Q. 「熱中症対策は梅雨明けからでは遅い」って本当ですか?【医師が回答】
【温泉療法専門医が回答】熱中症は、梅雨明けから気を付ければいいと思っていませんか? 熱中症は梅雨明け直後の7月に急増しますが、6月のうちに体を暑さに慣らしておくことが重要です。今日からできる対策法をご紹介します。(※画像:Shutterstock.com)
Q. 「熱中症対策は梅雨明けからでは遅い」って本当ですか?
Q. 「去年の夏、熱中症になって大変だったので、今年はしっかり対策しようと思っています。6月は梅雨で天気も悪そうなので、梅雨明けから気を付けようと思っていましたが、友人から『今からしないと遅い』と言われました。本当でしょうか?」
A. 本当です。梅雨明け直後が最も危険ですので、6月から対策しましょう
熱中症対策というと、「梅雨が明けて本格的に暑くなってからすればいい」と思っている方が少なくないようです。しかし、これは熱中症リスクを高める大きな誤解です。熱中症は6月ごろから発生し始め、梅雨明け直後の7月中旬から下旬にかけて急増します。実は熱中症患者数は、最も暑い8月よりも7月のほうが多いのです。
ではなぜ梅雨明け直後が危険なのでしょうか? その理由は、体がまだ暑さに慣れていないからです。人の体は、暑い環境に繰り返しさらされることで次第にしっかりと汗をかけるようになり、体温調整能力が向上していきます。
しかし、暑さに順応できていない状態のまま急激に気温が上がると、しっかりと汗をかけず、体温調整がうまくできないことで熱中症になりやすくなるのです。
この「体を暑さに慣れさせること」を「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と言います。順応が完成するまでには約1~2週間かかりますので、梅雨が明けてから慌てて始めても間に合わないのです。6月のうちに対策できるかが、非常に重要です。
暑熱順化と聞くと難しそうに思われるかもしれませんが、自宅のお風呂でできる簡単な方法があります。具体的なポイントをご紹介しましょう。
・湯船に40℃のお湯を張り、肩まで全身浴をする
・最初は10分程度から始め、慣れてきたら合計15分を目安にする
・額に汗をかいたら、途中でもいったんお湯から出てよい
・入浴前後にそれぞれコップ1~2杯の水分補給を必ず行う
・これを毎日1回、1週間以上続ける
なお、心臓や呼吸器に病気のある方は、必ず主治医に確認してから実践してください。また、普段から入浴習慣のある方は、暑くなってもシャワーだけに切り替えず、湯船への入浴を毎日続けることが暑熱順化の維持につながります。
熱中症による医療機関の受診者は例年40万人ほどにのぼります。発熱・頭痛・だるさといった熱中症の症状は他の感染症の初期症状と似ている場合もあり、医療現場への負担にもなりかねません。「まだ梅雨だから大丈夫」と油断せず、今日からの入浴習慣を見直すことが、夏を健康に乗り切る第一歩です。
お風呂・温泉の正しい情報を伝える 温泉療法専門医。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授 などを経て、2015年より東京都市大学人間科学部教授(現職)。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長も兼任。
執筆者:早坂 信哉(医師)
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