「大安まで我慢できないの?」破水した私に義母が送ってきた言葉
予定より早い知らせ
お腹の子に会えるのは、もう少し先だと思っていました。けれど、その感覚は明らかにいつもと違います。破水だと気づいて、私はすぐに産院へ電話をかけました。すぐに来てくださいと言われ、用意していた入院バッグを抱えて玄関へ向かいます。
夫はまだ仕事から戻っておらず、連絡を入れると病院で合流することになりました。気が動転しながらも、念のために義母へ「破水したみたいです。今から病院に向かいます」とメッセージを送りました。
孫の誕生を心待ちにしていた義母なら、きっと喜んでくれるはずだと思ったのです。
鳴り止まないスマホ
ところが、返ってきたのは祝福の言葉ではありませんでした。
「明日は仏滅よ」「大安まで我慢できないの?」
表示された文字を、私は何度も目で追い直しました。今、それを言うの。そう思うのが精一杯でした。
向かう車の中で陣痛の波が押し寄せるたび、私はスマホを握りしめます。波が引くと、また通知が光る。画面の文字がにじんで見えませんでした。祝福を待っていた自分が、ばかみたいに思えてきます。
病院に着き、付き添いに駆けつけた夫へそのやりとりを見せると、夫の表情がみるみる険しくなっていきました。
助産師の言葉
夫はその場で義母へ電話をかけました。そばにいた助産師さんが、電話越しにきっぱりと伝えます。
「破水は、待てるものではありません」
そして夫が続けました。
「赤ちゃんの命と縁起、どっちが大事なの」
電話の向こうからは、もう何の返事も聞こえてきませんでした。それきり、義母からの連絡はぴたりと途絶えたのです。
私はようやく、自分の出産だけに気持ちを向けることができました。そばで手を握ってくれる夫の存在が、何より心強く感じられました。
そして...
ひと晩を越えて、赤ちゃんは無事に産まれてきてくれました。小さな手を見ているうちに、あのやりとりへの怒りも、不思議とどこかへ消えていきました。
後日、義母はあのときのことで、親族からもさすがに非常識だと呆れられていたと知りました。それでも私は、もう責める気にはなれませんでした。
縁起のいい日も、悪い日も関係なく、この子は生まれたいときに生まれてきた。無事に会えた今日が、私にとって何よりの大安でした。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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