長文の彼に「返信はひとことにして」と頼んだら、暗号みたいな返事が届くようになった話
画面を埋める長文
付き合っている彼は、とにかく送ってくるメッセージが長い人でした。あいさつのあとに、見た動画の感想から、考えていた週末の計画まで、ひとつのメッセージにびっしり詰め込んでくるのです。
読むのは嫌いではありませんでした。ただ、こちらが短く返すと申し訳なくなるくらいの熱量で、たまに返信が追いつかなくなることもありました。そんなとき、私はからかうつもりで言ったのです。
「長すぎて読むのが大変だよ泣。返信はひとことにして」
彼はめずらしく、ほんの少し間をあけてから「わかった」と返してきました。
ひとことすぎて読めない
それからの彼は、本当にひとことしか返してこなくなりました。
「最近どう?」と聞けば「別に」。「会いたいな」と送れば「会う?」
確かに短い。短いけれど、今度はそっけなさすぎて、彼が楽しいのか面倒なのか、まるで読み取れないのです。長文の頃は、行間ににじむ気分まで伝わってきました。それがひとことになった途端、彼の返事は私にとって暗号のようになってしまったのです。
「別に」は不機嫌なのか、ただの口ぐせなのか。短い返事を前に、私はあれこれ深読みしては勝手に落ち込んでいました。
不安に返ってきたのは
あるやりとりのあと、彼の反応がいつにも増して薄く感じられて、急に怖くなりました。私、なにかいけないことを言ってしまったのかもしれない。そう思うと、気になって落ち着きません。
たまらず私は、自分でも長いなと思うメッセージを打ちました。「さっきのことなんだけど、私、なにか怒らせること言ったかな。大丈夫?」
送信してから、彼の返事をずっと待ちました。しばらくして届いたのは、また、ひとことでした。
「好き」
私は画面を見つめたまま、すぐには返信を打てずにいました。怒ってるか聞いたのに、どうして「好き」なんだろう。はぐらかされた気さえして、そのひとことが、いちばん読めない暗号になりました。
そして...
あれから、私はまだ彼に「好き」の意味を聞けていません。怒ってるか聞いた私に、どうしてあの返事だったのか。考えてもわからないままです。でも不思議なことに、あのひとことは今も私の中に残っています。
長い文章のどれより、短い「好き」のほうが、なぜか消えてくれないのです。今度会ったら、あの暗号の答えを、彼の口から聞いてみようと思います。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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