「好きだけどごめん」と彼から届いた一行に、私は最悪の想像を広げてしまった
私宛ではなかった、ひとこと
「好きだけどごめん」
それだけのメッセージでした。誰かを好きだと伝えていて、同時に何かを謝っている。その短さが、かえって嫌な予感だけを連れてきました。私が返事を打つより先に、彼から「ごめん、今の誤送信」と届き、もとの一行はメッセージ画面から消えていました。消える前に読んでしまった私の中では、その言葉だけがいつまでも居座り続けました。
問いかけにかぶせられた、はぐらかし
「誰に送るつもりだったの」
そう聞いた私に、彼は「ほんとに何でもないから」とだけ答えました。何でもないなら、わざわざ送ったものを消したりしないはずです。それから彼は、週末になると友人と会うと言って出かけたり、電話がかかってくるたびに席を立つようになりました。
彼のスマホは、いつからか画面を下にして置かれるようになっていました。見れば見るほど、私の知らない時間が彼の中で増えていくようでした。
向かい合って、やっと聞けたこと
数日が過ぎても、私の引っかかりは消えませんでした。休みの日、行きつけのカフェで、私はカップを置いて切り出しました。
「あのひとことが、ずっと引っかかってた」
彼は少し黙ってから、「あれ、釣り仲間に送るつもりだったんだ」と打ち明けました。誘いを何度も断っていたこと、その理由を私に伏せていたこと。順番に聞いていくと、私が最悪を想像していた相手は、どこにもいなかったのだと気づきました。
そして...
断り続けていた誘いの理由は、そのあとでわかりました。彼は二人で初めて出かけた場所への切符を、ずっと準備してくれていたのです。あの「好きだけどごめん」は、私から彼を遠ざける言葉ではありませんでした。むしろ、私のために彼が何かを後回しにしていた、その裏側にあった言葉だったのだと、今は思えています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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