「お土産、私にはないの?」隣の課宛ての荷物を1度受け取った私が、彼女をケチと呼んだ理由
荷物を受け取った数分間
隣の課の彼女が有給で旅行に出ていた週、同じフロアは普段より慌ただしくなっていました。隣の課の電話が鳴り、宅配便の人が荷物を抱えて立っていたことがあります。私は電話には出られませんでしたが、荷物だけは代わりに受け取りました。それでも、彼女の留守を支える役に立てたと思っていました。彼女が戻ると、同じチームの人へ焼き菓子を配り始めました。私の近くの席にも渡していましたが、紙袋は私のところへ来る前に空になりました。
「お土産、私にはないの?」
コピー機の前で彼女を見かけ、私は隣に立ちました。
「お土産、私にはないの?」
冗談めかして聞けば、彼女も軽く返してくれると思っていました。ところが、返ってきたのはまっすぐな言葉でした。
「数が足りなくて、渡せないんです」
周囲には人が行き来していました。聞いたのは自分なのに、人前で数に入っていないと告げられたように感じ、私は「そう」とだけ返して離れました。荷物を受け取ったことを彼女は知らない。それを伝えないまま、私は同期へ不満を話しました。
「有給まで取って旅行したのに、配らないなんてケチだよね」
別の人にも同じ話をしたことで、彼女がお土産を配らなかったという部分だけが広がっていきました。
彼女の机で伝えたこと
再びその話をしたとき、隣の課の同僚が言いました。
「彼女のお土産なら、仕事を代わった私たちがもらっていますよ」
彼女は、事前に仕事をお願いした人へお土産を渡していただけです。私は荷物を一度受け取ったことで、自分も当然もらえる側だと思い込んでいました。そして私は、彼女の机へ向かいました。荷物を受け取った日のことを話すと、彼女は初めて聞いたという顔をしました。
「荷物を受け取ってくれたこと、知りませんでした。ありがとうございます。」
彼女が知らなかったのは当然です。私は手伝ったことを伝えず、お礼だけを期待していました。
「確認もせずに、ケチだなんて広めてごめんなさい」
私は、何人かに不満を話したことも含めて謝りました。
そして...
彼女が次の有給を取る前、留守中の電話を頼まれました。旅行から戻った彼女は、仕事を代わった人へ順にお礼を伝え、私の席にもお土産を持ってきました。包みを受け取りながら、私は言いました。
「次も、私が電話番をしておくね」
お礼を期待して不満を広める前に、必要なことは自分の言葉で伝えるようになりました。
(30代女性・営業事務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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