彼女に仕事だと嘘をつき、もう一人と旅行へ。重ねた嘘が、僕からすべてを奪った
都合のいい嘘を、選び続けて
二年付き合った彼女のことは、今でも大切に思っています。それなのに僕は、別の人と会うようになっても、その関係を手放せずにいたのです。彼女が会いたいと言うたびに、「ごめん、しばらく仕事が立て込んでて、会えそうにない」と返していました。もう一人の相手には、「今、彼女はいない」と伝えていました。どちらの嘘も、口にするときには痛みすら感じなくなっていたのです。傷つけている自覚はありました。それでも、自分が楽でいられる方を、僕はその都度選び続けていました。
「仕事」という言葉の裏側で
彼女に仕事だと告げて遠ざけたその期間、僕はもう一人の相手と旅行に出かけていました。彼女には絶対に見せられない時間を、平気で過ごしていたのです。心のどこかで、バレなければ誰も傷つかないと言い聞かせていました。けれど本当は、面倒な話し合いから逃げていただけでした。どちらかを選ぶ勇気も、正直に話す誠実さも、僕は持ち合わせていなかったのです。旅行先で撮られた一枚の写真が、後にすべてをつなげることになるとは、考えもしませんでした。
重なってしまった、二つの世界
彼女からメッセージが届いたのは、それからしばらく後のことでした。「全部、つながったよ」。その一行を見た瞬間、僕は自分が築いてきた嘘の全体像を、初めて他人の目線で見せられた気がしました。言い逃れの言葉をいくつも思い浮かべて、そのどれもが意味をなさないことに気づきました。僕は「全部、本当だ。ごめん」とだけ返しました。彼女からの返事は、「もういい。さよなら」。たったそれだけでした。
そして...
何度も謝罪のメッセージを送りましたが、彼女がメッセージを開くことはありませんでした。当然のことだと思います。僕は二人の相手を、同じ嘘で同じように待たせていたのですから。別れを告げられて初めて、自分が失ったものの大きさがわかりました。彼女が見せてくれていた信頼も、もう一人の相手が向けてくれていた気持ちも、すべて僕が自分の手で踏みにじっていたのです。楽な方へ逃げ続けた結果、僕の手元には何も残りませんでした。これは、僕がついてきた嘘がそのまま返ってきただけのことです。次に誰かを大切に思える日が来るのなら、もう二度と、嘘で守れるものなんて何もないと心に刻んでおきます。
(20代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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