友人が勧めてくれた店で私が笑いながら言ってしまったこと
いつもと逆の立場
友人からメッセージが届きました。「すごくおいしいお店見つけたの。今度ランチ行かない?」。お店を探して誘うのはいつも私の側で、友人から声がかかることはほとんどありませんでした。
「いいよ、行こう」と返しましたが、画面を閉じたあとも落ち着かない気分でした。友人がおいしいと思ったお店がどんなところなのか、純粋に楽しみな気持ちと、それだけではない何かが混ざっていました。お店選びだけは自分の担当だという、小さな自負がありました。
カルボナーラ
お店は路地の奥にある小さなイタリアンでした。窓際の席で先に来ていた友人が手を振りました。メニューを開く前に「ここのカルボナーラ、おすすめなの」と笑顔で言った友人の目が、まっすぐこちらを見ていました。
カルボナーラが届き、一口食べました。おいしいと思いました。濃すぎず、チーズの風味がしっかりしていて、私が選ばないタイプの丁寧な味でした。
でも口から出たのは「たいしたことないね」でした。笑いながら言ってしまったのです。友人が「そう、かな」と小さく答えて、お皿に目を落としたのを、私は見ていました。言い直すタイミングは、そのまま過ぎていきました。
変わった空気
それ以降、友人のあいづちが短くなりました。私はドラマの話や週末の予定の話を続けましたが、友人の返事がどんどん遅れていくのがわかりました。友人のお皿にはカルボナーラが半分以上残っていて、私のお皿だけがきれいになっていました。
店を出て、駅まで並んで歩きました。改札の前で「ごちそうさま」と手を振って別れたあと、階段を下りながら自分の口元がこわばっているのに気づきました。おいしかったのに、どうして言えなかったのか。友人が見つけた店を認めてしまったら、いつも私がお店を選んできた関係が変わってしまう気がしていたのです。
そして...
あの日から、友人を食事に誘えなくなりました。チャットを開くと、友人が送ってくれたお店の地図がまだ残っています。「あのお店おいしかったよ」と何度も打ちかけては消しました。たった一言が出せないまま、私のほうが関係を変えてしまっていることに気づき始めています。
(20代女性・アパレル販売員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
昔いじっていた同級生が同窓会で変わっていた→声をかけた私は、帰りの電車でうつむいたハウコレ -
「俺と“ママ”が育てる!」娘を連れ去る夫&義母!?しかし直後⇒「ありがとうございます♡」嫁のお礼に血の気が引いたワケ。愛カツ -
「何描いてるの?」娘の絵を覗いた母。直後「これ誰なの」家族の絵の隣に【不気味な男性】が描かれていた話愛カツ -
夫婦のベッドを使って…浮気に及ぶ親友と夫。しかし⇒ベッドの足元で“目にした光景”に「あ…え…」血の気が引いたワケ愛カツ -
触れられた時に男性が考えていること、聞いたら驚くかも。彼の本心は"反応"に全部出てるハウコレ -
【星座別】今週中、運命が動き出す女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【誕生月別】行動力◎♡やりたいことに即動ける女性ランキング<第1位〜第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年7月下旬、恋の転機が訪れる女性ランキング<第1位〜第3位>ハウコレ -
「かわいくなったね」と手のひらを返す同級生→ある男子がさらっと言った一言ハウコレ