休みの夫から届いた「冷蔵庫に何もない」に、強く返した私が帰宅後に見たもの
休みの夫から届いた1枚の写真
結婚して2年。買い出しは、いつの間にか私の担当になっていました。帰り道のスーパーで卵を選び、重い袋を提げて坂を上る。料理も含めて、それが当たり前の流れでした。
その日は決算の準備で残業が長引き、帰りはいつもよりかなり遅くなる見込みでした。一方の夫は、有給休暇の消化で休み。仕事の合間に開いたチャットには、日帰り温泉ののれんの写真が届いていました。
帰ってからは、家でのんびり過ごしていたのでしょう。そんな夫から届いたのが、冷蔵庫の写真とこのメッセージです。
「冷蔵庫に何もない」
なぜ忙しい私が、1日休みだった夫の世話まで焼かなければならないのか。画面を見たまま、返信を打っていました。
「こっちはまだ会社なんだけど」
「たまには2人分の夕飯作って」
「わかった」のあとに続きはなく
夫からの返信は、しばらくしてから届きました。
「わかった」
それだけです。帰りの電車で何度かチャットを開き直しましたが、続きが増えることはありませんでした。
今頃ふてくされて、カップ麺でも食べているのだろうか。言いすぎたかと迷ううちに、最寄り駅に着いてしまいました。
玄関を開けると、部屋の明かりは消えていました。仕事の始まりが早い夫は先に休んだらしく、寝室のドアは閉まったまま。
テーブルには、ラップをかけた生姜焼きの皿が1つ。鍋にはみそ汁が残っていました。シンクには使ったフライパンとボウルが重なり、まな板の横には大きさのそろわない玉ねぎの切れ端。ここまでに、どれだけ時間がかかったのだろうと思いました。
喉の渇きに気づいて、麦茶を出そうと冷蔵庫の扉に手をかけました。
写真では空っぽだった冷蔵庫
扉を開けると、写真では空っぽだった棚に、卵と牛乳、納豆が並んでいました。どれも、私がいつも買っているものです。
生姜焼きを温め直して1人で食べながら、あの「わかった」の短さを思い返しました。あの一言のあと、夫はスーパーまで出かけていたことになります。
翌日の昼休み、会社の休憩スペースから夫にメッセージを送りました。
「昨日はきつい言い方してごめん。生姜焼きおいしかった」
返信は、少し間を空けて届きました。
「いや、俺の送り方も悪かった」
「ごめん」
送り方とは、何のことなのか。届いた写真を見返しても、写っているのは調味料の並んだ棚だけでした。
そして...
少し考えてから、もう1通送りました。
「今度の休み、一緒に買い出し行こ」
「行く」
帰宅して冷蔵庫を開けると、夫の買ってきた卵のパックが、いつもの段に収まっていました。重い袋を1人で提げて上っていた坂を、次は2人で上ることになりそうです。
それでも「送り方」という言葉だけは、まだ引っかかっていました。あの写真を送ってきたとき、夫は何を言おうとしていたのか。そのことは、まだ聞けずにいました。
(30代女性・経理職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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