彼女に隠したまま、初デートのお店をもう一度予約した僕。記念日に渡したかったもの
共有カレンダーに残してはいけなかった予約
付き合って3か月くらいの頃から、彼女との結婚を意識するようになっていました。一緒にいる時間が増えるほど、この人と暮らしていく将来が、当たり前のように頭に浮かぶようになったのです。 半年の記念日にプロポーズしようと決めたのは、その2か月ほど前でした。場所は、初デートで行ったあの店以外に考えられませんでした。
ところが、店の予約を取ったあとで、その予定が共有カレンダーにも並んでいることに気づきました。彼女のスマホにも同じものが表示される仕組みです。あわてて予定を消しましたが、もう見られていたかもしれないと、ずっと気がかりでした。
「予約って消すことある?」と聞かれた通話
予約を消してから1週間ほど経った頃、彼女から通話中にぽろりと聞かれました。「予約とか消したりすることって、ある?」 気づかれたかもしれないと焦りましたが、できるだけ普段通りの声で「うん、たまにあるよ。なんで?」と返しました。彼女は「ううん、なんでもない。ちょっと気になっただけ」と話題を変えました。 やっぱり見られていたのだと、その瞬間にわかりました。気づかせてしまったかも。
でも、ここで全部明かしてしまえば、半年かけて準備した記念日が台無しになってしまう。指輪のことも、店に頼んだケーキのことも。
記念日まで2週間
それから連絡を取るたび、彼女の声に少しだけ違和感を覚えるようになりました。明るく振る舞ってくれていますが、ときどき返事が遅れる。考え込むような間があるのです。
「今度の記念日、あの店に行こうか」とメッセージを送ったときも、返信が来るまでにいつもより時間がかかりました。消えた予約のことを、彼女がまだ気にしているのだろうと想像はつきます。
それでも、記念日まではこのまま黙っているつもりでした。サプライズというのは、最後まで隠し通してこそ意味があるのだと、そのときの僕は本気で信じていたのです。
そして...
あの店のテーブルに小さな箱を置いたとき、彼女は少し驚いた顔で「これ、もしかして」と言いかけて口をつぐみました。僕は何も言わずに箱を開けて、彼女の目を見ました。 彼女は涙ぐみながらも、最初に出た言葉は「びっくりさせないでよ」でした。半分笑って、半分怒っているような声でした。
あとから、予約のことをちゃんと話して謝りました。心配させて悪かった、と。サプライズという形にこだわった僕の独りよがりだったのかもしれません。彼女の不安をもう少し想像できていたら、伝え方も違ったはずです。記念日は同じでも、これからは隠し事のない関係でいたいと思いました。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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