借りたイヤリングを失くした私が、残った片方を出品するまで
式のために借りた水色
結婚式に付けていくアクセサリーがなく、学生時代からの友人に相談しました。友人は自分で作ったイヤリングをいくつも見せてくれ、その中から私は水色の1組を選びました。
「これ、本当に借りていいの?」と聞くと、友人は「式が終わったら返してくれたらいいよ」と小箱ごと渡してくれました。会場では鏡を見るたび、耳元の水色を確かめていました。
二次会の帰りに消えた片方
二次会の帰り、タクシーを降りて右耳に触れると、イヤリングが金具ごとなくなっていました。来た道を戻り、会場にも連絡しましたが見つかりませんでした。
式の写真を添えて友人へお礼を送ったときも、失くしたことだけは書けませんでした。手作りのため、同じものを用意することはできず、片方だけ返す勇気もありませんでした。友人から返却を頼まれるたび、「ごめん、もう少し待って」と答え、謝る機会を自分で減らしていきました。
出品ボタンを押した理由
小箱を開けるたび、残った片方が目に入りました。やがて、いっそのこと手元からなくせばこの件を考えずに済む気がして、片方を出品することに決めました。両方失くしたことにすれば、お金で弁償する流れに変えられるとも思っていました。
私は「片方のみのハンドメイド品」として出品し、売れたお金は弁償に足せばいいと自分に言い聞かせました。ところが数日後、友人から出品ページのアドレスと一緒に、「これ、私が作ったものだよね」と届きました。
そして...
私はすぐに電話をかけ、片方を失くしたことと、残った片方を出品したことを認めました。「返せなくなって、どうしていいかわからなかった」と伝え、出品を取り下げました。
残った片方と弁償のお金を送りましたが、お金は封筒ごと戻ってきました。言えなかったのではなく、言わないことを選び続けていたのだと分かりました。
友人からの連絡は、あれきりありません。出品を取り下げても、失くした片方も、返却を先延ばしにした数か月も戻せませんでした。
(20代女性・販売職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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