俺が友人の前でだけ使っていた呼び方を、彼女が嗅ぎつけた夜
始まりは口が滑った日
付き合って3カ月目の頃。友人と電話しているとき、彼女の話になりました。つい「うちの相方がさ」と口走った瞬間、友人が大笑いしたのです。「相方って、もう夫婦じゃん」。「違う、間違えた」と否定しましたが後の祭りで、それ以来、友人たちの間で彼女は「相方さん」と呼ばれるようになりました。最初は恥ずかしかったけれど、気がつけば俺自身もその呼び方が自然になっていたのです。
通知が止まらない
飲み会の翌日、友人からメッセージが届きました。「彼女に何て呼んでるか聞かれた。ごまかしたけどバレるかも」。その直後、彼女からも通知が光ります。「私のこと何て呼んでるか友達に聞いたんだけど」。既読をつけたまま、5分間返信できませんでした。頭の中で必死に言い訳を組み立てていたのです。ようやく送れたのは「誰に聞いた?」の一言だけ。「え、なんでそんな焦ってるの?」と返ってきて、「焦ってない」と打ちましたが、自分でも苦しいのはわかっていました。「絶対焦ってるじゃん」。追い詰められて、気がつけば通話ボタンを押していました。
本当に隠したいもの
電話では「別に普通だよ」「名前で呼んでるだけ」と繰り返しました。「相方」と呼んでいること自体は、正直に言えばまだ笑い話で済むかもしれません。でも俺が怖いのは、その先にあるものです。友人たちは知っています。俺が酔うたびに「相方にはずっとそばにいてほしい」とこぼしていることを。グループチャットに「相方と将来の話がしたいけど切り出せない」と送ったことを。彼女本人には一度も言えていない言葉を、友人たちの前では何度も漏らしていたのです。
そして...
呼び方がバレるだけなら笑い話で終わる。でもその奥にある気持ちまで知られたら、もう誤魔化しがきかなくなります。本当は、彼女に一番に伝えるべき言葉でした。
それを友人にばかりこぼして、肝心の相手には何も言えていない自分が、どうしようもなく情けない。スマホに残った「絶対焦ってるじゃん」の文字を眺めながら、いつか自分の口で伝えようと思いました。「相方」という呼び方のこと。そしてその言葉に、どのような気持ちを込めていたかを。
(20代男性・総合職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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