彼女のスマホを見ようとした俺が、ロック番号を変えられて考えたこと
「誰の物」がなかった家
俺の実家では、父のスマホを母が借り、母の財布から父が小銭を借りるような家庭でした。だから一緒に暮らせば、スマホも自然に見せ合うものだと思っていました。ところが彼女は、席を立つときにスマホを裏返し、「検索したいから貸して」と頼んでも自分で操作して画面を見せてきます。「なんで隠すの?」と聞いたのは、責めたかったからではなく、ただ不思議だったのです。後日あらためて「そんなにスマホ見られるの嫌?」と聞くと、彼女は「嫌というより、自分のものだから」と答えました。
「俺は見られても何とも思わない」
一緒に暮らしているのに、どうしてそこだけ他人みたいなのだろう。そう思って、俺は続けました。「付き合ってるのに見られて困るものあるの?」。彼女は少し間を置いてから、「何も隠してなくても、全部見せる必要はないと思う」と言いました。正直、意味がよく分かりませんでした。「俺は見られても何とも思わない」。それは本心です。俺のスマホには、彼女に見られて困るものなど1つもなかったからです。
画面を覆った彼女の手
後日、テーブルに置かれていた彼女のスマホを「写真見せて」と手に取り、アルバムを探していたとき、届いた通知に指を伸ばしました。彼女は「それは開かないで」と手のひらで画面を覆い、こう言ったのです。「私があなたに見せたくないんじゃなくて、あなたに見せる権利が私にない話もある」。そして、「友人が私にだけ話してくれたことは、その友人の秘密でもあるから」と。彼女が守っていたのは自分の秘密ではなく、誰かから預かった話だったのです。自分の実家の物差しだけで、彼女の線引きを測っていたのかもしれません。
そして...
数日後、彼女はロック番号を変えました。「そこまでする?」と聞いた俺に、彼女は「あなたを疑ってるんじゃない。これは私の境界線だから」と答えました。それでも、見られても平気だという俺の感覚が消えたわけではありません。今も俺のスマホはテーブルの上に置きっぱなしです。ただ、彼女のスマホには手を伸ばさず、見たい写真があるときは「写真見せて」と言葉で頼むようにしています。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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