「今日、急用じゃなかったんだね」七夕の商店街で彼女が残した一言
軽い気持ちでドタキャンした
彼女に「七夕デートしよう」と声をかけたのは、約束の3日前でした。付き合い始めたばかりで、彼女と季節のイベントへ行けることを楽しみにしていました。
その翌日、女性の友人から連絡が入りました。こちらへ引っ越してきたばかりで、近くに知り合いが少ない人です。七夕祭りに一緒に行かないかと誘われました。
彼女と約束があると断るべきでした。けれど、友人が何度も「1人では行きづらい」と話すうちに、断るタイミングを逃しました。
友人には別の日を提案できたはずです。それでも俺は、どちらにも悪く思われたくなくて、先にしていた約束を変えることにしました。
急用で片づけた連絡
約束の日、彼女に「ごめん、今日行けなくなった」と送りました。理由を聞かれ、俺は「急用」と答えました。
友人に誘われたと話せば、彼女が嫌な気持ちになると思いました。でも、相手を気遣ったわけではありません。正直に伝えて責められることから逃げただけでした。
彼女からは「友達と行くから大丈夫だよ」と返ってきました。友人と行くなら楽しめるだろうと考え、俺はそれ以上説明しませんでした。
そのまま女性の友人と商店街へ向かいました。笹飾りを見ても、彼女と来るはずだったことが何度も頭に浮かびました。それでも、途中で帰ることはしませんでした。
浴衣の彼女と目が合った
友人と短冊を書き、商店街を歩き始めたとき、人混みの向こうに浴衣姿の彼女が見えました。
彼女も俺に気づき、近づいてきました。「なんで、ここにいるの」と聞かれ、答えを探していると、隣の友人が「2人とも知り合い?」と言いました。
友人は、俺と彼女が付き合っていることを知りませんでした。俺が何も説明していなかったからです。
「説明する。ちゃんと説明するから」と伝えましたが、彼女は友人の袖を引いて歩き始めました。すれ違うときに残したのは、「今日、急用じゃなかったんだね」という言葉でした。
そして...
一緒に来た友人へ事情を話し、先に帰ってもらいました。俺は彼女が歩いていった道を追いましたが、商店街を抜けても姿は見つかりませんでした。
友人を助けたい気持ちはありました。でも、そのために彼女との約束を破る必要はありませんでした。別の日を提案することも、彼女に事情を話すこともできました。
俺は誰にも悪く思われたくなくて、彼女だけに嘘をつきました。付き合い始めたばかりだから許してもらえると、どこかで甘く考えていたのだと思います。
白紙のまま残った短冊を捨てたあとも、「急用じゃなかったんだね」という言葉が残りました。失った原因は友人の誘いではありません。約束より自分の都合を優先し、その事実を嘘で隠した俺自身でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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