「あんたは要領がいいよね」姉の口癖に、私が初めて言い返した日
何度目かの口癖
「あんたは要領がいいよね」母が味噌汁を一口飲んで「この味、お店みたい」と褒めた直後でした。声の方を見ると、姉は炊飯器の横に立ったまま、私を見ていました。実家に集まるたび、姉はこの言葉を口にします。料理を褒められたとき、仕事の話を聞かれたとき、締めくくりはいつも同じでした。これまでの私は、曖昧に笑って流してきました。けれど内心では、誰かに褒められるたびにあの一言をかぶせられて、中身ではなく立ち回りで得をしてきた、と言われた気になっていました。
初めて聞き返した
この日の献立は、前日のうちに一度作って味を確かめたものでした。そのことを姉は知りません。だからこそ、母の言葉に重ねられた一言が、いつもより重く残りました。「それ、褒めてるの?」聞き返した私に、姉は一拍おいてから答えました。「褒めてるに決まってるでしょ」迷いのない言い方が、かえって引っかかりました。「私だって、見えないところでどれだけ準備してるか知らないでしょ」そう言って、私は先に居間へ戻りました。台所には、換気扇の音だけが残っていました。
3日後に届いたメッセージ
帰宅してからも、やりとりを何度も思い返しました。言いすぎただろうか、それでも言わなければ伝わらなかった、と考えは行ったり来たりしました。3日後、姉からメッセージが届きました。「この前はごめん。今度ちゃんと話させて」私は「わかった」とだけ返しました。
そして...
週末の電話で、姉は子どもの頃の話をしました。「私、ずっとあんたみたいになりたかったんだよ」。続けて、「不器用な自分を認めたくなくて、あんたの努力を要領って言葉にしてた」とも言いました。すぐに全部を受け止められたわけではありません。それでも私は、「今度は私の話も聞いてね」と返しました。あの一言を口にする姉の側にも、私の知らない景色があったのだと、今は思っています。
(30代女性・販売職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
妹を傷つけていたのは、憧れを隠すための私の口癖でしたハウコレ -
好印象な妹の彼氏♡だがある違和感に「えっ“これ”って…」⇒姉の顔から血の気が引いたワケ愛カツ -
仕事中に急な腹痛に襲われた夫!?帰宅後⇒家のゴミ箱で見つけた”ある物”にゾッとした話愛カツ -
嫁のボーナスを当てに、家電をたかる義母と夫!?しかし⇒嫁「もう無理…」次の瞬間の行動で…夫「なにしてんだ!?」愛カツ -
【星座別】8月後半、勝負運が強くなる女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年8月後半、モテ度が上昇する女性ランキング<第1位〜第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年8月後半、恋愛運が停滞する女性ランキング<第1位〜第3位>ハウコレ -
彼が「ずっとこうしていたい」と感じる瞬間。安心感を与えるさりげない触れ方とはハウコレ -
倒れた嫁を「大げさ」と笑う義両親!?夫「絶縁する」しかし妻は⇒「待って!その前に…やりたいことがある」愛カツ