「シンデレラ」王子役リチャード・マッデン、“理想の男性像”に「プレッシャーを感じた」 モデルプレスインタビュー
2015.04.22 12:00
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ディズニーが贈る実写版映画「シンデレラ」が、4月25日に日本で公開となる。同作は古くから愛され色褪せることのないラブストーリー「シンデレラ」を絢爛豪華な衣裳と美術、そして一流のフィルムメイカー、豪華キャストとコラボレーションし実写映画化。モデルプレスでは、公開に先駆け3月に米ロサンゼルスで行われたプレミアムイベントで現地取材を敢行し、キャスト、監督、スタッフへのインタビューを行った。
豪華絢爛な世界観を映画化
3月13日には全米で公開となり、初登場1位と好スタートを獲得した同作。シンデレラ(エラ)役にリリー・ジェームズ(26)、継母役にケイト・ブランシェット(45)、王子役にリチャード・マッデン(28)、フェアリー・ゴッドマザー役にヘレナ・ボナム=カーター(48)…と豪華キャストが名を連ね、監督は「マイティ・ソー」などを手がけたケネス・ブラナー(54)が務める。今回は、王子役を務めるリチャード・マッデンのインタビューをお届け。1986年6月18日生まれのリチャードは、HBOのシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロブ・スターク役で有名。そのほかの主なテレビの出演作品には、ディスカバリー・チャンネルのオリジナル・ミニシリーズ「クロンダイク・ゴールドラッシュ」、BBCのシリーズ「Hope Springs」と「Birdsong」、チャンネル4のシリーズ「Sirens」など。グローブ座制作の「ロミオとジュリエット」のロミオ役も務めており、「シンデレラ」出演でブレイクが期待される。
王子役リチャード・マッデンをモデルプレスが直撃<SPECIAL INTERVIEW>
Q.“「シンデレラ」の王子”という理想の男性像を演じることに、プレッシャーや責任を感じましたか?リチャード:シンデレラに愛してもらえる価値があるキャラクターを演じないといけない、ということに、プレッシャーを感じたよ。アニメーション映画の昔ながらの考えというのも素晴らしいけど、苦境に立たされた女性が、ひどい生活から救ってくれる男性が来るのを待っている、という考え方は、今、若い女の子たちに教えるべきメッセージじゃないだろうね。だから、若い男の子たちに、どのように振る舞うべきかとか、女性にどのように敬意を払うべきかとか、シンデレラのような女性に愛されるためには、どういう男性であるべきかを教えてくれるようなキャラクターを作り上げる責任を感じたよ。
Q.王子を演じることが決定したときの心境と、演じる上で気をつけた点を教えてください。
リチャード:姉が2人いるんだけど、とても興奮してくれたよ。あと、演じる上で気をつけた点だけど、人々のイメージの中にある王子よりももっと現代的にしたいと思ったんだ。脚本はその点で見事だった。シンデレラは多分、王子に会わなくても平気だよ。僕は、このバージョンのそういった点が好きだ。騎士が鎧を輝かせて登場するよりも、2人の人間がお互いに最高の結果を見つけるという作品なんだ。彼が彼女を救うのと同じぐらい、彼女が彼のことを助けることになるんだ。
Q.シンデレラ役のリリー、継母役のケイトと一緒に仕事をして、いかがでしたか?
リチャード:リリーと仕事をするのは楽しかったよ。彼女は、あの役を完璧にこなした。寛大で、親切で、寛容で、可笑しくて、一緒にいて全く素晴らしいんだ。だから本当に最高だったよ。僕たちは2人とも同じ状況にいたんだ。これが初めての大作で、それに関してナーバスになっていて、ほかの人々が先入観を持っているキャラクターを演じることをとても恐れていた。そういうことを通して、僕たちはお互いを支え合ったんだ。
ケイトとは、あまり多くのシーンはなかったんだけど、数日セットに一緒にいただけで、本物の映画スターだと感じたよ。少し圧倒された。そして、たくさん学んだよ。基本的にデレク・ジャコビ、ステラン・スカルスガルド、ケイト・ブランシェットと一緒にセットにいるということは、演技のマスタークラスを取っているみたいなものだ。撮影しているときも、していないときも、彼らがどのように振る舞うかを見て学べたんだ。彼らは素晴らしい役者であり、また本当にいい人々だから、あんなにも成功しているんだ。
Q.映画の見どころのひとつである、舞踏会のシーンの撮影について教えてください。
リチャード:いやぁ…僕は舞踏会のシーンがすごく恐ろしかったんだ。だから、2ヶ月半にわたって、毎週3、4回、ダンスのトレーニングを受けたんだよ。ダンサーとして才能があるわけじゃないからね。だから、一生懸命やらないといけなかった。撮影当日、足の動きのことを考えていたくなかった。僕とシンデレラの関係のことを考えていたかったんだ。だから、すごいプレッシャーだったよ。素晴らしいデザインの中に2000本のキャンドルが灯され、600人のアーティストやダンサーたちがいて、みんなが僕のことを見ている。彼らはプロのダンサーたちなんだよ。「すごく嫌だな」と思ったよ。でも、王子とシンデレラのように、リリーが階段を降り始めたら、部屋にいるほかの人は誰も見えなくなる。ただ、僕と彼女だけになった。だから、僕たちはただ僕たちのダンスをやるまでだった。その瞬間、すべてのプレッシャーがなくなったよ。
Q.役柄を通して、どんなメッセージを届けたいですか?
リチャード:王子が、女性を尊敬するだけじゃなくて、自分の周りにいる人々も尊敬しているということを伝えられていればいいなと思うよ。この王子のいいところは、彼が自分の特権についてはっきり分かっていて、彼らの周囲にいる人々がどういうことを経験しているかということをよく分かっているところなんだ。
Q.映画全体としては、どのようなメッセージが込められているように感じますか?
リチャード:僕は子どもの頃、愛や死、悲しみ、善と悪について、こういう映画を観て学んだんだ。だから、若い人たちがこの映画を観て、そういうものに出会ってくれればいいなと思うよ。映画に出てくる継母は、住むところがあって、お金も持っている。彼女の娘たちは、元気で幸せだ。とても素晴らしい人生のはずなのに、継母は幸せじゃない。一方、シンデレラの人生は、これよりひどくなりようがないくらいだ。でも、彼女は毎日、小さな幸せを見つけるんだ。彼女には、動物たちとのひとときがある。彼女は、ポジティブなんだ。だから、彼女は何も持っていなくても、ハッピーなんだ。そういうメッセージを、この映画から受け取ってくれればいいなと思う。大事なのは、何を手に入れられるか、ということじゃない。どのように自分の状況を見ることができるか、ということなんだ。
Q.映画では、王子がシンデレラに一目惚れをしますが、リチャード自身は一目惚れを信じますか?
リチャード:後からそのことに気づく一目惚れというのは信じるよ。誰かに会って、「なんてこった。僕らは今恋に落ちている」といった一目惚れはないと思う。その瞬間を思い出して、「そうだ。僕はあの瞬間に恋に落ちた」って思うものなんだ。それが一目惚れだよ。この映画で王子が経験するのもそれと同じだよ。
― ありがとうございました。
「夢を叶える秘訣」を語る
「夢を叶える秘訣」を「やり続けること」だと教えてくれたリチャード。「僕は子どもの頃から(演技を)かなりやっていたけど、学校があったから、少しやるのをやめたんだ。そして自分にとって何がベストかを考えていた。そして、一番大変だったのは17歳になって、演技に戻ろうとしたときだったよ」と自身の体験を交えながら語り、「本当に興味を持っているとしたら、やり続けることだ。止めないでね。なぜなら一度止めてしまうと、戻る上での自信を取り戻すのが本当に難しくなるから」とメッセージを送った。“「シンデレラ」の王子”と言えば、誰の中にもイメージが出来上がっている。しかし、リチャードは、そのプレッシャーを跳ね除け、新たな“王子像”を描き出した。シンデレラを信じ続けるその姿に、現代女性も心を打たれるはずだ。(modelpress編集部)
実写版「シンデレラ」(2015年4月25日公開)
<ストーリー>母を病気で、父を事故で失ったエラは、父の後妻である継母とその連れ子のドリゼラとアナスタシアに「灰まみれのエラ」を意味する「シンデレラ」と呼ばれ、召使いのように扱われていた。ある日、耐えきれずに家を飛び出したエラは、森の中で城で働いているという青年キットと出会い、心を通わせる。王子である身分を隠していたキットは、城に帰ると父である国王から政略結婚を勧められるが、森で出会ったエラが忘れられず、彼女を探し出すため国中の未婚女性を招いた舞踏会を計画する。
<スタッフ>
監督:ケネス・ブラナー
製作:サイモン・キンバーグ、アリソン・シェアマー、デビッド・バロン
製作総指揮:ティム・ルイス
<キャスト>
リリー・ジェームズエラ/シンデレラ
ケイト・ブランシェット/まま母(トレメイン夫人)
ヘレナ・ボナム・カーター/フェアリー・ゴッドマザー
リチャード・マッデン/王子キット
【Not Sponsored 記事】