彼が送ってきた料理の写真→料理の脇に、見知らぬジュエリー店の伝票が映り込んでいた
2026.06.29 15:00
提供:ハウコレ
聞いたことのない、宝飾店の名前
彼の口から、ジュエリー店に行ったという話は一度も聞いたことがありません。男の人がわざわざ女物の店に出向く用事といえば、私の中ではひとつしか思い浮かびませんでした。私の知らない誰かへの贈り物を、彼はこっそり用意しているのではないか。料理の味を褒める言葉も、もう頭から消えていきました。
日ごとに短くなっていく返信
写真のことを問いただす勇気は出せず、私はメッセージで「おいしそう」とだけ返しました。それからの彼は、忙しいという返事ばかりで、会う約束にも気乗りしない様子です。あの伝票と、そっけない態度とが、私の中で一本の線につながっていきました。一度そう思い込むと、別のを考えを探す気力さえ湧いてきませんでした。
思いきって尋ねたときの答え
数日後、私は彼の部屋を訪ねました。例の伝票はもう見当たりませんでしたが、私は写真のことを切り出します。「あの料理の横にあった紙、なんだったの」。そう尋ねた私から、彼は目をそらしました。「それだけは、今は言えないんだ」。やましさというより、どこか追い詰められたような表情でした。問いを重ねるほど、彼の逃げ場をふさいでいる気がしてなりませんでした。
そして…
そして、迎えた私の誕生日の夜。彼がテーブルに小さな箱を差し出してきます。中に入っていたのは、ずっと前に彼の部屋へ置き忘れたまま、針が止まりっぱなしになっていた私の腕時計でした。秒針が、ちゃんと動いています。「あのジュエリー店、時計の修理もやっててさ」。ここ数週間ずっと固まっていた何かが、ようやくほどけていきました。私は、何ひとつ確かめないうちから、勝手に疑う物語を書き進めていたのでした。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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