<没後10年 反骨のスター 菅原文太特集>「現代やくざ 与太者の掟」など6作品を一挙放送 あらすじと見どころに迫る
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、「没後10年 反骨のスター 菅原文太特集」と題し、11月25日(月)~30日(土)にかけて名優・菅原文太さんの出演する映画を6作品放送する。本記事では菅原さんの軌跡と共に、各放送作品のあらすじや見どころを紹介していく。
「仁義なき戦い」などへの出演で日本映画界を牽引
2024年で没後10周年となる菅原文太さん。半世紀以上に及ぶ俳優生活で出演した映画作品は220本以上にものぼり、その中で70本近くの主演を務めてきた。
俳優デビューのきっかけとなったのは、大学在学中に劇団四季に入団したことに遡る。演劇の世界に魅了された菅原さんは大学を中退し、映画「哀愁の街に霧が降る」(1956年)で映画デビューを果たす。同時にファッションモデルとして活動する菅原さんだが、1958年に映画俳優の道を選び「白線秘密地帯」(1958年)で本格的な俳優デビューを果たすと、殺人事件と心理現象を掛け合わせた「海女の化物屋敷」(1959年)で初主演を務めた。
その後、「現代やくざ 与太者の掟」(1969年)への主演をきっかけに“実録ヤクザ路線”を築き上げ、菅原さんを主演とした任侠映画が続々と制作されるようになる。「現代やくざ」シリーズや「関東テキヤ一家」シリーズ、「まむしの兄弟」シリーズもその一環で、「仁義なき戦い」(1973年)では痺れる色気と魅力あふれる広島弁で存在感を示した。
晩年は「千と千尋の神隠し」(2001年)の釜爺役、石原さとみの俳優デビュー作品「わたしのグランパ」(2003年)など声優やドラマなど幅広いジャンルで活躍。そして「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)への出演を遺作に、81歳で生涯を終えた。そんな彼がさまざまな作品で魅せる“強烈な眼光”と“圧倒的存在感”は唯一無二と言えるだろう。
菅原さんのギラついた一匹狼ぶりが光る「現代やくざ 与太者の掟」
11月25日(月)夜8時からは、菅原さんの東映映画初主演作品となる「現代やくざ 与太者の掟」(1969年)をBS松竹東急にて放送。時は昭和32年、舞台は売春防止法が施行され、暴力団が我が物顔で闊歩する新宿。一家心中の生き残りの男・勝又八郎(菅原さん)が少年院や刑務所を渡り歩き、府中刑務所を出所、新宿駅に降り立った。傷害罪で3年服役し、過去に少年院を6回も脱走した勝又は、新宿を仕切る岩上一家と荒尾組の縄張り争いに巻き込まれた結果、まやもや警察から追われる身となってしまい――。
組織からはみ出した愚連隊の意地と度胸を痛快に描く本作。菅原さんにとって8年ぶりの主演作品だが、エッジの効いた演技による“一匹狼ぶり”は鮮烈な印象を与えている。そんな本作では、下っ端役として小林稔侍や石橋蓮司といった実力派俳優陣が出演している点も見どころだ。
義理、人情、恋に生きる男たちを描く新任侠映画「関東テキヤ一家」
11月26日(火)夜8時からは、菅原さんと待田京介の兄弟コンビが活躍する「関東テキヤ一家」(1969年)を放送。あらすじは、昭和30年を舞台に浅草に縄張りを張るテキヤ・菊水一家と、徐々に勢力を伸ばそうとするテキヤ・源田一家がいた。ある時、菊水一家の若衆・国分勝(菅原さん)、仲間の引地(待田)と、源田一家の若衆との間にいざこざが発生。その結果、菊水一家の親分・市井(嵐寛寿郎さん)が襲撃される――。命知らずの男たちが対決を繰り広げるダイナミックな縄張り争いの中で、義理、人情、恋に揺れながらも縄張りを死守する“テキヤ魂”を見事に表現した菅原さんの熱量に注目だ。
11月27日(水)夜8時からは、“ズッコケヤクザ”の物語「懲役太郎 まむしの兄弟」(1971年)を放送。神戸の港町を舞台に、ゆすりやたかり、スケこましなど縦横無尽に暴れまくるヤクザを描いた本作。3年ぶりに出所した“ゴロ政”こと政太郎(菅原さん)を、兄弟分である“不死身の勝”こと勝次(川地民夫さん)が出迎えた。この2人は少年院と刑務所を合わせて12回も渡り歩いており、チンピラから巻き上げた金で賭場で遊んでいたが、有り金を使い果たしてしまい――。数多くの任侠映画やサスペンスドラマを手掛けた中島貞夫監督が、スピード感たっぷりの構成で菅原さんと川地さん兄弟のアウトローな姿を画面いっぱいに描き好評を博した。
11月28日(木)夜8時からは、道中合羽に三度笠が特徴の映画「木枯し紋次郎」(1972年)を放送。主人公の上州無宿紋次郎(菅原さん)は、日野宿の貸元である井筒屋仙松を殺害した罪で三宅島に流されることに。しかし実際に殺めたは彼の兄貴分である左文治。実は紋次郎は、“病床にいる母親を一人残して三宅島へ行かなくてはいけない”という左文治の身代わりになったのだった――。本作は作家・笹沢左保が生んだヒーロー・木枯し紋次郎を映画化した作品で、作中の「あっしには関わり合いのねえことでござんす」というセリフは当時話題に。ドラマ版よりもアクション色が強くなっている。
日本列島の暴力地図を塗り替える流血の抗争を描いた「日本の仁義」
11月29日(金)夜8時からは、日本列島の暴力地図を塗り替える流血構想を描いた映画「日本の仁義」(1977年)を放送。大阪で千田組と勢力を二分する新宮会の若頭・須藤(菅原さん)が、巨大企業である阪鉄の社長・稲田(岡田英次さん)のスキャンダル記事を入手した。記事をネタに稲田を恐喝させる須藤だが、この出来事が逆に波紋を呼び、新宮会の会長・新宮(藤田進さん)は引退。須藤に二代目を譲ることになる――。菅原さんは荒々しくギラついたヤクザを演じ、その迫力に多くの観客が息を飲んだ本作。菅原さんの忠実な子分役で千葉真一さんが出演している点も見どころの一つだ。
11月30日(土)夜9時からは、関東を揺るがすヤクザ抗争を描く「総長の首」(1979年)を放送。関東大震災の爪痕が未だ残る昭和10年の浅草を舞台に、侠友会と花森組という敵対同士の抗争が繰り広げられる中、花森組傘下の愚連隊・血桜団の3人が、侠友会小池組の組員を射殺するという事件が発生。その数日後、血桜団団長の八代(菅原さん)が、小池組からの刺客に殺されてしまい――。本作では清水健太郎や三浦洋一さん、鶴田浩二さん、安藤昇さん、梅宮辰夫さんら豪華俳優陣が血気盛んな若手チンピラ役を演じ、その躍動感や滴る野望には終始圧倒される。
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