「マイバッグにお願いします」と言ったお客様が、詰め終えた袋を覗いて眉を寄せた理由
2026.07.31 20:30
提供:ハウコレ
いつも通りに詰めていたつもりでした
夕方のスーパーは、仕事帰りや保育園帰りの家族連れで混雑する時間です。私はレジパートを始めて3年になります。マイバッグを預かって詰めるのは慣れた作業でした。牛乳やペットボトルなどの重いものを下に、卵とパン、冷凍餃子は潰れないよう上に重ねる。パートを始めた頃に先輩から教わった手順を、無意識にたどっていました。
「あの、そうじゃなくて」とおっしゃいました
袋を受け取ったお客様は、中を覗き込むなり口を開いた後、少しの間をあけて「あの、そうじゃなくて」とおっしゃいました。「冷凍と常温は分けてほしかったんです」。淡々とした声でしたが、口調の奥に急いでいる気配が滲んでいました。「申し訳ありません」と頭を下げて詰め直そうとした私に、お客様は「もういいです、私がやります」と続け、レジ横のカウンターで袋を空けはじめました。次のお客様の視線を感じながら、私はレジを打ち続けるしかありませんでした。
休憩室で、自分の家の買い物袋を思い出しました
休憩に入ってからも、あの表情が消えませんでした。私の詰め方は間違っていたのだろうか。頭の中で反芻していました。ふと、自分の家の買い物袋を思い出したのです。冷凍庫のいちばん下の段には、まとめ買いした冷凍うどんを立てて入れる場所を決めています。ヨーグルトは扉ポケットの決まった位置。私にも、家事の順番があります。あのお客様にも、家に帰ってからの決まりごとがあったのかもしれません。
そして...
明日もまたレジに立ちます。マイバッグを差し出されたら、その前に一言お聞きしようと決めました。「冷凍と常温は分けますか」。詰め方に正解が1つではないのだと、あのお客様が教えてくれた気がします。
(30代女性・スーパーレジパート)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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