好きな店を勝手に変えた僕が隠していた、あのお店で感じていた居心地の悪さ
前に二人で行ったとき
そのお店に二人で行ったのは、少し前のことでした。彼女はお店の人と親しげに話し、メニューを見ながら本当に嬉しそうにしていました。
けれど僕は、その輪の中にうまく入れませんでした。並んでいる料理の値段を見て、財布のことが頭をよぎります。慣れない場所で、どう振る舞えばいいのかもわかりません。彼女が輝いて見えるほど、自分だけが場違いな気がしてならなかったのです。
言えなかった本音
だから次の約束のとき、僕はお店をこっそり別のところに変えました。彼女から連絡が来て、僕はとっさにこう答えてしまいます。
「あの店、なんか落ち着かないんだよね」
そして「予約、別のところにしておいたから」と。彼女に「どうして勝手に変えたの」と言われても、本当の理由は口にできませんでした。あの店で僕が小さくなっていたなんて、情けなくて言えなかったのです。お店のせいにするほうが、ずっと楽でした。
別のお店で見た彼女の顔
自分で選んだお店で、彼女はおいしいねと笑ってくれました。でも、その笑顔がどこか無理をしているのは、僕にもわかりました。
彼女が大切にしていた場所を、僕は自分の見栄のために取り上げてしまったのです。守るべきだったのは自分のプライドではなく、彼女の好きなものだったはずなのに。料理を口に運びながら、僕は自分の選択をずっと悔やんでいました。
そして...
あのお店が落ち着かなかったのは本当です。でもそれは、お店のせいではなく、僕自身の問題でした。彼女の好きなものを否定したかったわけではないのに、結果として一番大切にしたい人を傷つけてしまった。
今度こそ、ちゃんと打ち明けようと思います。あの場所が苦手だった本当の理由も、それでも彼女の好きなお店にまた一緒に行きたいということも。情けない本音ですが、隠したままではきっと同じことを繰り返してしまうからです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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