別れを切り出したのは俺なのに。彼女の一言に3日間、何も送れなかった本当の理由
言えなかった「部署がなくなる」
会社から、俺のいる部署をなくすと告げられたのは、ふた月ほど前です。ほかの部署に移れる人数は限られていて、俺はそこに入れませんでした。
彼女には言えませんでした。付き合って2年、いずれは一緒に暮らすことも考えていた相手です。次が決まらないまま話せば、心配をかけるうえに、頼りない姿を見せることになる。決まってから言えばいい。そう自分に言い聞かせて、休みの日は面接に出かけ、誘われるたびに「ごめん、ちょっと用事」とだけ返していました。
いちばん送ってはいけない言葉
ホームで開いたメッセージは、こうでした。
「ねえ、最近なにか隠してない?」
図星でした。けれど本当のことを書けば、今日の面接もだめだったかもしれないと打ち明けることになります。
少し迷ってから送ったのは、いちばん送ってはいけない言葉でした。
「疑うなら別れよう」
本気ではありませんでした。「そういうことじゃない」と返ってくるのを、どこかで待っていたのだと思います。引き止めてもらえれば、その流れで全部話せる気がしていました。
返ってきたのは、これだけです。
「いいよ」
ホームに電車が入ってきても乗れず、1本見送りました。
何も言えなかった3日間
1日目は、謝る文を何度も打っては消しました。「わかった」と送れば、そこで終わってしまう。
結果さえ出れば話せる。受かっていれば、胸を張って全部言える。そう考えて、返事を先延ばしにしていたのです。
2日目、結果のメールが届きました。不採用でした。
文面を読み返しているうちに、ようやく気づきました。受かるのを待っていたら、いつまでも彼女に何も言えない。それから、送る文を何度も書き直しました。
そして...
3日目、会社の休憩室で送信しました。部署のこと、休みの用事が全部面接だったこと、最終の結果が来て落ちたこと。かっこ悪いところを見せたくなかったことも、そのまま書きました。
最後の1通は、少し迷ってから送りました。
「別れようなんて、本当は言いたくなかった」
既読がついて、届いたのは「なんで先に言ってくれなかったの?」と「今日、電話していい?」の2つでした。
「うん」とだけ返して、その日の電話で、3日間のことを順番に話しました。
次の会社は、まだ決まっていません。面接の日が決まるたびに、今は彼女に一言だけ送っています。スマホは、画面を上にしたまま机に置くようになりました。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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