何でも相談していた友人にだけ、私が急に敬語を使い始めた理由
きっかけになった教室での言葉
陶芸教室で知り合った彼女は2つ年上で、私が迷うたびに相談に乗ってくれる人でした。
色、道具の買い足し、窯を予約する日。
「どう思う?」
と聞けば、いつも一緒に考えてくれます。
私はそれを、仲がいいからできることだと思っていました。
前回の教室で彼女が先に帰ったあと、片づけをしていると、年配の会員から言われました。
「いつも彼女に聞いてるのね。仲がいいのね」
責める言い方ではありませんでした。
それなのに、その言葉が妙に残りました。
思い返せば、器の絵付けの色まで、最後は彼女の反応を見て決めていました。
仲がいいから相談しているつもりが、自分で考える前に頼る癖になっているのかもしれない。
そう思ったのです。
敬語に変えれば頼らなくなると思った
家に帰ると、彼女へ送ろうとしていたメッセージが残っていました。
「今日もありがとう」と始まる、いつもの内容です。
私はそれを消しました。
親しい言葉のままだと、またすぐに彼女へ相談してしまう気がしました。
まずは気軽に頼る書き方をやめれば、送信する前に自分で考えるようになるのではないか。
後から考えると、変えるところを間違えていたのだと思います。
私は、
「先日はありがとうございました。次回もぜひよろしくお願いいたします。」
と打ち直しました。
しばらくすると、
「どうしたの、急にかしこまって(笑)」
と返ってきました。
本当の理由を説明するのが恥ずかしくて、
「いえ、こちらこそお世話になっております。」
と返しました。
言葉だけ変えてしまった
その後も、彼女から器の写真が届きました。
以前なら、
「かわいい!その色どうやったの?」
とすぐ聞いていたと思います。
でも、そこからまた何でも頼る自分に戻る気がして、
「ありがとうございます。とても素敵ですね。」
とだけ返しました。
距離を置きたいわけではないのに、送る言葉だけを見ると、距離を取ろうとしているようにしか見えません。
そのことには自分でも気づいていました。
それでも、急に元の話し方へ戻したら、何も変えられなかったような気がして、やめられませんでした。
数日後、彼女からメッセージが来ました。
「私、何か気に障ること言ったかな。よかったら教えてほしい」
そこまで不安にさせていたとは思っていませんでした。
すぐに謝ればいいのに、説明を書けば書くほど言い訳のように見えて、何度か書き直しました。
その日の夜、ようやく送りました。
「距離を置きたかったわけじゃないんです。頼ってばかりの自分が嫌になって、言葉だけ先に直そうとしました」
何でも彼女に聞いていたこと。
敬語にすれば、自分で考えてから連絡できると思ったこと。
理由を話さずに態度だけ変えたせいで、彼女を不安にさせてしまったことも書きました。
返ってきたのは、
「敬語やめてとは言わない。でも器の話は今までどおりしたい」
という言葉でした。
そして...
次の教室では、彼女と隣の席になりました。
いつもの癖で、
「どっちがいいと思いますか」
と聞きかけました。
でも、今回は先に自分で決めました。
「私はこっちにする」
そう言うと、彼女は、
「いいと思う」
と笑いました。
今も敬語が混じることはあります。
ただ、聞くことをやめるために言葉を固くするのはやめました。
分からないことは相談する。自分で決められることは、先に自分で考える。
変えたかったのは彼女との距離ではなく、自分が頼る順番だったのだと、今は分かっています。
(20代女性・販売員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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