5年目の別れを1通で済ませた俺が、元カノの薬指を見た日に打っては消した長文
電話をやめて選んだ1通
彼女とは学生時代からの5年、ほとんど途切れずに付き合っていました。別れを決めた理由は、正直に言えば飽きたからです。結婚の話が出るたびに面倒になり、泣かれたり引き止められたりする場面を挟みたくなくて、俺は通話ではなくメッセージを選びました。送ったのは「結婚とか特に考えてない。俺はずっと独身でいい」。続けて「今までありがとう。元気で」。返ってきたのは「わかった」だけで、既読はすぐに付きました。あっさり終わってくれて助かった、というのがその時の本音でした。履歴を消さなかったことにも、当時は特別な意味などないと思っていました。連絡しようと思えばいつでもできる状態を、自分に都合よく残していたことには気づいていませんでした。
「久しぶり」の続き
席次表の名前どおり、歓談の輪の中に彼女はいました。「久しぶり」と声をかけたのは俺からです。1人で来ているなら、あとでまた会えないか聞けばいいと考えていました。「久しぶり。元気そうだね」と笑った彼女のグラスの手元に、指輪が見えました。左手の薬指でした。俺は用意していた言葉を言わず、会釈だけを返しました。彼女は会釈をして自分の席へ戻り、俺は残りの時間、料理の皿ばかり見ていました。
帰りの電車で書いた長文
会場を出て、帰りの電車で俺はトーク画面を開きました。最初に打ったのは、謝罪ではありませんでした。「もう籍は入れたの」「相手はどんな人」。自分でも何を確かめたいのか分からない質問を並べ、途中からは、5年をメッセージだけで終わらせたことへの言い訳になっていきました。読み返して、全部消しました。反省したからではなく、送れば分が悪いのは俺のほうだと分かっていたからです。体裁を整えて送ったのは「今日は驚いた。指輪、おめでとう」。返ってきたのは「ありがとう」だけで、その短さに、あの日の「わかった」を思い出しました。
そして...
俺は今も、独身でいいと人には言っています。ただ、いつでも戻れる場所が1つあるような気がして残していた履歴は、あの日から開けないままです。彼女との履歴は残っていますが、もう連絡する理由はありません。失ったのではなく、自分で終わらせた関係だったと、画面を開くたびに突きつけられます。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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