途方もない畏れを抱きながらも、現在を生きる人たちの眼差しの中で誰かを真に見つめようとすることの愛や鋭利さを捉えることができたら。そんな思いで企画へ参加させて頂きました。正直、私はこの挑戦に震えています。しかし、素晴らしい脚本と石橋静河さんをはじめとするキャスト陣、スタッフの皆さんのもと、自身の全力を尽くして本作を作　り上げていく所存です。ぜひご覧ください。