息子と別れた彼女へ、私が毎年年賀状を書いていた本当の理由
台所のテーブルで聞いた話
息子が初めて彼女を家に連れてきたのは、付き合って最初のお正月です。台所のテーブルで、届いた年賀状を家族ごとに分けていると、彼女が手伝ってくれました。自分の分の束がないのを見て、彼女は笑いました。
「私宛ての年賀状って、毎年ほとんど来ないんですよ」
あとで息子から、彼女の両親は温泉旅館で働いていて、年末年始は両親が働きづめだと聞きました。お正月は毎年ひとりで過ごしてきたそうです。明るく言われた分だけ、その話は私の中に長く残りました。
息子には言わずに出し続けた
転勤が決まった春、息子がメッセージで彼女に別れを告げたと聞きました。理由を聞きたい気持ちはありましたが、2人のことに口を出せる立場ではありません。
次のお正月が近づいたころ、彼女の郵便受けのことを考えました。今年は、誰からも届かないのかもしれない。せめて元日に1枚は届くようにと、年賀はがきを買いました。
息子の名前は書かないと決めていました。添えたのは、寒い時期の体を案じる短い言葉だけ。出していることは、息子にも言いませんでした。
彼女からは毎年、印刷の挨拶に一言だけ手書きを添えた返事が届きました。それを1枚ずつしまってきたのが、お菓子の缶です。
この秋には、新しい名字と引っ越し先の住所が印刷された、結婚の報告はがきが届きました。
「最後」と書けなかった一言
結婚した人のもとへ、昔の恋人の母親から年賀状が届き続けるのは、負担かもしれません。今年で最後にしようと決めていました。
それでも、はがきに「最後」とは書けませんでした。書けば、彼女に返事の気づかいをさせてしまう気がしたからです。ようやく書けた一言がこれでした。
「もう、お正月にひとりじゃないわね」
嫌味に読まれないか、ポストの前でもう一度迷いました。投函口にはがきを落としたのは、買い物袋を持ち直してからです。
そして...
年が明けて数日後、彼女から返事が届きました。印刷の挨拶の下に、いつもより長い手書きの文が続いていました。お礼と、ご主人のこと。最後の一言を読んで、はがきを持ったまま台所の椅子に腰を下ろしました。
「来年も、出してもいいですか」
缶の中の返事は、これで5枚。来年どうするかは決めないまま、ふたを閉めずに缶を棚へ戻しました。
(60代女性・パート)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
【漫画】ナンパ男を家に入れることに…その理由とは?【不倫したのは誰ですか? Vol.11】エキサイトニュース -
【星座別】2026年10月下旬、おうちデートの何気ない瞬間に、彼の本音がこぼれる女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年10月下旬、おうちデートの何気ない瞬間に、彼の本音がこぼれる女性ランキング<第4位~第6位>ハウコレ -
【漫画】朝の挨拶を完全無視する義両親…夫もぶっきらぼうな態度【夫と義家族に無視される私 Vol.1】エキサイトニュース -
【星座×血液型別】2026年11月上旬、好きな人の口癖がうつるころ、彼から告白される女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年11月、友達の一言がきっかけで運命の人と出会う女性ランキング<第4位~第6位>ハウコレ -
【星座×血液型別】2026年11月上旬、好きな人の口癖がうつるころ、彼から告白される女性ランキング<第4位~第6位>ハウコレ -
夫「お前なんか生まれてこなきゃよかった!」娘に八つ当たり!?しかし翌朝⇒受け取った愛妻弁当が【命取り】になった話愛カツ -
「早く俺の戸籍から消えて?」離婚を迫る浮気夫だが⇒「希望通りに…」妻がゾッとする行動を始め…夫がパニックに!?愛カツ