「ありがとう」より先に「ありがた迷惑」が出る彼の予測変換。本心が読めず不安になった私
画面の一番上に出てきた言葉
その日、私たちはソファでコーヒーを飲みながらスマホをいじっていました。彼は友人からのメッセージに返信しようとしていて、その画面が自然と目に入ったのです。彼が文字を打ち始めると、予測変換にいくつかの候補が並びました。
一番上にあったのは「ありがた迷惑」
その下に、ようやく「ありがとう」が見えました。
私は思わず「『ありがとう』より『ありがた迷惑』が先に出てくるんだね」と口にしていました。彼は画面から目を離さないまま「予測変換なんて、適当だから」とだけ返しました。軽い冗談のつもりでした。それなのに、その候補の並びが、なぜか頭の隅に残ってしまったのです。
読み返すほど膨らむ不安
それからの私は、彼とのこれまでのやりとりを何度も読み返すようになりました。手料理を写真に撮って送ったときの返事は「うまそう」のひとこと。残業明けに送った長いメッセージにも「お疲れ」と短く返ってくるだけです。
以前は気にならなかったその短さが、急に冷たいものに感じられました。私がしていることは、彼にとって重いのかもしれない。よかれと思って渡したお弁当も、休みを合わせようとしたことも、全部ありがた迷惑だったのではないか。
考えれば考えるほど、悪い方へと想像が膨らんでいきました。彼に直接聞けないまま、私からのメッセージはどんどん短くなっていきました。
思いきって打った本音
このまま自分の中で答えを探していても、苦しくなるだけでした。私は入力欄に文字を打っては消し、また打ち直しました。そして、ようやく一通のメッセージを送りました。
「私がしてること、ありがた迷惑になってないかな」
送信ボタンを押したあとは、画面を見つめたまま返信を待つことしかできませんでした。いつもならすぐにメッセージを読んでくれるのに、そのときはなかなか反応がありません。やっぱり聞くべきではなかったのかもしれない。
そう思いかけたとき、彼がメッセージを読んでくれたのがわかりました。
そして...
返ってきたのは、いつもの短い一言ではありませんでした。彼から届いたのは「迷惑なんて思ってない。ちゃんと話したい」というメッセージです。
短い言葉ばかりだと思っていた彼が、自分から「話したい」と言ってくれたことに、少し驚きました。あの予測変換がなぜあの並びだったのか、本当のところはまだわかりません。それでも、短い返信の奥には彼なりの言葉があるのかもしれないと、今は思えます。
今度は私から、ちゃんと聞いてみようと思います。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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