「同じ失敗を繰り返す人」の意外な共通点……その目標、脳が納得していないかも 【脳科学者が解説】
【脳科学者が解説】「ダイエットが続かず失敗を繰り返す」という悩みは珍しくありません。脳科学的に「やる気を継続させるコツ」を語ることもできますが、そもそも目標が間違っていないか見直すことも大切です。分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)
Q. ダイエット失敗を繰り返しています。やる気を保つ方法は?
「ダイエット失敗を繰り返しています。特別太っているわけではないのですが、もう少し体重を落としたいです。毎回、『今度こそは』とやる気になって始めるのですが、甘いものを我慢できずに食べてしまったり、決めた運動を続けられなかったりして、結局続きません。ダイエットを成功させるための、やる気の保ち方が知りたいです」
A. 失敗を繰り返す場合、そもそもの目標に脳が納得できていないかもしれません
まず、ダイエットに関する悩みを持つ方に共通してお伝えしたいのは、「そもそも不必要なダイエットはしないほうがいい」ということです。糖尿病を含むメタボリックシンドロームなど、医学的に解消しなくてはならない肥満なら、暴飲暴食をやめ、運動習慣もしっかり見直す必要があります。しかしそうでない場合、必要のない食事制限は健康を損なうリスクがあります。
見た目の理想があることは分かるのですが、基本的に不必要なダイエットは避けたほうが賢明です。
そのうえで、「それでも痩せたい」「理想のスタイルになりたい」という人も少なくないかもしれません。しかし、一念発起してダイエットを開始してもすぐに「続かなくなる」のであれば、「実は、そこまで続ける理由がない」可能性が高いのではないかと思うのです。
少し厳しいお話になってしまいますが、「ダイエットに挑戦しても長続きしない」という方は、ダイエット以外の物事もうまくいかないことが多いのではないでしょうか。
毎日が何となくつまらなくて、うまくいっていないと感じるとき、人は欲求不満や閉塞感を抱えます。目の前の嫌なことから逃れる方法として、手軽そうな目標を掲げてしまうことは珍しくありません。本来の強い目的が「ダイエット」でない場合、気合だけで継続するのはなかなか難しいです。
脳科学の専門家として、「目標達成まで意志を持続させるコツ」「脳をやる気にさせるコツ」を解説することはできますが、いずれも「脳が納得できている」ことが大前提です。「脳をうまくだましてダイエットするコツ」のような情報もありますが、「自分で自分をだます」ということ自体が成立しません。
「うまく脳をだまして、成功できた」という場合、実際にはその内容に脳が納得し、賛同したうえで実行できているに過ぎません。脳が「だまされた」わけではなく、「納得できた」だけなのです。どのようなことでも、まずは脳がしっかりと「納得」したうえで取り組まなければ、継続することはできないのです。
「ダイエット失敗を繰り返す」「いつも続かない」という場合、ダイエットが本当に自分が解決したいことにつながっているのか、一度立ち止まって考え直すタイミングかもしれません。
薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
執筆者:阿部 和穂(脳科学者・医薬研究者)
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