7年ぶりに「会わない?」冷たい返信にも打ち明けた私の理由
かつての便箋
高校2年の春、部活の先輩たちから急に無視されるようになりました。誰にも打ち明けられず、教室の隅で下を向いていた私に、慎重に便箋を渡してくれたのが、その同級生でした。
『あなたはあなたのままでいいよ。味方はちゃんといるから』
たった数行の言葉に、当時の私はどれだけ救われたか分かりません。それなのに、私は結局面と向かってお礼を言えないまま卒業し、7年が経っていました。
送信ボタンを押すまでの葛藤
便箋を胸に抱えたまま、私は考えました。今さら連絡したら迷惑だろうか。急に何、と引かれるだろうか。それでも、この気持ちを伝えないままだと、また何年も経ってしまう気がしました。
「久しぶり!元気にしてる?」
打つのに、10分以上かかりました。
「久しぶり!元気だよ〜そっちも元気?」
返事が来て、ほっとしました。ここで本題を切り出したい。でも、数年越しのお礼をメッセージの文面だけで済ませたくない気持ちが勝りました。文字にすると軽くなってしまう気がして、まずは会うことをお願いしてみたのです。
「元気だよ!あのさ、急なんだけど、今度2人で会えたりしない?」
冷たい返信
送信してから、後悔しました。手紙のことを一言添えればよかった。でも、その一言をどう書けばいいか、指が止まってしまったのです。
「会うのはちょっと……何か用事があるなら、メッセージで聞くよ?」
やっぱり警戒された、と分かりました。7年も連絡を放っておいて、いきなり会いたいと言われたら、そう思うのが当然です。自分が逆の立場でも、きっと同じ返信をしたと思います。
「ごめん、やっぱり何でもない」と打っては消しました。3回、4回と繰り返していたと思います。
そして...
覚悟を決めて、本当の理由をそのまま打ちました。
「ごめんね、急に変だよね。実は引っ越しの片付けをしてたら、高校の時にもらった手紙が出てきて。あの時本当に救われたんだ。ちゃんとお礼が言いたくて……」
送信してから、返事を見るのが怖くて、しばらく画面を伏せていました。
「全然覚えてなかった……ありがとう。会おうよ」
画面に浮かんだ「会おうよ」という短い言葉を、私は何度も読み返しました。忘れられていたことは、少し寂しくもあったけれど、それ以上に嬉しかったのです。あの日の一言は、書いた側にとっては忘れる程度のものだったからこそ、きっと本心だったのだと思えたから。
段ボールに囲まれた部屋で、私は数年遅れの「ありがとう」を、ようやく届けに行く準備を始めました。
(20代女性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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