妻の弁当を残すのがつらくて、仕事の帰り道にとった行動
2026.07.18 22:00
提供:ハウコレ
食べきれなかったお弁当
妻は結婚してからずっと、俺にお弁当を持たせてくれます。仕事が立て込む時期が重なって、その半分も食べきれない日が続いていました。手をつけられなかったおかずを、食卓で妻と分け合うとき、俺はいつも後ろめたさを抱えていました。
あの人が手間をかけて作ったものを、俺が残している。その事実だけが、口の中の卵焼きの味を遠ざけました。
「いらないなら」と聞かれて
食卓で向かい合ったある日、妻が聞いてきました。
「いらないなら、言ってね」
責める調子ではなかったのに、その一言は思っていたより深く刺さりました。俺は箸を置いて、焦って顔を上げます。
「いらないなんて、そんなことないよ」うまく言えないまま、それでも伝えたくて続けました。
「本当に感謝してるよ。ただ、仕事が立て込んでて、食べる時間がなかっただけで」
妻の作ったお弁当が、俺は好きなのです。
帰り道のベンチで
あの日から、俺は残ったお弁当を持ち帰る前に、1人で片づけることに決めました。妻が変わらず作り続けてくれるなら、せめて空の箱を返したい。そう思ったのです。
1人寂しく、冷めきったご飯を街灯の下のベンチで少しずつ口に運びます。それでも、あの人が落ち込む顔を見ずにすむなら、俺にはそれで10分でした。箱を空にして立ち上がるたび、帰り道は少しだけ長くなりました。
そして...
妻は今も、俺のお弁当を詰めてくれます。空になった箱を差し出すと、あの人は少しうれしそうに笑います。その笑顔さえ守れるなら、冷めたご飯くらい、なんてことはありません。全部を打ち明けられる日がいつか来るのか、それはまだわかりません。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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