結婚報告の直後に取り消された友人からのメッセージ、数週間後、知ることになった中身
取り消しのあとに届いたお祝い
学生時代からの友人とは、メッセージアプリでほぼ毎日やりとりをしてきました。結婚の報告を、誰より先に伝えたい相手でもありました。「結婚式の日取りが決まったよ」。取り消しの表示が出たのは、私がそう送った直後のことでした。しばらくして、新しいメッセージが届きました。「おめでとう。よかったね」。それだけでした。いつもなら長い文章で茶化してくる彼女にしては、短すぎる返事でした。絵文字の1つもないことが、かえって気になりました。何を書いて、なぜ消したのか。聞けばお祝いに水を差す気がして、私はそのまま画面を閉じました。
短くなっていく返信
その日を境に、やりとりは目に見えて減っていきました。式場の写真を送っても、返ってくるのは一言だけで、会話が続かないのです。結婚が面白くないのだろうか。何かで怒らせてしまったのだろうか。考えるほど、消されたメッセージの中身ばかりが頭の中で膨らんでいきました。数週間が経って、私は思い切って送りました。「久しぶりにお茶しない?」。返事は、その日のうちに届きました。
カフェで聞いた、消した理由
待ち合わせのカフェで、友人は注文したカフェラテに口をつけないままでした。近況をひと通り話したあと、私は切り出しました。「あのとき取り消したメッセージ、なんて書いてたの」。彼女は視線を落とし、間を置いてから言いました。「婚約ね、なくなったんだ」。彼女に結婚を考えている相手がいることは、私も聞いていました。「おめでとうの前に、自分のことばっかり書いてて、読ませたくなくて慌てて消したの」。絞り出すような声でした。私はテーブル越しに、彼女の手に自分の手を重ねました。「消さなくてよかったのに」。帰り際、店の前で彼女は言いました。「今度こそ、ちゃんと言わせて。おめでとう」
そして...
後日、私は最初の招待状を友人に手渡ししました。封筒の裏には、短い言葉を1つ書き添えて。消えてしまう画面の上ではなく、残る形で渡したかったからです。封筒を両手で受け取った友人は、裏を見て、少しだけ笑いました。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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