「まだ見せるつもりじゃなかったんだ」彼女を不安にさせた席札は、僕が隠していた両親への計画でした
内緒で進めていた準備
僕には、ずっと温めていた計画がありました。付き合って何年か経ち、そろそろ彼女を両親に会わせたいと思っていたのです。ただ伝えるだけでは味気ない気がして、ちゃんとしたお店の個室を予約しました。席札も、その日のために一枚ずつ名前を書いて用意したのです。
彼女の席札を一番見やすい場所に置いて、できあがりを写真に撮りました。当日、彼女が席に着いて自分の名前を見つけたときの顔を想像すると、それだけで準備のかいがあると思えました。全部を内緒のまま進めて、最高の形で驚かせたい。そのことばかり考えていました。
届いてしまった通知
ところが、その写真が問題でした。撮った一枚が気づかぬうちにアルバムにあがってしまっていたのです。気づいたときには、彼女から「アルバムに知らない写真があったんだけど、これ何の集まり?」とメッセージが届いていました。せっかくのサプライズを、自分の手で先に明かすわけにはいきません。僕はとっさに「ごめん、それまだ見せるつもりじゃなかったんだ」とだけ返しました。けれど、隠そうとすればするほど怪しくなることに、送ってから気づいたのです。彼女がどんな想像をして待っているのか、考えるほど落ち着かなくなりました。
隠したかった本当の理由
どうして、ここまでサプライズにこだわったのでしょう。彼女を驚かせたい気持ちはもちろんありました。でも、もっと奥のほうには、別の理由が隠れていた気がします。面と向かって「両親に会ってほしい」と伝えるのが、僕は照れくさく、少し怖かったのです。もし渋られたらと思うと、軽い口調では切り出せませんでした。だからサプライズという形に逃げて、勝手に話を進めていたのだと思います。彼女を不安にさせて初めて、自分の弱さに気づきました。格好をつけたかったのは、ほかでもない僕自身だったのです。
そして...
会って、僕はようやく正直に打ち明けました。「今度、うちの両親に会ってほしくて」。彼女はほっとした顔をしたあと、こう言いました。「サプライズより、ちゃんと話してほしかった」。僕はうなずくだけで応えました。大事なことほど、驚かせるより先に分かち合うべきだったのです。次は気持ちを言葉にしようと決めて、僕は彼女と一緒に、両親に会う日の段取りを考え始めました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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