「もう別れよう」で彼を試した私、初めて既読がつかなかった夜
送り慣れた言葉
彼から「ごめん、週末の約束、仕事になりそう」と届いたとき、私は迷わず「もう別れよう」と返していました。付き合って1年、こうして送るのは初めてではありません。喧嘩のあとや、寂しさが募った日。送れば必ず、謝罪と引き止めの長い文面が返ってきて、私はそれを読んでやっと安心できました。
彼を試している自覚は、たぶんありました。それでもその日は、いくら待っても既読すらつかず、私は同じチャット画面を意味もなく開いては閉じました。
翌日に届いた言葉
翌日、送った言葉の横に既読がつき、続けて彼から短いメッセージが届きました。
「別れたくない。ただ、その一言が届くたびに、どう繋ぎ止めるかばかり考えるようになってた」
責める言葉は、どこにも見当たりませんでした。読み終える前に、私は彼に電話をかけていました。繋がった途端、言い訳よりも先に本音がこぼれました。
「本気で言ったことは、一度もないの」
彼は少し間を置いてから、聞きました。「じゃあ、どうして送るの」
すぐには答えが出せず、私は受話口を持ち直しました。
口にできなかった弱さ
電話の向こうで、彼が待ってくれている気配だけが続きました。そのあとで、私はどうにか言葉にしました。
「先にいなくなるふりをすれば、置いていかれずに済む気がしてたの」
週末を後回しにされたと感じたこと。返事が来ない間、怖がっていたのは自分のほうだと思い知ったこと。捨てられるくらいなら、先に手放すふりをする。そんな臆病なやり方で、彼が引き止めてくれる間だけ、選ばれている気になれていました。小さな声で謝ると、彼は責めずに、お願いを1つ口にしました。
「次は、別れようじゃなくて、不安になってるって送ってほしい」
そして...
数日後、寂しくなった私は、また「もう別れよう」と打ちかけて、手を止めました。文字を消してから、「不安になってる」と送りました。送ってすぐ、彼の名前で着信が入りました。用件のない短い通話は、あの長い引き止めの文面よりも、ずっと私を落ち着かせてくれました。
今でも打ちかけてしまう弱さは残っています。それでも私は、送る前に消すことを、毎回選んでいます。
(20代女性・アパレル販売員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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