彼女からの「返信はひとことにして」という縛り。俺はその短い返事に、毎回本音を詰め込んでいた
長文しか送れなかった理由
俺はメッセージを送るとき、つい長くなってしまう人でした。ひとことで「うん」とだけ返すと、なんだか冷たく思われそうで怖い。だから予定も気持ちも理由も、ぜんぶ書いて、誤解されないように埋めていました。
正直に言うと、彼女に「長すぎて読むのが大変だよ泣。返信はひとことにして」と言われたとき、少しほっとしたんです。長い文章を、うっとうしいと思われていたかもしれない。それなら短いほうがいい。
「わかった」とだけ返しながら、その時の俺は単純にそう考えていました。
ひとことに何を込めるか
ところが、いざ短くしようとすると、これが難しいのです。「最近どう?」と聞かれて、伝えたいことは山ほどあるのに、選べるのはひとことだけ。さんざん迷って「別に」と送りました。
本当は、彼女といる時間が楽しくて毎日待ち遠しい、とまで書きかけていたのに。会いたいと送られてきたときも同じでした。長い口実を並べそうになる手を止めて、いちばん言いたいことだけを残しました。
「会う?」たったひとことに、俺なりの精いっぱいを詰め込んでいたつもりでした。
選びぬいた一言
そんなある時、彼女からメッセージが届きました。
「さっきのことなんだけど、私、なにか怒らせること言ったかな。大丈夫?」
不安にさせてしまったと、すぐにわかりました。本当は、怒ってなんかいない、こっちこそごめん、君といられて毎日うれしいんだと、長い文章を打ちました。打って、消して、また打ちました。
でも縛りはひとことです。彼女を安心させられる言葉を、たったひとつだけ選ぶとしたら。迷った末に残したのが、あの返事でした。
「好き」
怒ってないよ、大丈夫だよ、その全部を、俺はこのひとことに込めたつもりでした。
そして...
あとで彼女が、俺の短い返事を暗号みたいだと感じていたと知りました。冷たく見えていたのかもしれません。でも俺にとって、あのメッセージは、長文よりずっと本音に近い言葉でした。
今度会ったら、ちゃんと話そうと思います。「好き」はごまかしじゃなかったこと。短くしてと言われて初めて、自分が本当に伝えたい言葉はどれなのか、考えるようになれたこと。縛りをくれた彼女に、今は感謝しています。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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