既読後に送信取消を繰り返した彼、最後の返事は「まあまあ」でした
海沿いを走った休日
その日は彼の運転で海沿いをドライブしました。お互いに仕事が忙しくて、丸1日一緒に過ごせるのは2カ月ぶり。途中のカフェで遅めのランチをとり、小高い丘から夕日を眺めました。
家まで送ってもらった車内で「今日ありがとう」と伝えると、彼は前を向いたまま「気をつけて帰ってね」と返してくれました。手を振って車を見送ったあと、玄関のドアを閉めるまで頬がゆるんでいた気がします。
久しぶりにこんなに楽しい時間を過ごしたから、彼にもそう感じていてほしかったのです。
通知欄に並んだ送信取り消し
部屋に戻ってから「今日楽しかった?」とメッセージを送りました。深い意味はなく、ただ感想を聞きたかっただけです。すぐに既読がつきました。返信を待っていると、画面の上に通知が流れました。
「送信取り消しました」
続けて2つ目、3つ目。3回連続で同じ文字が並んでいきました。私には届かなかった3つのメッセージ。彼は何かを3回打って、3回消したことになります。
長い文章だったのか、短い一言だったのか。冷たい言葉だったのか、それとも逆だったのか。打っては消すのを繰り返し、彼は画面の向こうで、何度も迷っていたのだと思います。
送信取消のあとに届いたメッセージ
そうしてしばらく経って、ようやく届いた返信は「まあまあ」でした。3回も書いては消した末に、彼が最後に選んで送ってくれたのが、その短い返事。私はあんなに楽しかったのに、彼にとってはその程度だったのかな。聞かなければよかった、と少しだけ思いました。
問いかけのメッセージを打っては、何度も止まりました。「さっき消したのは何だったの」と聞いてしまったら、やっぱり聞かなければよかったと思う気がしたのです。結局、私は何も聞かずに眠りました。「まあまあでもいいや」と自分に言い聞かせて、布団の中で目を閉じました。
そして...
ただ、あの3回の通知だけが、目を閉じても消えてくれませんでした。消された3つの言葉が冷たいものだったのか、優しいものだったのか、私には永遠にわかりません。確かなのは、3回ためらった末に彼が私に届けてくれたのは、「まあまあ」という言葉だけだったということ。
来週もまた会う約束はあります。今度は彼の口から、本当の言葉を聞けるといいなと思っています。
(20代女性・看護師)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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