昇進祝いの社内メールに、私の名前だけがなかった。好きな彼に無視されたと思った話
並んでいた名前と、抜け落ちた一つ
昇進の内示が出たばかりで、部署の空気はどこか華やいでいました。彼が全員宛に送ったお祝いのメールには、同じ時期に昇進した二人の名前が丁寧に書かれていました。
「これからの活躍を期待しています」と、温かい言葉が添えられています。私は画面を上から下まで何度もたどりました。けれど、どこにも私の名前だけがありません。同じ日に昇進したはずなのに、私への一言だけが、すっぽりと抜け落ちていたのです。
気のせいだと思いたかった
きっと打ち忘れただけ。そう思おうとしました。けれど相手が彼だからこそ、その抜けがどうしても引っかかってしまうのです。廊下ですれ違ったとき、彼はいつも通り軽く会釈をしてくれました。その自然さが、かえって私を不安にさせます。
私のことだけ、わざと書かなかったのだろうか。何か嫌われるようなことをしただろうか。考えれば考えるほど、答えのない問いばかりが増えていきました。お祝いされている同期を見るたび、笑顔を作るのが少しだけ難しくなっていきました。
そっと距離を置こうと決めた
これ以上期待して傷つくくらいなら、いっそ気持ちに区切りをつけよう。彼への想いを、自分の中だけにしまおうと決めました。
業務の連絡も最低限にして、目を合わせる回数を減らしていきました。そんなふうに過ごしていたある日、彼から個人宛のメッセージが届きます。仕事の用件だろうと思いながら開いたその短い文面を、私は何度も読み返しました。
そして...
そこに書かれていたのは、たった二行でした。
「昇進、おめでとう。みんなと一緒に送るのは、どうしても嫌だったんだ。」
全員宛のメールに名前がなかったのは、忘れられていたからでも、嫌われていたからでもなかったようです。彼が何を考えていたのか、その全部がわかったわけではありません。
それでも、あの空白の意味が少しだけほどけた気がしました。昇進おめでとう。そのひとことを、私は誰よりもこの人から聞きたかったのだと、今になって気づきました。気づけば私は、返信の言葉を打ち込み始めていました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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