「他人事じゃない……」40代からの発症者が急増? 世界で「2倍以上」も若年性認知症が増えているワケ

2026.09.13 20:45
提供:All About

【医師が回答】認知症は年を重ねてから発症するものだと思っていませんか? 実は40~64歳で発症する「若年性認知症」が世界的に急増しています。その理由と、今からできる対策を解説します。(※画像:PIXTA)

Q. 「認知症は40代から急増する」って本当ですか?

「認知症は高齢者の病気だと思っていましたが、最近は40代からの認知症が急増していると聞きました。なぜ今、急に増えているのでしょうか? 何に気を付ければいいのかが分からないので、不安です」

A. 若年性認知症は、世界的に増加しています。有効な予防法を取り入れましょう

多くの方が「認知症は高齢になってから発症するもの」と思っているようですが、実は40~64歳で発症する「若年性認知症」が世界的に増加していることが、最新の研究で明らかになっています。

2025年に発表された中国の研究チームによる調査では、1990年から2021年までの世界的なデータを分析した結果、40~64歳の若年性認知症の患者数は、1990年の367万人から2021年には775万人へと、2倍以上に増加していることが分かりました。特に女性は428万人と、男性の346万人よりも多い傾向が見られました。

また、地域や社会経済状況との関連性もみられ、所得水準や教育水準が高い地域ほど、若年性認知症と診断される人が多い傾向も見られています。

急増の背景として、「喫煙習慣があること」「空腹時血糖値の上昇がみられること」「BMI(肥満度)が高いこと」の3つの生活習慣が深く関わっていると指摘されています。これらが若年性認知症による健康損失の約28%を占めていると考えられています。2021年には、若年性認知症が原因で約7万人が亡くなったことも報告されました。

つまり、若年性認知症は突然起こるものではないということです。複合的な要因ですが、日々の生活習慣の積み重ねによって、徐々にリスクが高まっていくものだとも言えるでしょう。今日からできることをご紹介します。

・タバコを吸っている場合は、禁煙する
・血糖値を定期的にチェックし、高血糖を防ぐ
・適正体重を保ち、BMIの上昇を防ぐ
・適度な運動や十分な睡眠、バランスの良い食事を心掛ける

若年性認知症の発症メカニズムにはまだ分かっていない部分もありますが、生活習慣を見直すことで、リスクを減らせる可能性があります。「自分にはまだ関係ない」と思わず、元気なうちから少しずつ対策を心掛けていくことが大切です。

秋谷 進プロフィール

小児神経学・児童精神科を専門とする小児科医・救急救命士。プライベートでは4児の父。子どもの心と脳に寄り添う豊富な臨床経験を活かし、幅広い医療情報を発信中。


執筆者:秋谷 進(医師)

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