彼女のメッセージに返信しなかった俺が、あの一言で初めて気づいたこと
読んだら動く、それが俺の返し方だった
彼女と付き合って1年半、メッセージは全部読んでいます。通知が来たら必ず開くし、内容も頭に入れている。ただ、返信しないこともありました。「今度あのパスタ屋行きたいな」と写真付きのメッセージが届いたとき、俺がやったのは店の検索でした。場所、営業時間、予約の空き。調べ終わると満足して、そのままスマホを閉じました。
次に会ったとき「あの店、週末予約したよ」と伝えたら、彼女は「ありがとう」と言いました。喜んでくれたと思っていました。返信を打つより、予約を取るほうが「返事」になると考えていたからです。
あの日のシュークリームは、返信のつもりだった
「今日ちょっとしんどくて」
彼女からそのメッセージが届いたのは、仕事を上がろうとした時でした。「大変だったね」と打ちかけて、消しました。画面越しに送る短い言葉では足りないと感じたからです。
代わりに俺がしたのは、彼女の家の近くにあるケーキ屋を調べることでした。帰り道に立ち寄って、彼女の好きなシュークリームを2つ買いました。テーブルに並べて「好きだったよな」と言ったとき、彼女は笑ってくれました。
あのメッセージへの返事は、テーブルの上にあると思っていました。
あの一言で初めて気づいたこと
ある夜、ソファに並んで座っているとき、彼女がさっき送ってきたメッセージの内容について俺は「あ、見た見た」と言いました。いつもと同じ調子でした。
「読んでるなら何か返してよ」
彼女の声は落ち着いていましたが、目は笑っていませんでした。俺は一瞬口ごもって、「返してるつもりだった」と答えました。
「してないよ。メッセージでは1回も」
その一言で、俺はようやく気づきました。俺はメッセージの「外」で返し続けていた。予約を取り、シュークリームを買い、計画を立てて。でも彼女が見ていたのはチャットの画面のほうで、そこにはなにも映っていなかったのだと。
そして...
俺はスマホを手に取って、検索履歴を彼女に見せました。彼女が送ってくれた店や場所を、全部調べていた記録です。彼女はその画面に目を落として、小さくうなずきました。
でも、それで済んだとは思っていません。次の日、俺は彼女にメッセージを打ちました。たった一言、「おはよう」
慣れない指で送信ボタンを押すまでに、ずいぶん時間がかかりました。
(20代男性・施工管理)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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