「その話、発表でやってみたら」勧めた僕が彼女の発表で→拍手より先に逃げた情けない理由
2026.06.26 22:00
提供:ハウコレ
あの発表を勧めたのは、僕でした
同じ会で、彼女はいつも聞く側にいる人でした。話すのが得意ではないと言っていましたが、僕は前から、彼女の話には聞かせる力があると思っていたんです。そのテーマなら彼女しかいないと、つい口にしました。
「その話、発表でやってみたら」
それから当日まで、僕はその発表を、自分のことのように待っていました。
拍手の輪に、僕は加われませんでした
話し始めた彼女は、僕が想像していたよりずっと堂々としていました。聞いているうちに、自分でも戸惑うくらい、その人のことばかりを目で追っていたんです。このまま拍手の輪に加わったら、隠してきた気持ちが全部、顔に出てしまう気がしました。
だから僕は、拍手が起きる前に席を立ったんです。情けない話だと、自分でも思います。出入口で一度だけ振り返りましたが、彼女は次の準備で下を向いていて、僕の方は見ていませんでした。
言い訳をする前に、彼女はもういませんでした
落ち着いてから戻るつもりが、廊下で立ち止まったきり、なかなか踏ん切りがつきませんでした。ようやく会場に引き返したときには、彼女が座ってるはずの席にはもう誰も座っていませんでした。
自分の発表のときだけ先に出ていった男に見えたはずだと、そこでやっと思い至りました。勧めておきながら、いちばん肝心なところで逃げ出したのは、僕の方でした。
そして...
その日の終わり、僕はメッセージを送りました。
「拍手の前に出てごめん。最後まで聞いてたよ」
本当はこの何倍も伝えたいことがあったのに、打てたのはこれだけです。次に会えたときは、今度こそ拍手の輪の中で、彼女に伝えようと思っています。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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