明るく挨拶するママが目障りで嫌味を言った私が、いつのまにか「挨拶警察」と呼ばれ孤立した話
あの屈託のなさが、目障りだった
あのママは、相手が誰であろうと分け隔てなく「おはようございます」「お疲れさまです」と声をかけて回っていました。まわりのママたちはそれを感じよく受け止め、彼女のまわりには自然と人が集まっていきます。私は、その光景がどうしても好きになれませんでした。誰にでもいい顔をして、いい人だと思われている。そんなふうに見えて仕方なかったのです。本当は私自身が、あの挨拶に応えるのが面倒だっただけなのかもしれません。それでも当時の私は、彼女の評判に水を差したくて仕方がありませんでした。
「挨拶されるの迷惑だと思ってる人いますよ笑」
そしてある日、人の集まる場で、私はわざと彼女に聞こえるように言いました。「挨拶されるの迷惑だと思ってる人いますよ笑」。自分が嫌だと思っているとは言いたくなくて、まるで大勢がそう感じているかのように、語尾に笑いを付け足したのです。誰かの名前を出したわけではありません。けれど私の視線も口ぶりも、その矛先が彼女に向いているのは明らかでした。これで少しは彼女の勢いも削げるだろう。そのときの私は、本気でそう思っていました。
「挨拶警察」と呼ばれたのは私だった
ところが、思惑は外れました。まわりのママたちは私に同調するどころか、気まずそうに目をそらしたのです。あのママはそれでも変わらず明るく挨拶を続け、以前にも増して多くの人に囲まれるようになりました。そして広まったのは、彼女ではなく、私の悪い評判のほうでした。あんな言い方をする人がいる、感じが悪い。いつのまにか私は陰で「挨拶警察」と呼ばれ、誰からも話しかけられなくなっていったのです。自業自得だと頭ではわかっていても、それを認めるのは、簡単なことではありませんでした。
そして...
あのママとは、それきり言葉を交わさないままになりました。ただ一度だけ、すれ違いざまに、私は彼女にだけ聞こえる声でこうつぶやいたのです。「あの言葉、あなたに言ったつもりじゃなかったんだけどね」。本当は、はっきり彼女に向けて言った言葉でした。それでも今さら本心は認められず、思いがけず出た言葉は、自分を少しでも軽く見せるための言い訳だったのです。謝るでも、引き止めるでもなく、私はただ体裁を取り繕うことしかできませんでした。手に入れたかった優位も、守りたかった居場所も、結局はこの手の中には残っていませんでした。
(30代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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