「お前が出て行くんだよな?」祖父母のマンションでそう言った彼を、家族全員で見送った日
祖父母が貸してくれた部屋
彼との同棲を始めたのは、祖父母が所有しているマンションの1室でした。駅から近い部屋でしたが、祖父母は「若いうちは貯金しなさい」と言い、家賃を受け取りませんでした。
最初の数か月は、2人で夕食や掃除の当番も決め、楽しく生活していました。ところが半年を過ぎたころから、彼の当番の日にも食器がシンクへ残るようになりました。
私が洗えば、その日の家事は終わります。何度も注意するより早いと思い、代わりに片づける日が増えていきました。彼は次第に、洗濯物を取り込むことも、ごみをまとめることもしなくなりました。
枕元に届かなかった1本
ある日、私は発熱して仕事を休みました。家にいた彼へ、「スポーツドリンクだけ買ってきてほしい」と頼むと、「わかった」と返事がありました。
眠ったあとで目を覚ましても、枕元には何もありません。リビングを見ると、彼はソファに座って動画を見ていました。
私は水道の水を飲み、再び寝室へ戻りました。買ってこなかった理由を聞くことも、その日はできませんでした。
そのころから、私は彼に頼み事をしなくなりました。不満を伝えず、限界まで我慢してしまったことは、これから変えなければならないと思っています。ただ、私が言わなかったからといって、彼が家事や頼み事を放置した事実までなくなるわけではありません。
「同棲を解消しよう」
彼と暮らし続ける気持ちは戻らないと分かり、夕食のあとに話を切り出しました。
「同棲を解消しよう」
彼は箸を置き、私を見て言いました。
「お前が出て行くんだよな?」
ここは私の祖父母が所有する部屋です。彼も、そのことは最初から知っています。
「出て行くのは、あなたのほうだよ」
そう伝えても、彼は納得しませんでした。
「生活費は半分払ってるし、俺もここで暮らしてきたんだけど」
彼にとっては、私との関係が終わることより、駅から近く、家賃のかからない部屋を失うことのほうが問題なのかもしれません。その返事を聞いて、2人だけで話を進めるのは難しいと判断しました。
そして...
翌日、私は両親と祖父母へ事情を話しました。祖父母は部屋の所有者として、彼に退去してもらうと決めました。
数日後、玄関のチャイムが鳴り、両親と祖父母が部屋へ入りました。祖父が、この部屋を今後も彼へ貸す意思はないことを伝えます。続けて父が言いました。
「今日中に荷物をまとめてもらえるか」
彼は反論せず、自分の服や荷物を箱へ詰め始めました。部屋に置かれていた彼の物は、思っていたより多くありませんでした。
最後に、彼は合鍵をテーブルへ置きました。家族が見守るなか、荷物を持って玄関を出ていきました。
彼が帰ったあと、私は祖母と窓を開け、部屋の空気を入れ替えました。これからは、不満を溜めたまま相手が変わるのを待つのではなく、嫌だったことをその場で伝えられる暮らしを始めるつもりです。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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