好きな人からの「彼氏いるのかな」。その前の吹き出しにあったのは私の名前でした
名前と「彼氏いるのかな」だけの吹き出し
彼とは入社同期で、部署は違います。同期の集まりで隣の席になるたびに話すようになり、気づけば社内で目が探してしまう相手になっていました。
チャットを開くと、吹き出しが2つ。1つめは私の名前に「さん」がついただけ、2つめは「彼氏いるのかな」でした。
宛名のように置かれた私の名前と、その下の問いかけ。私に直接聞くなら、こんな書き方はしないはずです。誰かに向けた相談なのは、読めばすぐに分かりました。
彼が、私のことを誰かに聞こうとしている。そう考えた途端、タオルを持ったままキッチンを一周していました。
何通りも打ち直した返事
画面を開いてすぐ、3つめの吹き出しが届きました。
「ごめん、送る相手まちがえた」
こちらが読んだことが、向こうにも伝わったのでしょう。
返事は何通りも打ちました。「大丈夫だよ」だけでは素っ気なく、「気になる?」では踏み込みすぎる。消しては打ち直して、最後に残ったのはこれでした。
「いないよ。誰に送るつもりだったの?」
送信してから、スマホを伏せてソファの端に置きました。30秒もしないうちに裏返したのは、我ながら少しおかしかったです。
既読のあとの30分
既読はすぐにつきました。けれど、返事はなかなか届きません。
今頃、送るはずだった相手と話しているのだろうか。私の答えを、その人に伝えているのだろうか。考えるたびに、ソファのクッションを抱え直しました。
30分ほどたって、ようやく画面が光りました。
「そっか。それ、今度ごはん行ったときに話してもいい?」
誰に送るつもりだったのかには答えず、代わりに次の約束が書かれていました。話してもいい、の「それ」が何を指すのかも分からないまま、短く返事を送りました。
「いいよ、行こう」
送ったあとも、暗くなった画面を指で何度も起こしていました。
そして...
食事の日取りは、そのあとのやりとりで決まりました。クローゼットの前で、着ていく服を3回入れ替えました。
ただ、1つだけ引っかかっていることがあります。私の名前を出して相談できる相手が、彼には誰かいるということです。
次に会ったら聞くつもりでいます。あの30分、彼はいったい誰と、何を話していたのでしょうか。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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