「何時に」を消して「楽しんでね」だけ。質問をやめた俺に、まだ残る落ち着かなさ
「楽しんでね」と送ったはずなのに
付き合って1年の彼女とは、別々に暮らしています。「今から行ってくるね」と届いたとき、「楽しんでね」と返したのは本心でした。
それなのに、しばらくすると「何人くらい来るの?」と送っていました。
「8人だよ」人数が分かれば落ち着くと思っていたのに、次に浮かんだのは、その中に誰がいるのかということ。
「男の人もいる?」
送ってすぐ、もう1通を足しました。
「疑ってるわけじゃない」
束縛する彼氏だと思われたくない。その一心で添えた一言でした。
聞くほど、知りたいことが増えていく
「半分くらいかな。みんなゼミの同期だよ」
丁寧な返事を読んでも、会ったこともない同期たちと笑う彼女の姿ばかりが浮かびました。帰りに誰と歩くのかまで聞き、それでも足りず、写真を送れるかと続けました。
そこへ届いたのが、この1通です。
「疑ってないなら、どうしてこんなに聞くの?」
打っては消した返信
「心配だから」と打って、消しました。「なんとなく」と打ちかけて、それも消去。どちらを送っても、噓になる気がしたのです。
本当の理由は分かっていました。彼女が楽しそうにしている場所に、俺がいない。それが落ち着かなかった。正直に書けば、小さい男だと思われて離れていかれるかもしれない。
拒まれるのが怖くて、答えから逃げたのだと思います。既読をつけたまま、スマホをテーブルに置き、それ以上チャットを開きませんでした。
翌日、何度も書き直した文章を送りました。
「昨日はごめん。聞かれたこと、ちゃんと考えてた」
「疑ってたんじゃなくて、俺の知らないところで楽しそうにしてるのが怖かったんだと思う」
そして...
「話してくれてありがとう。聞かれるたびに、報告しなきゃいけない気がしてた」
「連絡したいときは、私から送るね」
質問の1つひとつが、彼女には報告の催促になっていた。そのことを、ここで初めて知りました。
「わかった。待ってる」
先日、彼女から「着いたよ」と届きました。打ちかけた「何時に」を消して、送ったのは「楽しんでね」だけ。スマホを伏せて、流しにたまった洗い物に手をつけました。
返事を待つ間の落ち着かなさは、その日も最後まで消えませんでした。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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